2026年版・5-9

品質管理:試験・検査(鉄筋・鉄骨)の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、品質管理:試験・検査(鉄筋・鉄骨)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-9

鉄筋のガス圧接部の外観検査の合否の基準に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①圧接部のふくらみの直径は、鉄筋の径の1.1倍以上であることを確認する。
  • ②圧接部のふくらみの長さは、鉄筋の径の1.1倍以上であることを確認する。
  • ③圧接部における鉄筋の軸心のくい違いは、鉄筋の径の5分の1以下とする。
  • ④圧接部における鉄筋の折れ曲がりは、2度以下であることを確認していく。
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正解 ①圧接部のふくらみの直径は、鉄筋の径の1.1倍以上であることを確認する。
解説
ガス圧接は、突き合わせた鉄筋の端面を加熱しながら軸方向に強く押し付け、金属を溶かしきらずに接合する方法です。押し付けたときに接合部の材料が横へ膨らみ、たいこ型のふくらみができます。このふくらみの大きさは、必要な圧力と加熱が十分に加えられたかどうかを外から判断する手がかりとなるため、直径は鉄筋の径の1.4倍以上、長さは鉄筋の径の1.1倍以上と定められています。直径のほうが大きな倍率を求められているのは、直径が押し付けの力の大きさを最も素直に反映するためで、これが不足していると接合面の圧着が不十分で、内部に未接合の部分が残っているおそれがあります。したがって、直径を1.1倍以上とする記述は長さの基準と取り違えたものであり、直径の基準としては緩すぎます。

他の選択肢が不適切な理由
「圧接部のふくらみの長さは、鉄筋の径の1.1倍以上であることを確認する。」は正しく、長さは加熱した範囲の広さを反映し、この基準を満たさないものは加熱の幅が不足していると判断されるからです。「圧接部における鉄筋の軸心のくい違いは、鉄筋の径の5分の1以下とする。」も正しく、二本の鉄筋の中心線がずれると、引張力が加わったときに曲げが生じて接合部に余分な力がかかるため、上限が定められているからです。「圧接部における鉄筋の折れ曲がりは、2度以下であることを確認していく。」も正しく、折れ曲がりも軸のずれと同じく偏った力を生むため、角度で上限が定められているからです。

試験の罠
直径は1.4倍以上、長さは1.1倍以上という組合せを取り違えないことが要点です。あわせて、ふくらみの頂点と圧接面のずれは鉄筋の径の4分の1以下、軸心のくい違いは5分の1以下という、分母が4と5で紛らわしい二つの基準も対比して覚えてください。
問25-9

鉄筋のガス圧接を行う前の準備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①呼び名の差が7mmを超える鉄筋どうしは、原則として圧接しない。
  • ②圧接によって鉄筋は縮むため、その分をあらかじめ見込んで加工しておく。
  • ③圧接する鉄筋の端面は、軸線に対して直角となるように平滑に切断しておく。
  • ④圧接する鉄筋の端面の研磨は、圧接作業を行う前日までに終わらせておく。
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正解 ④圧接する鉄筋の端面の研磨は、圧接作業を行う前日までに終わらせておく。
解説
ガス圧接では、突き合わせる二つの端面を溶かしきらずに圧着するため、接合の良否は端面の清浄さに大きく左右されます。研磨によって金属の地肌を出した面は、大気にさらされると短い時間で酸化被膜が生じ、また空気中の水分や油分が付着します。この状態で圧接すると、接合面に不純物が挟まったまま圧着され、内部に未接合の部分や脆い層が残るおそれがあります。そのため端面の研磨は圧接をする当日に行うことが原則とされており、研磨してから圧接までの時間をできるだけ短くします。前日に研磨して一晩置くという手順は、夜間の結露も加わって最も酸化が進みやすい条件をつくることになり、避けなければなりません。やむを得ず時間が空いた場合は、圧接の直前に再度研磨し直します。

