2026年版・5-7

品質管理:品質管理の考え方とQC手法の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、品質管理:品質管理の考え方とQC手法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-7

建築工事における品質管理の基本的な考え方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①検査で不良を取り除くことよりも、工程を管理して不良の発生を防ぐことに重点を置く。
  • ②要求された品質を確実に満たすことを目的とし、必要以上の過剰な品質は追求しない。
  • ③各工程の結果を確認するだけでなく、次工程の作業標準に改善内容を反映させる。
  • ④管理する項目を特に絞り込まず、すべての品質特性を同じ重みで均等に管理する。
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正解 ④管理する項目を特に絞り込まず、すべての品質特性を同じ重みで均等に管理する。
解説
品質管理では、限られた人と時間と費用を、品質に与える影響が大きいところへ集中して振り向けることが原則です。建築工事の品質特性は数え上げればきりがなく、そのすべてを同じ重みで測定して記録しようとすると、記録を取ること自体が目的になってしまい、本当に押さえるべき箇所の管理がかえって薄くなります。そこで、不具合が起きたときの手戻りが大きい工程、後から手直しができない工程、施工の結果が構造の安全や漏水に直結する工程を重点管理項目として選び出し、そこへ管理の力を集中させます。これは重点指向と呼ばれる考え方で、後に出てくるパレート図が、件数の多い上位の項目から手を付ければ全体の大部分が改善できることを示すのも、同じ発想に立っています。したがって、絞り込まずに均等に管理するという記述は、品質管理の考え方と正反対です。

他の選択肢が不適切な理由
「検査で不良を取り除くことよりも、工程を管理して不良の発生を防ぐことに重点を置く。」は正しく、検査は不良を選り分けるだけで品質そのものを良くする働きを持たず、作り込みの段階で不良を出さないほうが費用も工期も有利だからです。「要求された品質を確実に満たすことを目的とし、必要以上の過剰な品質は追求しない。」も正しく、品質とは発注者の要求に対する適合の度合いであって、要求を超えた品質は費用と工期を無駄に使うことになるからです。「各工程の結果を確認するだけでなく、次工程の作業標準に改善内容を反映させる。」も正しく、確認して終わりにせず標準へ反映させて初めて同じ不具合の再発を止められるからです。

試験の罠
品質管理の目的を、良い物をできるだけ良く作ることだと書いた選択肢は誤りです。正しくは、要求された品質を経済的に作り出すことです。過剰な品質を良いことだと書いている選択肢や、管理項目を絞らないと書いている選択肢は、ほぼ誤りとみてよいでしょう。
問25-7

品質管理におけるPDCAの各段階の説明として、最も不適当なものはどれか。

  • ①処置の段階では、作業標準どおりに施工が行われているかを測定し記録する。
  • ②計画の段階では、管理すべき品質特性と目標となる管理値をあらかじめ定める。
  • ③実施の段階では、定めた作業標準を作業者へ教育したうえで施工を実行する。
  • ④確認の段階では、測定した結果を管理値と照合し、品質の良否を判定する。
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正解 ①処置の段階では、作業標準どおりに施工が行われているかを測定し記録する。
解説
PDCAは、計画を立てて実行し、結果を確かめ、確かめた結果に応じて手を打つという四つの段階を繰り返す進め方です。このうち最後の処置の段階が担うのは、確認の段階で見つかった良否の判定を受けて、悪かった原因を突き止めて取り除き、必要であれば作業標準や施工計画そのものを直すという行動です。良い結果が出ていた場合には、その良い状態を保つように標準へ書き込んで定着させることも処置に含まれます。記述にある、施工が標準どおり行われているかを測定して記録するという行為は、結果を測って良否を確かめる働きであり、これは確認の段階に当たります。処置の段階を単なる測定や記録と説明してしまうと、輪が確認のところで途切れてしまい、次の計画へつながりません。PDCAが輪であることの意味は、確かめた結果を必ず次の計画へ返すところにあります。

