2026年版・6-4

建築基準法:工事現場の危害の防止の一問一答

1級建築施工管理技士「法規」から、建築基準法:工事現場の危害の防止に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-4

建築基準法施行令に定める仮囲いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①仮囲いの高さは、地盤面から1.8m以上としなければならないとされている。
  • ②木造の建築物では、高さが13mを超えるものについて仮囲いが必要となる。
  • ③木造以外の建築物では、3以上の階数を有するものについて仮囲いが必要とされる。
  • ④同等以上の効力を有する他の囲いがある場合は、仮囲いを設けなくてもよいとされる。
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正解 ③木造以外の建築物では、3以上の階数を有するものについて仮囲いが必要とされる。
解説
建築基準法施行令第136条の2の20は、木造の建築物で高さが13mもしくは軒の高さが9mを超えるもの、または木造以外の建築物で2以上の階数を有するものについて工事を行う場合に、工事期間中、工事現場の周囲に高さ1.8m以上の仮囲いを設けなければならないと定めています。木造以外は3以上の階数ではなく2以上の階数です。木造以外の建築物は鉄骨や鉄筋コンクリートなど重い材料を使うため、2階建て程度でも部材や工具が落ちれば通行人に大きな危害を及ぼします。そこで木造よりも低い規模から仮囲いを求めているのです。

他の選択肢が不適切な理由
「木造の建築物では、高さが13mを超えるものについて仮囲いが必要となる。」は正しく、同条が木造について高さ13m超または軒の高さ9m超と定めているからです。「仮囲いの高さは、地盤面から1.8m以上としなければならないとされている。」も正しく、同条が板塀その他これに類する仮囲いの高さをそのとおり定めているからです。「同等以上の効力を有する他の囲いがある場合は、仮囲いを設けなくてもよいとされる。」も正しく、同条のただし書が例外を認めているからです。

試験の罠
令和7年4月の建築士法改正で一級建築士の独占範囲が高さ16m超に変わりましたが、仮囲いの13mと軒の高さ9mは改正されていません。同じ13mでも別の制度なので混同しないことです。
問26-4

根切り工事および山留め工事を行う場合の危害の防止に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①山留めの根入れは、周辺の地盤の安定を保持するために相当な深さとしなければならない。
  • ②あらかじめ、地下に埋設されたガス管や水道管の損壊による危害の防止措置を講じる。
  • ③地階の根切り工事などの深い根切り工事は、地盤調査に基づく施工図により行う。
  • ④深さ2m以上の根切り工事を行う場合は、原則として山留めを設けなければならない。
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正解 ④深さ2m以上の根切り工事を行う場合は、原則として山留めを設けなければならない。
解説
建築基準法施行令第136条の3第4項は、建築工事等において深さ1.5m以上の根切り工事を行う場合においては、地盤が崩壊するおそれがないとき、および周辺の状況により危害防止上支障がないときを除き、山留めを設けなければならないと定めています。2m以上ではなく1.5m以上です。人がその中で作業する深さの穴は、土が崩れると一瞬で埋まってしまい、脱出も救助も極めて難しくなります。1.5mという深さは、崩れた土が人の腰から胸のあたりまで達し、自力で抜け出せなくなる境目としておかれた数値です。

他の選択肢が不適切な理由
「あらかじめ、地下に埋設されたガス管や水道管の損壊による危害の防止措置を講じる。」は正しく、同条第1項がガス管、ケーブル、水道管および下水道管の損壊による危害の防止を求めているからです。「地階の根切り工事などの深い根切り工事は、地盤調査に基づく施工図により行う。」も正しく、同条第2項が地層および地下水の状況に応じて作成した施工図に基づくことを求めているからです。「山留めの根入れは、周辺の地盤の安定を保持するために相当な深さとしなければならない。」も正しく、同条第4項の後段がそのとおり定めているからです。

試験の罠
建築基準法施行令の山留めは深さ1.5m以上ですが、労働安全衛生法の地山の掘削作業主任者は掘削面の高さが2m以上で必要になります。法律が違えば基準となる深さも異なります。
問36-4

