2026年版・5-3

施工計画:申請・届出と施工体制の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、施工計画:申請・届出と施工体制に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-3

労働安全衛生法に基づく計画の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①高さ31mを超える建築物の建設の仕事は、14日前までに届け出る。
  • ②掘削の深さが10m以上の地山の掘削の仕事は、14日前までに届け出る。
  • ③支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工は、その7日前までに届け出る。
  • ④つり上げ荷重が3t以上のクレーンの設置は、30日前までに届け出る。
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正解 ③支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工は、その7日前までに届け出る。
解説
労働安全衛生法では、届出の対象を大きく二つに分けています。一つは、危険な機械や設備を設置するときの届出で、法第88条第1項に基づき、その工事を開始する日の30日前までに所轄の労働基準監督署長へ届け出ます。支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工は、労働安全衛生規則の別表に掲げられたこの機械等に該当するため、期限は30日前までです。もう一つは、規模の大きい仕事そのものについての届出で、法第88条第3項に基づき、仕事を開始する日の14日前までに届け出ます。したがって型枠支保工の届出を7日前までとするのは、いずれの区分にも当てはまらない誤りです。7日前という期限は、騒音規制法や振動規制法の特定建設作業、建設リサイクル法の届出に用いられる数値です。

他の選択肢が不適切な理由
「高さ31mを超える建築物の建設の仕事は、14日前までに届け出る。」は正しく、法第88条第3項の対象となる仕事に該当し、仕事の開始の14日前までに労働基準監督署長へ届け出ることとされているからです。「掘削の深さが10m以上の地山の掘削の仕事は、14日前までに届け出る。」も正しく、これも同じく法第88条第3項の対象となる仕事に掲げられており、期限は同様に14日前までだからです。「つり上げ荷重が3t以上のクレーンの設置は、30日前までに届け出る。」も正しく、つり上げ荷重3t以上のクレーンは設置届の対象であり、工事の開始の日の30日前までに届け出ることが定められているからです。

試験の罠
期限は、機械等の設置が30日前、規模の大きい仕事が14日前、特定建設作業と建設リサイクル法が7日前、という三段階で整理します。型枠支保工3.5m以上と足場10m以上は機械等の側であり、30日前になる点が最も狙われます。
問25-3

建築基準法に基づく手続に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①建築工事届は、建築主が都道府県知事に対して届け出ることとする。
  • ②建築物除却届は、工事の施工者が都道府県知事へ届け出ることとする。
  • ③完了検査の申請は、工事が完了した日から4日以内に到達させる。
  • ④床面積の合計が5m2の増築であっても、建築工事届を要するとする。
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正解 ④床面積の合計が5m2の増築であっても、建築工事届を要するとする。
解説
建築基準法第15条は、建築主が建築物を建築しようとする場合の建築工事届と、施工者が建築物を除却しようとする場合の建築物除却届について定めています。これらは統計を目的とした届出であり、都道府県知事に対して行います。ただし同条では、当該建築物または除却する部分の床面積の合計が10m2以内である場合には、この届出を要しないと定めています。したがって床面積の合計が5m2の増築であれば10m2以内に当たり、建築工事届は不要です。必要であるとするこの記述は、除外の規定を見落としたものになります。なお、確認申請についても防火地域および準防火地域以外での10m2以内の増築などは不要とされる別の規定があります。

他の選択肢が不適切な理由
「建築工事届は、建築主が都道府県知事に対して届け出ることとする。」は正しく、法第15条が届出の主体を建築主と定めており、提出先も都道府県知事とされているからです。「建築物除却届は、工事の施工者が都道府県知事へ届け出ることとする。」も正しく、除却の場合は実際に取り壊す施工者が届出の主体とされており、建築の場合と主体が異なる点がこの条文の特徴だからです。「完了検査の申請は、工事が完了した日から4日以内に到達させる。」も正しく、法第7条が工事が完了した日から4日以内に建築主事等に到達するように申請しなければならないと定めているからです。

試験の罠
建築工事届は建築主、除却届は施工者、という主体の違いが最頻出です。あわせて10m2以内で不要という数値と、完了検査の申請が完了から4日以内という数値を組み合わせて覚えます。
問35-3

