建築工事における品質管理の基本的な考え方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①検査で不良を取り除くことよりも、工程を管理して不良の発生を防ぐことに重点を置く。
- ②要求された品質を確実に満たすことを目的とし、必要以上の過剰な品質は追求しない。
- ③各工程の結果を確認するだけでなく、次工程の作業標準に改善内容を反映させる。
- ④管理する項目を特に絞り込まず、すべての品質特性を同じ重みで均等に管理する。
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品質管理では、限られた人と時間と費用を、品質に与える影響が大きいところへ集中して振り向けることが原則です。建築工事の品質特性は数え上げればきりがなく、そのすべてを同じ重みで測定して記録しようとすると、記録を取ること自体が目的になってしまい、本当に押さえるべき箇所の管理がかえって薄くなります。そこで、不具合が起きたときの手戻りが大きい工程、後から手直しができない工程、施工の結果が構造の安全や漏水に直結する工程を重点管理項目として選び出し、そこへ管理の力を集中させます。これは重点指向と呼ばれる考え方で、後に出てくるパレート図が、件数の多い上位の項目から手を付ければ全体の大部分が改善できることを示すのも、同じ発想に立っています。したがって、絞り込まずに均等に管理するという記述は、品質管理の考え方と正反対です。
他の選択肢が不適切な理由
「検査で不良を取り除くことよりも、工程を管理して不良の発生を防ぐことに重点を置く。」は正しく、検査は不良を選り分けるだけで品質そのものを良くする働きを持たず、作り込みの段階で不良を出さないほうが費用も工期も有利だからです。「要求された品質を確実に満たすことを目的とし、必要以上の過剰な品質は追求しない。」も正しく、品質とは発注者の要求に対する適合の度合いであって、要求を超えた品質は費用と工期を無駄に使うことになるからです。「各工程の結果を確認するだけでなく、次工程の作業標準に改善内容を反映させる。」も正しく、確認して終わりにせず標準へ反映させて初めて同じ不具合の再発を止められるからです。
試験の罠
品質管理の目的を、良い物をできるだけ良く作ることだと書いた選択肢は誤りです。正しくは、要求された品質を経済的に作り出すことです。過剰な品質を良いことだと書いている選択肢や、管理項目を絞らないと書いている選択肢は、ほぼ誤りとみてよいでしょう。