山留めの主要な部分の構造計算に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①深さ3m以内の根切り工事では、土を水と仮定した場合の圧力の30%以上の値による。
  • ②土圧の計算は、原則として土質および工法に応じた数値によることとされているものである。
  • ③建築物その他の工作物に近接する部分は、その荷重による影響に相当する数値を加える。
  • ④計算した応力度が、定められた許容応力度を超えないことを確かめなければならない。
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正解 ①深さ3m以内の根切り工事では、土を水と仮定した場合の圧力の30%以上の値による。
解説
建築基準法施行令第136条の3第5項第1号イは、山留めの切ばりや矢板、腹起しなどの主要な部分の構造計算に用いる土圧について、土質および工法に応じた数値によることを原則としたうえで、ただし書において、深さ3m以内の根切り工事を行う場合は、土を水と仮定した場合の圧力の50%を下らない範囲でこれと異なる数値によることができると定めています。30%ではありません。浅い根切りでは詳細な土質調査を行わないことも多いため、水の圧力の半分という安全側の目安を与えて、簡便に計算できるようにしているのです。

他の選択肢が不適切な理由
「土圧の計算は、原則として土質および工法に応じた数値によることとされているものである。」は正しく、同号イの本文がそのとおり定めているからです。「建築物その他の工作物に近接する部分は、その荷重による影響に相当する数値を加える。」も正しく、同号ロが近接する工作物の荷重の影響を加えることを求めているからです。「計算した応力度が、定められた許容応力度を超えないことを確かめなければならない。」も正しく、同項第3号が木材、鋼材、コンクリートごとの許容応力度を定めて確認を求めているからです。

試験の罠
山留めに用いる木材の許容応力度は、長期に生ずる力に対する値と短期に生ずる力に対する値の平均値です。仮設だから短期の値をそのまま使えると考えるのは誤りで、平均値という中間の扱いになります。
問46-4

根切りおよび山留めの施工中の措置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じる。
  • ②山留めの周辺に工事用材料を集積する場合は、予定した荷重の1.5倍までとしてよい。
  • ③点検や補強は、山留めを安全な状態に維持するための措置として位置づけられている。
  • ④工事の施工中は必要に応じて点検を行い、山留めを補強し排水を適当に行うものとする。
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正解 ②山留めの周辺に工事用材料を集積する場合は、予定した荷重の1.5倍までとしてよい。
解説
建築基準法施行令第136条の7第2項は、建築工事等において山留めの周辺または架構の上に工事用材料を集積する場合においては、当該山留めまたは架構に予定した荷重以上の荷重を与えないようにしなければならないと定めています。1.5倍までであれば差し支えないということはありません。山留めは、掘削した壁面が崩れようとする土の圧力を受け止めるためのもので、設計のときに想定した荷重を前提として部材の断面が決まっています。その背面に鉄筋や型枠を積み上げれば、想定を超える土圧が働き、切ばりの座屈や矢板の変形から一気に崩壊へつながります。

他の選択肢が不適切な理由
「矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じる。」は正しく、令第136条の3第6項がそのとおり定めているからです。矢板を抜いた跡の空隙は必ず埋める必要があります。「工事の施工中は必要に応じて点検を行い、山留めを補強し排水を適当に行うものとする。」も正しく、同項が施工中の維持管理を求めているからです。「点検や補強は、山留めを安全な状態に維持するための措置として位置づけられている。」も正しく、同項がこれらを安全な状態に維持するための措置と位置づけているからです。

試験の罠
工事用材料の集積は令第136条の7、根切りと山留めの維持は令第136条の3第6項と、条文が分かれています。どちらも荷重と地盤の安定に関わるので、条番号まで含めて対応づけて覚えます。
問56-4