道路に関する許可および届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①道路の占用の許可は、道路管理者に対して申請をして受領した。
  • ②道路の使用の許可は、所轄の警察署長に申請をして受けた。
  • ③仮囲いを道路の上に設けるため、道路の占用の許可を受けた。
  • ④資材の搬入で道路を使用するため、道路管理者の許可を受けた。
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正解 ④資材の搬入で道路を使用するため、道路管理者の許可を受けた。
解説
道路に関する許可には、目的の異なる二つの制度があります。道路占用の許可は、道路法第32条に基づくもので、道路に工作物や施設を継続して設置し、道路の一部を占めて使用する場合に、道路管理者から受けるものです。これに対して道路使用の許可は、道路交通法第77条に基づくもので、工事や作業のために道路を使用し、交通に影響を与える場合に、所轄の警察署長から受けるものです。資材の搬入のために道路を長時間使用する行為は、交通の妨げとなる道路の使用に当たるため、警察署長の許可を受けなければなりません。道路管理者に許可を求めるという記述は、二つの制度の所管を取り違えたものです。

他の選択肢が不適切な理由
「道路の占用の許可は、道路管理者に対して申請をして受領した。」は正しく、道路法第32条が占用の許可の権限を道路管理者に与えており、道路そのものの管理という観点から判断されるからです。「道路の使用の許可は、所轄の警察署長に申請をして受けた。」も正しく、道路交通法第77条が交通の安全と円滑の観点から警察署長の許可にかからしめているからです。「仮囲いを道路の上に設けるため、道路の占用の許可を受けた。」も正しく、仮囲いは道路上に継続して設置される工作物であり、道路の一部を占用するものとして道路管理者の許可を要するからです。

試験の罠
占用は道路管理者、使用は警察署長、という対応を確実に覚えます。仮囲いや足場、仮設の上下水道管は占用、工事や作業による通行の制限は使用、と対象で見分けます。両方に該当する場合は双方の許可が必要です。
問45-3

施工体制台帳および施工体系図に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①施工体制台帳は、下請の全ての業者について記載して作成した。
  • ②施工体系図は、工事関係者が見やすい場所に掲げて表示した。
  • ③施工体制台帳は、工事が終わった時点で直ちに廃棄処分した。
  • ④発注者から請求があったときは、施工体制台帳を閲覧させた。
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正解 ③施工体制台帳は、工事が終わった時点で直ちに廃棄処分した。
解説
施工体制台帳は、その工事にどの業者がどのような立場で関わっているのかを一覧にした書類で、不適切な重層下請や無許可業者の関与を防ぎ、責任の所在を明らかにするために作成されます。建設業法では、この台帳を工事現場ごとに備え置くことに加え、工事の完了後は、その必要な部分を営業所に備える帳簿の添付書類として5年間保存することが定められています。あわせて施工体系図は、営業に関する図書として工事の目的物の引渡しから10年間保存します。工事が終わった時点で直ちに廃棄すれば、後日、施工の責任や不具合の原因を確かめる必要が生じたときに、誰が施工したのかをたどることができなくなります。台帳は作ることだけでなく、後から検証できる形で残しておくことに意味があります。

他の選択肢が不適切な理由
「施工体制台帳は、下請の全ての業者について記載して作成した。」は正しく、台帳の目的は施工体制の全体を明らかにすることにあり、二次以下の下請業者も含めてすべてを記載しなければ、その目的を果たせないからです。「施工体系図は、工事関係者が見やすい場所に掲げて表示した。」も正しく、体系図は各作業員が指揮命令の系統を理解するためのものでもあり、掲示によって周知することが求められているからです。なお公共工事では公衆が見やすい場所にも掲示します。「発注者から請求があったときは、施工体制台帳を閲覧させた。」も正しく、発注者は施工体制が適正であるかを確認する立場にあり、請求に応じて閲覧させることが法律上定められているからです。