他の選択肢が不適切な理由
「圧接する鉄筋の端面は、軸線に対して直角となるように平滑に切断しておく。」は正しく、端面が斜めであったり凹凸があったりすると全面が均一に接触せず、局所的にしか圧着されないからです。「呼び名の差が7mmを超える鉄筋どうしは、原則として圧接しない。」も正しく、径の差が大きいと加熱と加圧の条件を両方の鉄筋に同時に適合させることができず、健全な接合が得られないからです。「圧接によって鉄筋は縮むため、その分をあらかじめ見込んで加工しておく。」も正しく、軸方向に押し付けて接合する以上、その分だけ全長が短くなるので、加工の段階で縮み代を加えておく必要があるからです。

試験の罠
研磨は圧接当日という点が最も多く問われます。前日、事前、あらかじめといった語が研磨に付いていれば誤りとみてよいでしょう。縮み代は鉄筋の径のおよそ1倍から1.5倍が目安であり、径が太いほど大きくなる点も押さえておきましょう。
問35-9

鉄筋のガス圧接部の試験および検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①圧接部の外観検査は、原則として圧接した箇所の全数について実施していく。
  • ②抜取りによる超音波探傷試験は、1つの検査ロットから30か所を抜き取る。
  • ③超音波探傷試験は、圧接した箇所の全数について実施しなければならない。
  • ④引張試験を行う場合は、1つの検査ロットから3本の試験片を抜き取る。
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正解 ③超音波探傷試験は、圧接した箇所の全数について実施しなければならない。
解説
ガス圧接部の検査は、目で見て確かめる外観検査と、内部の状態を調べる超音波探傷試験や引張試験を組み合わせて行います。このうち外観検査は、ふくらみの形状や軸のずれ、割れやたれといった表面に現れる不具合を対象とし、道具も手間もかからないため全数について実施します。これに対して超音波探傷試験は、探触子を当てて内部の反射を読み取る作業に時間と技能を要し、圧接箇所は建物全体では数千から数万に及ぶため、全数を調べれば工期にも費用にも大きな負担となります。そこで一定のまとまりを検査ロットとして定め、その中から無作為に抜き取った箇所を調べて、ロット全体の良否を推し量る抜取検査として行います。したがって、超音波探傷試験を全数とする記述は、外観検査の考え方を取り違えたものです。

他の選択肢が不適切な理由
「圧接部の外観検査は、原則として圧接した箇所の全数について実施していく。」は正しく、表面に現れる不具合は見落とせば構造の安全に直結するうえ、確認に特別な装置を要しないため全数で行うからです。「抜取りによる超音波探傷試験は、1つの検査ロットから30か所を抜き取る。」も正しく、統計的に妥当な数として定められた抜取り数だからです。「引張試験を行う場合は、1つの検査ロットから3本の試験片を抜き取る。」も正しく、試験片を切り取って引張り、母材の規格値以上の強度が得られるかを確かめる破壊試験であるため、少数の抜取りで判定するからです。

試験の罠
全数で行うのは外観検査だけであり、超音波探傷試験と引張試験はいずれも抜取りです。破壊を伴う引張試験を全数で行えないのは当然として、超音波探傷試験は非破壊であっても抜取りである点が引っかけになりやすいところです。検査ロットは、1組の作業班が1日に施工した箇所を単位とします。
問45-9