他の選択肢が不適切な理由
「計画の段階では、管理すべき品質特性と目標となる管理値をあらかじめ定める。」は正しく、何をどの値で管理するのかを先に決めておかなければ、後の確認の段階で良否を判定する物差しが存在しないからです。「実施の段階では、定めた作業標準を作業者へ教育したうえで施工を実行する。」も正しく、標準を紙の上で定めただけでは現場の手は動かず、実際に作業する人へ内容を伝えて初めて計画どおりの施工になるからです。「確認の段階では、測定した結果を管理値と照合し、品質の良否を判定する。」も正しく、確認とは実測値をあらかじめ定めた管理値と突き合わせて判定する行為そのものだからです。

試験の罠
確認と処置の入れ替えは頻出の引っかけです。測る、記録する、照合する、判定するは確認の側、原因を取り除く、標準を直す、良い状態を定着させるは処置の側と覚えてください。教育や訓練は実施の段階に含まれる点も押さえておきましょう。
問35-7

QC七つ道具に関する説明として、最も不適当なものはどれか。

  • ①散布図は、対応する二つのデータを縦軸と横軸にとり、相関の有無を調べる。
  • ②チェックシートは、確認する項目をあらかじめ印刷し、記入だけで確認できる。
  • ③パレート図は、不良の項目を件数の多い順に並べ、累積の比率を折れ線で示す。
  • ④特性要因図は、データの分布の形を柱状のグラフで表し、ばらつきを調べる。
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正解 ④特性要因図は、データの分布の形を柱状のグラフで表し、ばらつきを調べる。
解説
特性要因図は、ある結果、すなわち特性に対して、どのような原因、すなわち要因が影響しているのかを、魚の骨のような形に枝分かれさせて描く図です。背骨に当たる太い矢印の先に問題としている特性を書き、そこへ向かって大きな骨として人、機械、材料、方法といった区分を配置し、さらに小さな骨として具体的な要因を書き込んでいきます。目的は原因の候補を漏れなく洗い出し、関係者で共有することにあります。一方、記述にある柱状のグラフで分布の形を見る図はヒストグラムであり、測定値をいくつかの区間に区切って度数を柱の高さで表し、山の位置と広がり、規格からのはみ出しを目で確かめる図です。特性要因図は数値の分布を扱う図ではなく、言葉で原因を整理する図ですから、両者の説明が入れ替わっています。

他の選択肢が不適切な理由
「パレート図は、不良の項目を件数の多い順に並べ、累積の比率を折れ線で示す。」は正しく、上位の少数の項目が全体の大部分を占めるという傾向を目に見える形にして、どこから手を付けるべきかを決めるための図だからです。「散布図は、対応する二つのデータを縦軸と横軸にとり、相関の有無を調べる。」も正しく、点の散らばり方が右上がりか右下がりか、それとも無秩序かを見て二つの量の関係の強さを判断する図だからです。「チェックシートは、確認する項目をあらかじめ印刷し、記入だけで確認できる。」も正しく、点検や記録の漏れを防ぐために様式を先に作っておく道具であり、誰が使っても同じ項目を同じ順で確認できるからです。

試験の罠
特性要因図とヒストグラムの説明の入れ替えは定番です。特性要因図は魚の骨、ヒストグラムは柱、パレート図は棒と折れ線、散布図は点の雲、と形で覚えると取り違えにくくなります。層別はそれ自体が図ではなく、データを条件ごとに分けて見る考え方である点も問われます。
問45-7