試験の罠
施工体制台帳の作成が必要となるのは、発注者から直接請け負い、下請契約の総額が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合です。この金額は令和7年2月1日施行の改正で引き上げられたものです。保存の期間も、帳簿とその添付書類が5年間、営業に関する図書が10年間と分かれている点に注意します。
問55-3

工事現場の技術者の配置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①監理技術者は、下請契約の総額が一定の額以上のときに置く。
  • ②主任技術者は、請負った建設業者が工事現場ごとに置く。
  • ③専任の技術者は、他の工事現場と兼務させて配置してもよい。
  • ④専任の監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受けた者とする。
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正解 ③専任の技術者は、他の工事現場と兼務させて配置してもよい。
解説
専任とは、その工事現場に常時継続して配置され、他の工事現場の職務を兼ねないことをいいます。公共性のある施設または工作物に関する重要な建設工事で、請負代金の額が4,500万円以上、建築一式工事では9,000万円以上となるものについては、主任技術者または監理技術者を専任で置かなければなりません。専任が求められる理由は、こうした工事では施工の管理を常時行わなければ品質と安全を確保できないからです。したがって、専任の技術者を他の工事現場と兼務させることは、専任という要件そのものを満たさないことになり、認められません。兼務が認められるのは専任を要しない工事の場合か、法令が定める特例に該当する場合に限られます。

他の選択肢が不適切な理由
「監理技術者は、下請契約の総額が一定の額以上のときに置く。」は正しく、発注者から直接請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる工事を施工する場合に、主任技術者に代えて監理技術者を置くことが定められているからです。「主任技術者は、請負った建設業者が工事現場ごとに置く。」も正しく、建設業者は請け負った建設工事を施工するときは、工事現場における技術上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならないとされているからです。「専任の監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受けた者とする。」も正しく、専任で置く監理技術者は、資格者証の交付を受け、かつ監理技術者講習を受けた者のうちから選任しなければならないと定められているからです。

試験の罠
金額の基準は、監理技術者の設置と施工体制台帳が下請総額5,000万円以上、建築一式8,000万円以上、専任の要否が請負代金4,500万円以上、建築一式9,000万円以上です。二組の数値を混同しないよう注意します。
問65-3

騒音規制法および振動規制法に基づく届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①特定建設作業の実施の届出は、市町村長に対して行って提出した。
  • ②特定建設作業の実施の届出は、作業の開始の7日前までに行った。
  • ③特定建設作業の実施の届出は、指定された区域の内で必要となる。
  • ④特定建設作業の実施の届出は、下請業者が行うこととされている。
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正解 ④特定建設作業の実施の届出は、下請業者が行うこととされている。
解説
騒音規制法および振動規制法では、指定地域内で特定建設作業を行おうとする者に対して、市町村長への届出を義務付けています。ここでいう作業を行おうとする者とは、その建設工事を施工する者であり、実務上は元請の建設業者がこれに当たります。工事全体を統括し、作業の内容と工程を把握している立場でなければ、いつどのような作業を行うのかを届け出ることができないためです。届出を下請業者が行うとする記述は、責任の主体を取り違えています。なお、これらの法律における特定建設作業とは、くい打機やさく岩機、ブルドーザーなどを使用する著しい騒音や振動を発生する作業として、政令で定められたものを指します。

他の選択肢が不適切な理由
「特定建設作業の実施の届出は、市町村長に対して行って提出した。」は正しく、騒音と振動の規制は住民の生活環境に直結する事項であり、地域の実情を把握している市町村長が受け付けることとされているからです。「特定建設作業の実施の届出は、作業の開始の7日前までに行った。」も正しく、両法とも作業の開始の日の7日前までに届け出ることを定めており、周辺への周知や必要な指導を行う期間を確保するためだからです。「特定建設作業の実施の届出は、指定された区域の内で必要となる。」も正しく、この規制は都道府県知事等が指定した地域内で行われる作業を対象としており、指定のない区域では届出の義務が生じないからです。

試験の罠
提出先が市町村長である点が、他の届出と大きく異なります。労働安全衛生法は労働基準監督署長、建築工事届は都道府県知事、道路使用は警察署長、と提出先を一覧で整理しておくと確実です。
問75-3