鉄筋のガス圧接部が検査で不合格となった場合の措置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ふくらみの直径が不足していた圧接部は、再度加熱して圧力を加え修正する。
  • ②折れ曲がりの角度が大きかった圧接部は、再度加熱することにより修正する。
  • ③圧接部に明らかな焼き割れが生じていた場合は、切り取って再び圧接する。
  • ④鉄筋の軸心のくい違いが大きかった圧接部は、再度加熱することで修正する。
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正解 ④鉄筋の軸心のくい違いが大きかった圧接部は、再度加熱することで修正する。
解説
ガス圧接部の不具合には、再び加熱することで直せるものと、直せないものがあります。ふくらみの直径や長さの不足は、加熱と加圧が足りなかったことが原因ですから、もう一度加熱して圧力を加えれば所定の形状に育てることができます。折れ曲がりも、加熱して軟らかくした状態で向きを整えれば矯正できます。これに対して、二本の鉄筋の中心線そのものがずれている軸心のくい違いは、接合面の位置関係が固定されてしまっているため、加熱しても中心線を一致させることはできません。この場合は圧接部を切り取り、必要な長さを確保したうえで改めて圧接し直すほかありません。加熱による修正で済ませようとすると、ずれを残したまま外観だけを整えることになり、引張力が加わったときに曲げが生じて破断の起点となってしまいます。

他の選択肢が不適切な理由
「ふくらみの直径が不足していた圧接部は、再度加熱して圧力を加え修正する。」は正しく、不足の原因が加熱と加圧の不足であるため、同じ操作を追加すれば所定の形状に達するからです。「折れ曲がりの角度が大きかった圧接部は、再度加熱することにより修正する。」も正しく、加熱して材料を軟らかくすれば向きを整えることができ、接合面そのものを作り直す必要がないからです。「圧接部に明らかな焼き割れが生じていた場合は、切り取って再び圧接する。」も正しく、割れは材料の内部に生じた損傷であって加熱では回復せず、その部分を除去するほかないからです。

試験の罠
加熱で直せるのは、ふくらみの不足と折れ曲がりです。切り取って再圧接するのは、軸心のくい違い、焼き割れ、著しい曲がり、圧接面のずれが大きい場合です。形が足りないものは足せる、位置と損傷は直せない、と整理すると迷いにくくなります。
問55-9

高力ボルト接合の締付けおよび検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①トルシア形高力ボルトは、ナットの回転量が120度に達したことで完了とする。
  • ②一次締めの後に、ボルトとナットと座金と部材にわたる確認の線を引く。
  • ③ボルトの余長は、ねじ山が1山から6山の範囲にあることを目視により確かめる。
  • ④高力ボルトの締付けは、接合部の中央から周辺へ向かう順序で行うこととする。
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正解 ①トルシア形高力ボルトは、ナットの回転量が120度に達したことで完了とする。
解説
トルシア形高力ボルトは、軸の先端にピンテールと呼ばれる突起を持ち、専用の締付け機がこの突起をつかんで反力を取りながらナットを回す構造になっています。ボルトに定められた張力が導入されると、突起の付け根に設けられたくびれの部分がねじ切れて脱落します。つまり、ピンテールが破断したという事実そのものが、必要な張力が入ったことの証明になります。締付け後の検査でも、全数についてピンテールが破断していることを確かめ、あわせて一次締めの際に引いた線のずれから共回りや軸回りがないか、ナットの回転量が極端に外れていないかを見ます。ナットの回転量を判定の主たる根拠とするのはナット回転法という別の方式であり、トルシア形の完了の判断を回転量に置き換える記述は、二つの方式を取り違えています。

他の選択肢が不適切な理由
「一次締めの後に、ボルトとナットと座金と部材にわたる確認の線を引く。」は正しく、四つの部材にまたがる一本の線のずれ方を見ることで、ナットだけが正しく回ったのか、ボルトごと共に回ってしまったのかを判別できるからです。「ボルトの余長は、ねじ山が1山から6山の範囲にあることを目視により確かめる。」も正しく、余長が短すぎるとナットのねじがかかりきらず、長すぎると締付け長さの選定が誤っている疑いがあるからです。「高力ボルトの締付けは、接合部の中央から周辺へ向かう順序で行うこととする。」も正しく、外側から締めると板の間にすき間が残ったまま固定され、所定の摩擦力が得られなくなるからです。

試験の罠
トルシア形はピンテールの破断で判定し、ナット回転法は一次締め後から120度±30度の回転量で判定します。判定の根拠が方式ごとに違う点が繰り返し問われます。締付けの順序が中央から周辺へという向きも、逆に書いた選択肢が定番です。
問65-9