管理図に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①管理図には中心線と上方管理限界線、下方管理限界線の三本の線を記入する。
  • ②点が管理限界線の外に出た場合は、見逃せない原因があるものとして扱う。
  • ③上下の管理限界線は、設計上の規格値の上限と下限をそのまま用いて引く。
  • ④点が限界内にあっても一方に連続して並ぶ場合は、工程に癖があるとみなす。
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正解 ③上下の管理限界線は、設計上の規格値の上限と下限をそのまま用いて引く。
解説
管理図の管理限界線は、工程が安定して動いているときに実際に得られたデータのばらつきから計算して引く線であり、一般には平均値に対して標準偏差の3倍を足した値と引いた値を用います。標準偏差とは、データが平均からどれだけ散らばっているかを表す量です。3倍の幅をとるのは、工程が安定していれば点のほとんどがこの範囲に収まり、外へ出る点は偶然では説明できない特別な原因によるものと判断できるためです。これに対して規格値は、発注者や設計者が定めた合否の境目であり、工程の実力とは無関係に決まります。両者を同じ線として扱うと、工程の実力が規格に対して十分あるのか不足しているのかという、最も知りたい情報が失われてしまいます。管理図は合否を決める図ではなく、工程が安定しているかどうかを見る図です。

他の選択肢が不適切な理由
「管理図には中心線と上方管理限界線、下方管理限界線の三本の線を記入する。」は正しく、中心線で工程の平均の位置を示し、上下の限界線で安定時に想定されるばらつきの幅を示す構成になっているからです。「点が管理限界線の外に出た場合は、見逃せない原因があるものとして扱う。」も正しく、安定した工程でこの範囲を外れる確率は極めて小さく、材料や機械や作業方法の変化を疑って原因を追及すべき合図だからです。「点が限界内にあっても一方に連続して並ぶ場合は、工程に癖があるとみなす。」も正しく、中心線の片側に点が続く並び方は工程の平均が偏り始めた兆しであり、限界を超える前に手を打つ手がかりになるからです。

試験の罠
管理限界線は工程の実績から計算する線、規格限界線は設計から与えられる線であり、別物です。両者を重ねて描いてよいのはヒストグラムのほうで、管理図に規格値を引いてはいけません。管理状態にあることと規格を満たすことは別の話である点を押さえてください。
問55-7

新QC七つ道具に関する説明として、最も不適当なものはどれか。

  • ①系統図法は、目的を達成する手段を段階的に枝分かれさせて展開する方法である。
  • ②マトリックス図法は、二つの要素を行と列に配置し、交点で関係を調べる方法である。
  • ③PDPC法は、事態の進み方を予測し、あらかじめ回避の道筋を描いておく方法である。
  • ④連関図法は、言語データを似たもの同士に分類し、問題の全体像を整理する方法である。
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正解 ④連関図法は、言語データを似たもの同士に分類し、問題の全体像を整理する方法である。
解説
連関図法は、原因と結果が複雑に絡み合っている問題について、要因どうしを矢印で結び、どの要因がどの要因を引き起こしているのかという因果のつながりを図に描き出す方法です。矢印が多く出ている要因が根本の原因、矢印が多く入ってくる要因が結果として現れている現象と読み取ることができ、どこへ手を打てば効果が大きいかを見極める手がかりになります。これに対して、言語データを似たもの同士に集めてグループを作り、そのグループに名前を付けて全体像をつかむ方法は親和図法です。親和図法は、問題がまだ漠然としていて何が論点なのかもはっきりしない段階で、意見や事実を書き出したカードを寄せ集めて構造を見つけるために使います。連関図法は因果の向きを扱い、親和図法は似ている度合いを扱うという点で、着目するものが根本的に異なります。

他の選択肢が不適切な理由
「系統図法は、目的を達成する手段を段階的に枝分かれさせて展開する方法である。」は正しく、目的に対する手段を挙げ、その手段を今度は目的とみなしてさらに手段を挙げるという展開を繰り返し、実行できる具体策まで落とし込む方法だからです。「マトリックス図法は、二つの要素を行と列に配置し、交点で関係を調べる方法である。」も正しく、行と列の交わる升目に関係の有無や強さを印で記入して、対応の抜けや重点を見つける方法だからです。「PDPC法は、事態の進み方を予測し、あらかじめ回避の道筋を描いておく方法である。」も正しく、計画どおりに進まない場合を想定して代わりの経路を先に用意しておく方法であり、不測の事態が起きやすい工事の計画に向くからです。