工事に関する各種の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①建設リサイクル法の届出は、発注者が着手の7日前までに行う。
  • ②指定数量以上の危険物の貯蔵の許可は、市町村長等から受ける。
  • ③消防用設備等の着工の届出は、工事の完了の後に行うこととする。
  • ④特定元方事業者の事業の開始の報告は、労働基準監督署長に行う。
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正解 ③消防用設備等の着工の届出は、工事の完了の後に行うこととする。
解説
消防法では、消防用設備等または特殊消防用設備等の設置に係る工事をしようとする甲種消防設備士に対して、工事に着手しようとする日の10日前までに、その工事の内容を消防長または消防署長に届け出ることを義務付けています。この届出は着工届と呼ばれ、設備の設計の内容が法令に適合しているかを、工事が始まる前に確認するための仕組みです。工事が完了してから届け出たのでは、不適合が判明しても既に施工が終わっており、やり直しに大きな負担が生じます。なお、工事が完了した場合には別に設置届を提出して検査を受けることとされており、着工届と設置届は目的も時期も異なる別の手続です。

他の選択肢が不適切な理由
「建設リサイクル法の届出は、発注者が着手の7日前までに行う。」は正しく、対象となる建設工事について、発注者が分別解体等の計画を工事に着手する日の7日前までに都道府県知事へ届け出ることとされているからです。「指定数量以上の危険物の貯蔵の許可は、市町村長等から受ける。」も正しく、消防法は指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う場合について、市町村長等の許可を受けた製造所等で行うことを求めているからです。「特定元方事業者の事業の開始の報告は、労働基準監督署長に行う。」も正しく、労働安全衛生法に基づき、特定元方事業者は仕事を開始した後、遅滞なく所轄の労働基準監督署長へ報告することとされているからです。

試験の罠
着工届は10日前、建設リサイクル法と特定建設作業は7日前、労働安全衛生法の仕事の届出は14日前、機械等の設置は30日前という、日数の違いが集中的に問われます。あわせて提出先も対で覚えます。
問85-3

安全衛生の管理体制に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①建設業では、常時50人以上のとき総括安全衛生管理者を選任する。
  • ②統括安全衛生責任者は、常時50人以上となる現場で選任する。
  • ③関係請負人は、安全衛生責任者を選任して連絡の調整に当たらせる。
  • ④元方安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を補佐する立場である。
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正解 ①建設業では、常時50人以上のとき総括安全衛生管理者を選任する。
解説
総括安全衛生管理者は、事業場の安全衛生に関する業務を統括管理する者で、選任を要する規模は業種によって異なります。労働安全衛生法施行令では、林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業については常時100人以上、製造業や電気業など一定の業種では常時300人以上、その他の業種では常時1,000人以上と定められています。建設業は危険性の高い業種として最も低い区分に置かれていますが、その数値は100人以上であり、50人以上ではありません。50人以上という数値は、安全管理者、衛生管理者、産業医の選任が必要となる規模であり、また建設現場における統括安全衛生責任者の選任の基準でもあります。数値が近いため取り違えやすい部分です。

他の選択肢が不適切な理由
「統括安全衛生責任者は、常時50人以上となる現場で選任する。」は正しく、特定元方事業者は、元請と下請の作業従事者(一人親方など労働者以外の者を含む)が同一の場所で作業する人数が常時50人以上となるときに選任する必要があり、ずい道や橋梁、圧気工事では30人以上となるからです。「関係請負人は、安全衛生責任者を選任して連絡の調整に当たらせる。」も正しく、統括安全衛生責任者が選任された現場では、下請となる関係請負人が安全衛生責任者を選任し、統括する側との連絡と調整を担わせることとされているからです。「元方安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を補佐する立場である。」も正しく、統括安全衛生責任者が指揮する事項のうち技術的な事項を管理する者として、資格を有する者から選任されるからです。

試験の罠
人数は、総括安全衛生管理者が建設業で100人以上、統括安全衛生責任者が50人以上、店社安全衛生管理者が20人以上50人未満、安全衛生推進者が10人以上50人未満、と四段階で整理します。
問95-3