鉄骨の溶接部の試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①溶接部の外観検査は、原則としてすべての溶接した箇所について実施していく。
  • ②完全溶込み溶接の内部の欠陥は、磁粉探傷試験によって検出することができる。
  • ③浸透探傷試験は、溶接部の表面に開口している欠陥を調べる方法である。
  • ④超音波探傷試験は、溶接部の内部の欠陥を非破壊で調べる方法である。
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正解 ②完全溶込み溶接の内部の欠陥は、磁粉探傷試験によって検出することができる。
解説
非破壊で溶接部を調べる方法は、表面の欠陥を対象とするものと、内部の欠陥を対象とするものに分かれます。磁粉探傷試験は、部材を磁化させたうえで細かい磁性の粉をふりかけ、欠陥のところで磁力線が乱れて粉が集まる現象を利用する方法です。磁力線の乱れが表面に現れる必要があるため、検出できるのは表面の割れと、表面のごく近くにある欠陥に限られます。これに対して、内部に潜むブローホールや溶込み不足を調べるには、材料の中を伝わる超音波の反射を読み取る超音波探傷試験を用います。完全溶込み溶接は、部材の全断面にわたって溶け込ませる溶接であり、健全性の要が内部にあるため、超音波探傷試験が定められた方法となります。表面用の方法で内部を判定できるとする記述は、それぞれの原理に反します。

他の選択肢が不適切な理由
「溶接部の外観検査は、原則としてすべての溶接した箇所について実施していく。」は正しく、割れやアンダーカットや余盛りの不足といった表面の不具合は、目視と簡単な計測で判断でき、見落としが構造の安全に直結するからです。「浸透探傷試験は、溶接部の表面に開口している欠陥を調べる方法である。」も正しく、浸み込ませた液が欠陥のすき間に入り、後から現像剤で吸い出されて模様となる原理であるため、表面に口を開けた欠陥にしか反応しないからです。「超音波探傷試験は、溶接部の内部の欠陥を非破壊で調べる方法である。」も正しく、材料の内部を進む超音波が欠陥で反射して戻る時間と強さから、位置と大きさを推定できるからです。

試験の罠
表面を見るのは浸透探傷試験と磁粉探傷試験、内部を見るのは超音波探傷試験と放射線透過試験です。浸透探傷試験は表面に開口した欠陥だけ、磁粉探傷試験は表面と表面のごく近く、という守備範囲の差も問われます。磁粉探傷試験は磁性のない材料には使えない点も押さえておきましょう。
問75-9

鉄骨の溶接部の外観検査の基準に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①溶接部に生じた表面の割れは、その長さにかかわらず不合格として取り扱われる。
  • ②突合せ溶接の余盛りは、所定の高さの範囲に収まっているかどうかを確かめる。
  • ③溶接部に生じたアンダーカットの深さは、1.0mm以下であれば合格とする。
  • ④溶接部の表面に生じたピットは、原則として認められないものとして扱う。
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正解 ③溶接部に生じたアンダーカットの深さは、1.0mm以下であれば合格とする。
解説
アンダーカットとは、溶接した部分の両側の母材が過大な電流や速すぎる運棒によってえぐれ、細い溝のようにへこんでしまう欠陥です。この溝は断面の欠損になるだけでなく、先端が鋭いために応力が集中し、繰り返しの力を受けたときの疲労破壊やもろい破壊の起点となりやすくなります。そのため許容される深さは厳しく定められており、一般には0.5mm以下とされ、主要部材の突合せ継手や断面を構成するT継手および角継手ではさらに厳しく0.3mm以下とされています。1.0mm以下を合格とする記述は、この基準の倍を許すことになり、応力集中に対する安全側の配慮を失わせます。基準を超えた場合は、溝を削って整えたうえで肉盛り溶接を行い、再び仕上げて基準内に収めます。