試験の罠
親和図法と連関図法の入れ替えは最も多い引っかけです。親和図は似たもの集め、連関図は矢印で因果を結ぶ、と覚えてください。アローダイアグラム法はネットワーク工程表そのもので、日程計画に使う点も新QC七つ道具の一つとして問われます。
問65-7

建築工事における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①検査に多くの費用がかかる項目や破壊検査となる項目は、全数検査を原則とする。
  • ②不良品が一つでも混じると重大な事故につながる項目は、全数検査を原則とする。
  • ③抜取検査は、ロットから試料を抜き取って試験し、ロット全体の合否を判定する。
  • ④無試験検査は、品質を裏づける情報により、試料の試験を省いて合否を判定する。
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正解 ①検査に多くの費用がかかる項目や破壊検査となる項目は、全数検査を原則とする。
解説
全数検査とは、対象となるものを一つ残らず調べる検査であり、抜取検査とは、集まりから一部を取り出して調べ、その結果から集まり全体の合否を判断する検査です。破壊検査は、調べるためにその品物を壊してしまう検査ですから、全数を検査すると合格した品物までなくなってしまい、検査そのものが成り立ちません。コンクリートの圧縮強度試験は供試体を壊して強度を測る典型的な破壊検査であり、だからこそ一定の量ごとに定められた個数の供試体を取る抜取検査として行われます。また、検査に多くの費用や時間がかかる項目についても、全数を調べると工事の費用と工期を圧迫するため、統計的に妥当な数の試料で判断する抜取検査を選ぶのが合理的です。したがって、これらの項目を全数検査の原則に当てはめる記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
「不良品が一つでも混じると重大な事故につながる項目は、全数検査を原則とする。」は正しく、人命に関わる部位や、後から取り替えることができない部位では、一個の見逃しが取り返しのつかない結果を招くため、費用をかけてでも全数を確認するからです。「抜取検査は、ロットから試料を抜き取って試験し、ロット全体の合否を判定する。」も正しく、抜取検査の判定の単位はあくまでロットであって、取り出した試料そのものの合否を問う検査ではないからです。「無試験検査は、品質を裏づける情報により、試料の試験を省いて合否を判定する。」も正しく、供給者の管理状況や過去の実績、試験成績表といった情報が十分に信頼できる場合に、受入側の試験を省く方式が認められているからです。

試験の罠
全数検査を選ぶ条件は、不良が致命的であること、検査が容易で安価であること、非破壊で行えることの三つです。逆に、破壊検査、高価、大量、連続生産のいずれかが当てはまれば抜取検査になります。間接検査は供給者の検査結果を確認して受入検査を省く方式で、無試験検査と区別して問われます。
問75-7

施工における品質管理の進め方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①品質計画では、目標とする品質を実現するための施工の手順と方法を明示する。
  • ②品質管理は、施工の結果が現れる最終の検査段階に重点を置いて実施していく。
  • ③品質に与える影響が大きい工程を重点管理項目として選び、重点的に管理する。
  • ④作業が施工計画どおりに行われているかを、工程の途中の段階で確認していく。
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正解 ②品質管理は、施工の結果が現れる最終の検査段階に重点を置いて実施していく。
解説
建築工事は、後の工程が前の工程を覆い隠していく性質を持っています。鉄筋は型枠に隠れ、型枠はコンクリートに隠れ、コンクリートは仕上げ材に隠れます。最終の検査の段階になって不具合が見つかっても、そこにたどり着くには覆っている部分をすべて壊さなければならず、費用も工期も大きな損失になります。そのため品質管理の重点は、結果が現れる最終段階ではなく、品質が作り込まれる各工程の途中に置かれます。とくに、後から確認できなくなる直前の段階で行う確認は重要で、配筋検査や型枠検査のように、次の工程へ進む前に必ず確認する節目を設けます。検査は品質を確認する行為であって品質を作る行為ではないという原則からも、管理の力を注ぐべき場所は工程の内部であることが導かれます。