基礎工事用機械等の転倒による危害の防止に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①くい打機やくい抜機を使用する場合は、敷板や敷角の使用等により転倒を防止する。
  • ②アース・ドリルやアース・オーガーも、対象となる基礎工事用機械に含まれている。
  • ③つり上げ荷重が3トン以上の移動式クレーンを使う場合に、転倒防止の措置が求められる。
  • ④地盤の状況等により危害防止上支障がない場合には、この措置を要しないこととされている。
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正解 ③つり上げ荷重が3トン以上の移動式クレーンを使う場合に、転倒防止の措置が求められる。
解説
建築基準法施行令第136条の4は、建築工事等において一定の基礎工事用機械または移動式クレーンを使用する場合において、敷板、敷角等の使用等によりその転倒による工事現場の周辺への危害を防止するための措置を講じなければならないと定めており、移動式クレーンについてはつり上げ荷重が0.5トン以上のものを対象としています。3トン以上ではありません。この条文は、現場で働く人ではなく工事現場の周辺にいる人を守るための規定です。小型の移動式クレーンでも軟弱な地盤で転倒すれば道路や隣家に倒れ込むため、低い荷重から対象としています。

他の選択肢が不適切な理由
「くい打機やくい抜機を使用する場合は、敷板や敷角の使用等により転倒を防止する。」は正しく、同条第1号と第2号がこれらを基礎工事用機械として掲げているからです。「アース・ドリルやアース・オーガーも、対象となる基礎工事用機械に含まれている。」も正しく、同条第3号と第6号がこれらを掲げているからです。「地盤の状況等により危害防止上支障がない場合には、この措置を要しないこととされている。」も正しく、同条のただし書が例外を定めているからです。

試験の罠
0.5トンは建築基準法施行令、1トンは労働安全衛生法の玉掛けや小型移動式クレーンの技能講習、5トンは移動式クレーン運転士免許の境目です。数字が近いので法律ごとに整理します。
問66-4

建築物その他の工作物に近接して根切りその他の土地の掘削を行う場合の措置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①この措置は、根切りの深さが1.5m以上である場合に限って講ずるものとされている。
  • ②当該工作物の基礎または地盤を補強して、その構造耐力の低下を防止するものとされる。
  • ③地下水の急激な排水を避けて、周辺の地盤の沈下による影響を抑えるものとされている。
  • ④山留めの土圧の計算では、当該工作物の荷重による影響に相当する数値を加えるとされる。
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正解 ①この措置は、根切りの深さが1.5m以上である場合に限って講ずるものとされている。
解説
建築基準法施行令第136条の3第3項は、建築工事等において建築物その他の工作物に近接して根切り工事その他の土地の掘削を行う場合には、当該工作物の基礎または地盤を補強して構造耐力の低下を防止し、急激な排水を避ける等、その傾斜または倒壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならないと定めています。この項には掘削の深さによる条件は付いておらず、深さが1.5m未満であっても、近接する工作物に危害が及ぶおそれがあれば措置が必要です。1.5mという数値は同条第4項の山留めを設けなければならない根切りの深さであり、別の話です。浅い掘削でも、隣の建物の基礎の下の土が横へ逃げれば支持力は失われます。深さではなく、隣にある工作物との位置関係で判断させるのが、この条文の考え方です。

他の選択肢が不適切な理由
「当該工作物の基礎または地盤を補強して、その構造耐力の低下を防止するものとされる。」は正しく、同項が補強による構造耐力の低下の防止をそのまま求めているからです。掘削によって支えを失った地盤は、上の建物を支える力を減らします。「地下水の急激な排水を避けて、周辺の地盤の沈下による影響を抑えるものとされている。」も正しく、同項が急激な排水を避けることを例示しているからです。地下水を急に抜くと土の粒の間の水圧が下がり、地盤全体が圧縮されて広い範囲が沈下します。「山留めの土圧の計算では、当該工作物の荷重による影響に相当する数値を加えるとされる。」も正しく、同条第5項第1号ロが近接する工作物の荷重による影響に相当する数値を加えることを求めているからです。

試験の罠
同じ条文の中に、深さ1.5m以上で山留めが必要という第4項と、深さの条件を持たない第3項が並んでいます。近接する工作物への措置に深さの下限はない、という点が問われます。土圧の計算で近接工作物の荷重を加えるのは第5項第1号ロです。
問76-4