他の選択肢が不適切な理由
「溶接部に生じた表面の割れは、その長さにかかわらず不合格として取り扱われる。」は正しく、割れは進展する性質を持つ最も危険な欠陥であり、大きさによる許容は認められないからです。「突合せ溶接の余盛りは、所定の高さの範囲に収まっているかどうかを確かめる。」も正しく、余盛りが不足すれば断面が足りず、過大であれば止端の角度が急になって応力が集中するため、上下の限度が定められているからです。「溶接部の表面に生じたピットは、原則として認められないものとして扱う。」も正しく、ピットは溶接金属の内部に生じた気泡が表面に開口したもので、内部にも同様の空洞が残っている疑いを示すからです。

試験の罠
アンダーカットの許容深さは、一般部で0.5mm以下、主要部材の突合せ継手などで0.3mm以下です。0.5と0.3の使い分けと、割れとピットには大きさによる許容がないことを合わせて覚えてください。表面の欠陥は削って肉盛りし再仕上げするという補修の手順も問われます。
問85-9

頭付きスタッドの溶接および検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①スタッド溶接部の外観検査は、原則として溶接したスタッドの全数について行う。
  • ②打撃曲げ試験は、1つのロットにつき1本のスタッドを選んで実施するものとする。
  • ③打撃曲げ試験では、ハンマーで打撃して15度まで曲げ、割れの有無を確認する。
  • ④打撃曲げ試験で合格したスタッドは、必ずもとの角度に戻してから使用していく。
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正解 ④打撃曲げ試験で合格したスタッドは、必ずもとの角度に戻してから使用していく。
解説
頭付きスタッドは、鉄骨梁とコンクリートスラブを一体に働かせるために梁の上面へ溶接する部材です。打撃曲げ試験は、ハンマーで側方から打って15度まで倒し、根元の溶接部に割れが生じないかを調べる試験で、抜取りで行われます。ここで合格したスタッドは、15度傾いたままの状態で使用してよいとされています。無理に元へ戻そうとすると、根元にもう一度反対向きの力が加わり、目には見えない微細な割れを生じさせたり、すでにある小さな傷を広げたりするおそれがあるためです。傾いたスタッドはコンクリートに埋め込まれてしまえば性能に影響しないという判断も背景にあります。したがって、必ず元に戻すという記述は、かえって接合部を傷める行為を求めることになり、定められた扱いと異なります。

他の選択肢が不適切な理由
「スタッド溶接部の外観検査は、原則として溶接したスタッドの全数について行う。」は正しく、溶接部の周囲に一様な盛り上がりがあるか、傾きや高さの不良がないかは目視で確認できるため全数で行うからです。「打撃曲げ試験は、1つのロットにつき1本のスタッドを選んで実施するものとする。」も正しく、この試験は変形を伴うため全数では行えず、1日に1つの施工班が施工した本数などをロットとして抜取りで行うからです。「打撃曲げ試験では、ハンマーで打撃して15度まで曲げ、割れの有無を確認する。」も正しく、角度と確認の対象がこのとおり定められているからです。

試験の罠
15度に曲げたまま使用してよいという点が最大の要点です。曲げ戻すと書いてあれば誤りとみてよいでしょう。1本が不合格となった場合は、そのロットからさらに2本を試験し、いずれも合格すればロットを合格とする追加試験の仕組みも押さえておきましょう。
問95-9