他の選択肢が不適切な理由
「品質計画では、目標とする品質を実現するための施工の手順と方法を明示する。」は正しく、品質計画とは求められる品質から逆算して、どの材料をどの手順でどう施工し、どの段階で何を確認するのかを具体的に定める文書だからです。「品質に与える影響が大きい工程を重点管理項目として選び、重点的に管理する。」も正しく、限られた資源を効果の大きいところへ集中させる重点指向が品質管理の基本の考え方だからです。「作業が施工計画どおりに行われているかを、工程の途中の段階で確認していく。」も正しく、途中で確認してこそ、ずれが小さいうちに手直しでき、覆い隠される前に是正できるからです。

試験の罠
検査に重点を置く、最終段階で確認すると書いてある選択肢は誤りとみてよいでしょう。品質は工程で作り込むという原則が答えの軸になります。あわせて、後から確認できなくなる部位を隠ぺい部と呼び、隠ぺいされる前の確認を必ず計画に組み込む点も問われます。
問85-7

ヒストグラムおよび工程能力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ヒストグラムには規格の上限と下限の線を記入し、規格からのはみ出しを調べる。
  • ②ヒストグラムの山が二つに分かれる場合は、異なる母集団の混入を疑って層別する。
  • ③工程能力指数とは、その値が小さいほど工程の能力が高いことを表す指標である。
  • ④工程能力指数は、規格の幅をデータのばらつきの幅で割った値として求められる。
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正解 ③工程能力指数とは、その値が小さいほど工程の能力が高いことを表す指標である。
解説
工程能力指数は、規格として許されている幅に対して、その工程が実際に生み出すばらつきの幅がどれだけ小さく収まっているかを表す指標です。規格の幅を分子に、ばらつきの幅、具体的には標準偏差の6倍を分母に置いて割り算をするため、ばらつきが小さいほど分母が小さくなり、値は大きくなります。つまり値が大きいほど規格に対して余裕があり、工程の能力が高いことを意味します。一般には1.33以上あれば十分な能力があるとされ、1.00を下回ると規格から外れるものが相応の割合で出てしまうと判断されます。記述は大小の向きが逆であり、これを取り違えると、能力の低い工程を良好と誤って判定してしまうため、実務のうえでも重大な誤りになります。

他の選択肢が不適切な理由
「ヒストグラムには規格の上限と下限の線を記入し、規格からのはみ出しを調べる。」は正しく、山の裾が規格線の外へ出ていれば不良が発生していることが目で分かり、余裕の大きさも同時に読み取れるからです。「ヒストグラムの山が二つに分かれる場合は、異なる母集団の混入を疑って層別する。」も正しく、二つの山は作業班や材料の産地や機械が違うものを混ぜて集計したときに現れる典型的な形であり、条件ごとに分けて描き直すと原因が見えてくるからです。「工程能力指数は、規格の幅をデータのばらつきの幅で割った値として求められる。」も正しく、許される幅を実際の広がりで割るという構成そのものが、この指標の定義だからです。

試験の罠
工程能力指数は大きいほど良い指標です。管理図の管理限界と規格限界を混同しないことと合わせて覚えてください。ヒストグラムに規格線を引くのは正しいのですが、管理図に規格線を引くのは誤りです。二つの山は層別で分ける、裾が離れた小さな山は異常値の混入を疑う、という読み方も問われます。
問95-7

品質マネジメントシステムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①品質マネジメントシステムは、品質に関する方針と目標を定めて運用する仕組みである。
  • ②内部監査は、システムが定めたとおりに運用されているかを組織自らが確かめる活動である。
  • ③是正処置は、生じた不適合の原因を取り除き、再び起こらないようにする処置である。
  • ④予防処置は是正処置と同じ意味であり、不適合が生じた後に原因を除去する処置である。
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正解 ④予防処置は是正処置と同じ意味であり、不適合が生じた後に原因を除去する処置である。
解説
是正処置と予防処置は、手を打つ時点が決定的に異なります。是正処置は、すでに起きてしまった不適合について、その原因を取り除き、同じ不適合が二度と起こらないようにする処置です。これに対して予防処置は、まだ起きていないが起こりうる不適合について、その要因をあらかじめ取り除いておく処置であり、他の現場で起きた事例や、傾向として悪化しつつあるデータを手がかりに先回りして行います。両者を同じものとして扱うと、起きてから対応することしか組織の仕組みに残らず、未然に防ぐ働きが失われてしまいます。なお、不適合が見つかったときにその物自体を手直ししたり取り替えたりする行為は修正と呼ばれ、原因の除去を伴わないため是正処置とは区別されます。修正、是正処置、予防処置の三つを段階として理解しておくとよいでしょう。