工事現場の周辺への落下物による危害の防止に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①鉄網または帆布で覆う場合に従うべき基準は、特定行政庁が定めるものとされている。
  • ②鉄網や帆布で覆うほか、落下物による危害を防止するための措置を講じるものとする。
  • ③境界線から5m以内で高さが7m以上のときは、鉄網または帆布で覆う。
  • ④はつりや除却、外壁の修繕等に伴い危害を生ずるおそれがある場所も対象とされる。
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正解 ①鉄網または帆布で覆う場合に従うべき基準は、特定行政庁が定めるものとされている。
解説
建築基準法施行令第136条の5第2項は、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離5m以内で、かつ地盤面から高さ7m以上にあるときなどに、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な部分を鉄網または帆布で覆う等の措置を講じなければならないと定めています。基準を定めるのは特定行政庁ではなく国土交通大臣です。覆いの網目の大きさや取付けの強さは、落下物を確実に受け止められるかどうかを決める技術的な事項であり、地域ごとに異なってよい性質のものではありません。そのため全国一律の基準として国土交通大臣が定め、特定行政庁はその基準に適合しているかを確かめる立場に立ちます。

他の選択肢が不適切な理由
「境界線から5m以内で高さが7m以上のときは、鉄網または帆布で覆う。」は正しく、同項が距離と高さの条件および覆う材料をそのとおり定めているからです。境界に近く高い位置ほど、落ちた物が敷地の外の通行人に達する危険が高くなります。「鉄網や帆布で覆うほか、落下物による危害を防止するための措置を講じるものとする。」も正しく、同項が覆う等の措置と定めており、同等の効果がある他の方法も認めているからです。「はつりや除却、外壁の修繕等に伴い危害を生ずるおそれがある場所も対象とされる。」も正しく、同項が距離と高さの条件に当たらない場合でも、これらの作業に伴い危害を生ずるおそれがあるときを対象に加えているからです。

試験の罠
第1項は物を投下する場合の飛散防止で高さ3m以上、第2項は工事をする部分そのものからの落下物の防護で高さ7m以上です。境界線からの水平距離5m以内という条件は両方に共通します。基準を定めるのは国土交通大臣である点も押さえます。
問86-4

建て方および工事用材料の集積に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①鉄骨造の建築物の建て方の仮締は、荷重および外力に対して安全なものとする。
  • ②建て方の際の仮筋かいは、鉄骨造の建築物についてのみ取り付けるものとされる。
  • ③建て方を行うに当たっては、仮筋かいを取り付ける等の倒壊を防止する措置を講じる。
  • ④工事用材料の集積は、その倒壊や崩落等による危害の少ない場所に安全に行う。
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正解 ②建て方の際の仮筋かいは、鉄骨造の建築物についてのみ取り付けるものとされる。
解説
建築基準法施行令第136条の6第1項は、建築物の建て方を行うに当たっては、仮筋かいを取り付ける等、荷重または外力による倒壊を防止するための措置を講じなければならないと定めています。この項は「建築物の建て方」と定めるだけで、構造の種別を限っていません。木造でも鉄骨造でも、部材を組み上げている途中の骨組みは、接合部がまだ本来の強さを持たず、風や作業の振動だけで倒れます。とくに木造の在来軸組工法では、筋かいや面材が入るまで骨組みは平行四辺形につぶれる方向にまったく抵抗できません。仮筋かいは、その途中の状態を持たせるための仮設の斜め材です。なお同条第2項は鉄骨造の建築物の建て方の仮締について別に定めており、鉄骨造だけを対象とするのはこちらです。

他の選択肢が不適切な理由
「鉄骨造の建築物の建て方の仮締は、荷重および外力に対して安全なものとする。」は正しく、令第136条の6第2項がそのとおり定めているからです。仮締めは本締めの前の段階で、ボルトの本数が少なく最も不安定になります。「建て方を行うに当たっては、仮筋かいを取り付ける等の倒壊を防止する措置を講じる。」も正しく、同条第1項が仮筋かいを例示しつつ、倒壊を防止する措置を求めているからです。「工事用材料の集積は、その倒壊や崩落等による危害の少ない場所に安全に行う。」も正しく、令第136条の7第1項が集積の場所と方法についてそのとおり定めているからです。