工事の届出と現場の掲示に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①建設業の許可を受けた者の標識を、公衆の見やすい場所に掲げた。
  • ②労災保険関係成立票を、公衆の見やすい場所に掲げて表示した。
  • ③建築確認済である旨の表示は、工事の完了後に掲げることとした。
  • ④施工体系図を作成し、工事関係者が見やすい場所に掲示した。
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正解 ③建築確認済である旨の表示は、工事の完了後に掲げることとした。
解説
建築基準法第89条は、確認の表示等について定めており、建築確認を受けた工事の施工者は、その工事現場の見やすい場所に、建築主、設計者、工事施工者、工事の現場管理者の氏名または名称と、確認があった旨の表示を掲げなければならないとしています。この表示の目的は、その工事が適法な手続を経て行われていることを、工事の期間中に周辺の人々が確認できるようにすることにあります。工事が完了した後に掲げたのでは、工事期間中に確認する手段がなく、制度の趣旨がまったく満たされません。掲示は工事の期間を通じて行うものであり、着手の時点から現場に掲げておく必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「建設業の許可を受けた者の標識を、公衆の見やすい場所に掲げた。」は正しく、建設業法により、建設業者は店舗および建設工事の現場ごとに、許可の種類や番号などを記載した標識を掲げなければならないとされているからです。「労災保険関係成立票を、公衆の見やすい場所に掲げて表示した。」も正しく、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の関係規定により、建設の事業では保険関係が成立していることを示す票を掲示することとされているからです。「施工体系図を作成し、工事関係者が見やすい場所に掲示した。」も正しく、建設業法により、施工体制台帳を作成する工事では施工体系図を作成し、掲示することが定められているからです。

試験の罠
現場に掲示するものとして、建設業の許可票、労災保険関係成立票、建築確認の表示、施工体制台帳に基づく施工体系図の四つが代表例です。いずれも工事の期間中に掲げるものであり、完了後という記述は誤りになります。
問105-3

工事に伴う各種の申請および届出の主体に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①確認済証の交付を受けるための申請は、建築主が行うこととされる。
  • ②危険物の仮貯蔵の承認の申請は、消防長または消防署長に対して行う。
  • ③特定建設作業の実施の届出は、施工する者が行うこととされている。
  • ④労働安全衛生法の機械等の設置の届出は、注文者が行うこととされる。
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正解 ④労働安全衛生法の機械等の設置の届出は、注文者が行うこととされる。
解説
労働安全衛生法第88条第1項は、事業者に対して届出の義務を課しています。ここでいう事業者とは、その事業を行う者、すなわち労働者を使用してその機械等を用いた作業を行う者であり、工事を発注した注文者ではありません。安全衛生に関する義務は、労働者を現に指揮して作業を行わせ、危険を管理できる立場にある者に課すというのが労働安全衛生法全体を貫く考え方です。注文者に届出をさせても、実際の作業の内容や設置の方法を把握しているのは施工する側であるため、届出の目的である事前の審査が機能しません。したがって、機械等の設置、移転、変更の届出は、その機械等を用いて作業を行う事業者が行います。

他の選択肢が不適切な理由
「確認済証の交付を受けるための申請は、建築主が行うこととされる。」は正しく、建築基準法第6条が建築主に対して確認の申請を義務付けており、建築物を建築しようとする者の責任として位置付けられているからです。「危険物の仮貯蔵の承認の申請は、消防長または消防署長に対して行う。」も正しく、指定数量以上の危険物を10日以内の期間に限って仮に貯蔵する場合には、消防法により消防長または消防署長の承認を受けることとされているからです。「特定建設作業の実施の届出は、施工する者が行うこととされている。」も正しく、騒音規制法と振動規制法は作業を行おうとする者に届出を義務付けており、工事を施工する元請がこれに当たるからです。

試験の罠
届出の主体は、建築基準法の確認申請と建築工事届が建築主、除却届と確認の表示が施工者、労働安全衛生法の各届出が事業者、というように法律ごとに異なります。誰が危険や結果を管理できる立場かという観点で整理すると覚えやすくなります。

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