他の選択肢が不適切な理由
「品質マネジメントシステムは、品質に関する方針と目標を定めて運用する仕組みである。」は正しく、経営の意思として方針を掲げ、それを測定できる目標に落とし込み、達成のための手順と責任を定めて回していく仕組みだからです。「内部監査は、システムが定めたとおりに運用されているかを組織自らが確かめる活動である。」も正しく、外部の審査とは別に、組織が自らの手で決めごとと実態のずれを見つけ出し、改善の機会をつかむために行うものだからです。「是正処置は、生じた不適合の原因を取り除き、再び起こらないようにする処置である。」も正しく、その場の手直しにとどまらず原因まで遡って断ち切る点が是正処置の要件だからです。

試験の罠
修正は物を直すこと、是正処置は原因を断つこと、予防処置は起きる前に手を打つこと、と三段で覚えてください。同じ意味である、区別しないと書かれた選択肢は、たいてい誤りです。品質マネジメントシステムの適用範囲は製品だけでなく工事の過程全体に及ぶ点も押さえておきましょう。
問105-7

施工品質管理表および作業標準に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①施工品質管理表には管理項目と管理値のみを記載し、異常時の処置は記載しない。
  • ②施工品質管理表には、工事の流れに沿って管理項目と管理の方法を記載していく。
  • ③管理項目には、できるだけ工程の途中の段階で測定できる特性を選ぶようにする。
  • ④作業標準は、作業する人が理解して実行できる具体的な表現によって記載する。
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正解 ①施工品質管理表には管理項目と管理値のみを記載し、異常時の処置は記載しない。
解説
施工品質管理表は、工事の流れに沿って、どの工程で何を、どの方法で、どの頻度で、誰が確認し、どの値であれば合格とするのかを一覧にした表です。この表の値打ちは、管理値から外れたときに現場が迷わず動けるところにあります。管理値を外れた場合の処置、すなわち誰へ報告し、作業を止めるのか続けるのか、手直しはどう行い、原因はどう調べるのかまで書いておかなければ、異常を見つけた作業者は判断できず、報告が遅れて不具合が次の工程へ持ち越されてしまいます。したがって、管理項目と管理値だけを書いて異常時の処置を省くという記述は、この表の目的の半分を捨てることになり、誤りです。管理の輪は、決める、測る、判定する、処置するまでを含んで初めて閉じます。

他の選択肢が不適切な理由
「施工品質管理表には、工事の流れに沿って管理項目と管理の方法を記載していく。」は正しく、工程の順に並べることで確認の抜けが見つけやすく、前後の工程との関係も一目で分かるからです。「管理項目には、できるだけ工程の途中の段階で測定できる特性を選ぶようにする。」も正しく、最終の品質そのものは測るのが遅すぎるため、それと関係の深い、早い段階で測れる特性を代わりに選ぶことで、手遅れになる前に手を打てるからです。「作業標準は、作業する人が理解して実行できる具体的な表現によって記載する。」も正しく、抽象的な表現では人によって解釈が分かれ、標準として働かなくなるからです。

試験の罠
管理項目に選ぶのは、結果そのものではなく、結果を早く言い当てられる特性です。たとえば構造体強度そのものではなく、スランプや空気量や打込み時の温度を管理します。異常時の処置を含めない表は不完全であるという点は、繰り返し問われる論点です。

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