試験の罠
令第136条の6は第1項が建て方一般、第2項が鉄骨造の仮締と、対象の範囲が違います。令第136条の7は工事用材料の集積、令第136条の8は火気を使用する場合の不燃材料の囲いです。条文の並びを順に思い出せるようにしておきます。
問96-4

建築基準法および同法施行令に定める工事現場の危害の防止に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①火気を使用する場合は、その場所に不燃材料の囲いを設ける等の措置を講じる。
  • ②危害の防止のための措置の技術的基準は、政令で定めることとされているものである。
  • ③工事の施工に伴う危害を防止する措置を講ずる義務は、建築主に課せられている。
  • ④工事現場の危害の防止の規定は、建築物の除却のための工事についても適用される。
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正解 ③工事の施工に伴う危害を防止する措置を講ずる義務は、建築主に課せられている。
解説
建築基準法第90条第1項は、建築物の建築、修繕、模様替または除却のための工事の施工者が、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物または工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならないと定めています。義務を負うのは建築主ではなく工事の施工者です。実際に現場で重機を動かし、掘削し、資材を積み上げているのは施工者であり、危険を生じさせる行為を直接支配しているのも施工者だからです。建築主が負うのは確認申請や完了検査の申請といった手続き上の義務であり、現場の安全に関する義務とは主体が異なります。

他の選択肢が不適切な理由
「火気を使用する場合は、その場所に不燃材料の囲いを設ける等の措置を講じる。」は正しく、令第136条の8がそのとおり定めているからです。溶接や溶断の火花が可燃物に触れる火災を防ぐ趣旨です。「危害の防止のための措置の技術的基準は、政令で定めることとされているものである。」も正しく、法第90条第2項が政令に委任しており、その内容が令第7章の8だからです。「工事現場の危害の防止の規定は、建築物の除却のための工事についても適用される。」も正しく、法第90条第1項が除却のための工事を明記しているからです。

試験の罠
建築基準法の危害の防止は工事現場の周辺にいる人を守る規定で、労働安全衛生法は現場で働く人を守る規定です。守る相手が違うことを意識すると、両者の数値の違いも理解しやすくなります。
問106-4

工事中における安全上の措置等に関する計画の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①工事の施工中に当該建築物を使用し、または使用させる場合に届出が必要となる。
  • ②届出の義務を負うのは工事施工者ではなく、当該建築物の建築主とされている。
  • ③届出の相手方は、労働基準監督署長ではなく特定行政庁とされているものである。
  • ④この計画の届出は、工事に着手した後に遅滞なく行えばよいこととされている。
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正解 ④この計画の届出は、工事に着手した後に遅滞なく行えばよいこととされている。
解説
建築基準法第90条の3は、別表第一の(い)欄の(一)項、(二)項および(四)項に掲げる用途に供する建築物などの新築の工事、またはこれらの建築物に係る避難施設等に関する工事の施工中において当該建築物を使用し、または使用させる場合において、建築主があらかじめ、工事の施工中における安全上、防火上または避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならないと定めています。あらかじめ届け出るものであり、着手後でよいということはありません。使いながら工事を進める建物では、避難経路が仮設のものになるなど危険が増すため、事前の確認が欠かせないのです。

他の選択肢が不適切な理由
「届出の義務を負うのは工事施工者ではなく、当該建築物の建築主とされている。」は正しく、同条が当該建築主と明記しているからです。「届出の相手方は、労働基準監督署長ではなく特定行政庁とされているものである。」も正しく、同条が特定行政庁への届出と定めているからです。労働安全衛生法の計画の届出とは相手方が異なります。「工事の施工中に当該建築物を使用し、または使用させる場合に届出が必要となる。」も正しく、同条がその場合を要件としているからです。

試験の罠
建築基準法の届出は特定行政庁または都道府県知事、労働安全衛生法の計画の届出は労働基準監督署長または厚生労働大臣です。同じ届出でも法律ごとに相手方が違う点が繰り返し問われます。

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