鉄骨の建方の精度の管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①柱1本の倒れの管理許容差は、高さの1万分の1かつ10mm以下とする。
  • ②建物の倒れの管理許容差は、高さの4000分の1に7mmを加えた値とする。
  • ③建方の精度の測定は、日照による部材の伸縮を考慮して測定する時刻を定める。
  • ④建方の精度は、下げ振りやトランシットなどを用いて測定するものとする。
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正解 ①柱1本の倒れの管理許容差は、高さの1万分の1かつ10mm以下とする。
解説
鉄骨の建方の精度は、建物全体の倒れと、柱1本ごとの倒れを別々の基準で管理します。柱1本の倒れの管理許容差は、その柱の高さの1000分の1で、かつ10mm以下と定められています。たとえば高さ4mの柱であれば1000分の1は4mmとなり、こちらが効いて4mm以下となります。1万分の1とすると、高さ4mの柱で0.4mmという、通常の測定の誤差よりも小さい値を求めることになり、現実の施工では達成できず、基準として意味をなしません。管理許容差は、通常の施工でそこに収めることを目標とする値であり、これを超えても直ちに不合格とするのではなく、限界許容差までの間は原因を調べて是正の要否を判断します。二段階の基準を持つのは、精度の追求と実現できる施工との折り合いをつけるためです。

他の選択肢が不適切な理由
「建物の倒れの管理許容差は、高さの4000分の1に7mmを加えた値とする。」は正しく、建物全体の倒れについてはこの式によって求め、あわせて30mm以下という上限も課されるからです。「建方の精度の測定は、日照による部材の伸縮を考慮して測定する時刻を定める。」も正しく、鋼材は温度によって伸び縮みし、日の当たる面と陰になる面で温度差が生じて建物がわずかに傾くため、測定の条件をそろえる必要があるからです。「建方の精度は、下げ振りやトランシットなどを用いて測定するものとする。」も正しく、鉛直性と位置を確かめるための一般的な測定の器具だからです。

試験の罠
柱1本の倒れは1000分の1かつ10mm以下、建物全体の倒れは4000分の1に7mmを加えかつ30mm以下です。分母の1000と4000、上限の10と30を組で覚えてください。管理許容差と限界許容差の二段構えである点も問われます。
問105-9

鉄筋のかぶり厚さおよび配筋の検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①土に接しない屋内の柱および梁の最小かぶり厚さは、30mmとする。
  • ②基礎における鉄筋の最小かぶり厚さは、40mmとすることとされる。
  • ③土に接する柱および梁の最小かぶり厚さは、40mmとすることとする。
  • ④かぶり厚さは、スペーサーやバーサポートを配置することにより確保していく。
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正解 ②基礎における鉄筋の最小かぶり厚さは、40mmとすることとされる。
解説
かぶり厚さとは、鉄筋の表面からコンクリートの表面までの最短の距離であり、鉄筋を火災の熱から守り、空気や水や塩分の侵入による腐食を防ぎ、鉄筋とコンクリートの付着を確保するために設けられます。必要な厚さは、その部材が置かれる環境の厳しさによって変わります。基礎は常に土と接し、地下水や土中の成分にさらされ、しかも建物ができあがった後は点検も補修もほとんどできない部位です。そのため最小かぶり厚さは他の部位より厚い60mmと定められています。40mmは土に接する柱や梁や床や壁に適用される値であり、基礎に当てはめると環境の厳しさに見合いません。なお設計かぶり厚さは、施工の誤差を見込んで最小かぶり厚さに10mmを加えた値とするのが一般的です。

他の選択肢が不適切な理由
「土に接しない屋内の柱および梁の最小かぶり厚さは、30mmとする。」は正しく、屋内は雨がかりも凍結融解もない最も穏やかな環境であるため、必要な厚さが小さくてすむからです。「土に接する柱および梁の最小かぶり厚さは、40mmとすることとする。」も正しく、土に接する部位は水分と塩分の供給を受けやすいため、土に接しない場合より厚くする必要があるからです。「かぶり厚さは、スペーサーやバーサポートを配置することにより確保していく。」も正しく、鉄筋は自重や作業中の踏み込みで下がるため、所定の位置に保持する部材を適切な間隔で配置する必要があるからです。

試験の罠
最小かぶり厚さは、屋内の柱と梁で30mm、屋外の柱と梁で40mm、土に接する柱と梁で40mm、基礎で60mmという段階で覚えます。基礎だけが飛び抜けて厚い点が要点です。設計かぶり厚さは最小かぶり厚さに10mmを加えた値になります。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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