2026年版・5-20

安全管理:作業環境と健康障害の防止の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、安全管理:作業環境と健康障害の防止に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-20

有機溶剤中毒予防規則に定める有機溶剤等の区分の表示に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①第2種有機溶剤等を表示する色は、青と定められています。
  • ②第1種有機溶剤等を表示する色は、赤と定められています。
  • ③第3種有機溶剤等を表示する色は、青と定められています。
  • ④区分の表示は、色分けと色分け以外の方法により行います。
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正解 ①第2種有機溶剤等を表示する色は、青と定められています。
解説
有機溶剤中毒予防規則第25条第2項は、有機溶剤等の区分を色分けで表示する場合の色を、第1種有機溶剤等は赤、第2種有機溶剤等は黄、第3種有機溶剤等は青と定めています。したがって第2種を青とする記述は誤りです。この色分けは、その場で扱っている有機溶剤がどの区分かをひと目で分かるようにするためのもので、区分によって必要な換気の方法や測定の義務が変わるため、取り違えると必要な対策がとられないことになります。塗装工事や接着剤を使う内装工事では、屋内での作業が多く有機溶剤の蒸気がこもりやすいため、この表示と換気の措置は現場の基本になります。赤、黄、青の順は、危険の程度が高い順と対応していると理解すると覚えやすくなります。

他の選択肢が不適切な理由
「第1種有機溶剤等を表示する色は、赤と定められています。」は正しく、同項第1号が赤と定めているためです。第1種は最も有害性が高い区分で、二硫化炭素などが該当します。「第3種有機溶剤等を表示する色は、青と定められています。」も正しく、同項第3号が青と定めているからです。第3種はガソリンやミネラルスピリットなど、比較的有害性の低い区分です。「区分の表示は、色分けと色分け以外の方法により行います。」も正しく、同条第1項が色分け及び色分け以外の方法により見やすい場所に表示することを求めているためです。色だけでは色覚の特性によって伝わらないことがあるため、文字による表示も併せて行います。

試験の罠
赤、黄、青の3色と第1種、第2種、第3種の対応は、そのまま数字の順に並んでいます。第2種を青、第3種を黄と入れ替えた選択肢が作られやすいので、順番で覚えておいてください。
問25-20

労働安全衛生規則に定める一般の健康診断に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①常時使用する労働者を雇い入れるときは、健康診断を行わなければなりません。
  • ②特定業務に常時従事する労働者には、6月以内ごとに1回、定期に健康診断を行います。
  • ③特定業務に配置替えをするときも、その際に健康診断を行うこととされています。
  • ④常時使用する労働者に対しては、2年以内ごとに1回、定期に健康診断を行います。
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正解 ④常時使用する労働者に対しては、2年以内ごとに1回、定期に健康診断を行います。
解説
労働安全衛生規則第44条は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を行わなければならないと定めています。したがって2年以内ごととする記述は誤りです。健康診断の目的は、本人が自覚する前の段階で体の変化を見つけ、作業の内容や時間を見直すきっかけにすることにあります。間隔が空きすぎると、その間に病状が進んでしまい、早期に手を打つという目的が果たせません。建設業では、高所や暑熱の作業など体に負担のかかる仕事が多く、健康状態の把握はそのまま災害の防止につながります。なお、この定期健康診断の項目には、身長や体重、血圧のほか、胸部エックス線検査、貧血検査、肝機能検査、血糖検査などが含まれます。

他の選択肢が不適切な理由
「常時使用する労働者を雇い入れるときは、健康診断を行わなければなりません。」は正しく、同規則第43条が雇入時の健康診断を義務づけているためです。採用の時点の状態を把握しておくことで、その後の変化を比べられるようになります。「特定業務に常時従事する労働者には、6月以内ごとに1回、定期に健康診断を行います。」も正しく、同規則第45条が定めています。坑内労働や著しく暑熱な場所での業務などが特定業務にあたり、体への負担が大きいぶん間隔を短くしています。「特定業務に配置替えをするときも、その際に健康診断を行うこととされています。」も正しく、同条が配置替えの際にも健康診断を行うことを求めているからです。負担の大きい業務に就く前の状態を確かめておく必要があるためです。

試験の罠
一般の定期健康診断は1年以内ごと、特定業務従事者は6月以内ごとです。特殊健康診断も多くが6月以内ごとなので、「一般は1年、有害業務は6月」という整理で覚えると混乱しません。
問35-20

屋内作業場で有機溶剤業務を行う場合の措置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①局所排気装置の点検については、6月を超えない期間ごとに行うこととされています。
  • ②有機溶剤作業主任者は、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者の中から選任します。
  • ③有機溶剤の濃度の測定は、6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。
  • ④有機溶剤の健康診断は、6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。
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正解 ①局所排気装置の点検については、6月を超えない期間ごとに行うこととされています。
解説
有機溶剤中毒予防規則第19条の2は、有機溶剤作業主任者に行わせる職務の一つとして、局所排気装置、プッシュプル型換気装置または全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検することを挙げています。したがって6月を超えない期間ごととする記述は誤りです。排気装置は、有機溶剤の蒸気を作業者が吸い込む前に外へ運び出す設備で、これが働いていなければ他の対策をいくら行っても中毒を防げません。ダクトのつまり、ファンの摩耗、フードの位置のずれといった不具合は日常の使用の中で少しずつ進むため、短い間隔で点検して早く見つける必要があります。作業環境の測定や健康診断が半年ごとであるのに対し、設備の点検だけが1月ごとと短いのは、この設備が対策の要になっているからです。

他の選択肢が不適切な理由
「有機溶剤作業主任者は、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者の中から選任します。」は正しく、同規則第19条第2項が資格を技能講習の修了者に限っているためです。「有機溶剤の濃度の測定は、6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。」も正しく、同規則第28条第2項が屋内作業場について6月以内ごとの測定を義務づけているからです。測定の記録は3年間保存します。「有機溶剤の健康診断は、6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。」も正しく、同規則第29条第2項が、雇入れの際、配置替えの際、及びその後6月以内ごとに1回の健康診断を求めているためです。作業の経歴の調査や自覚症状の検査などを行います。

試験の罠
有機溶剤では「測定は6月、健康診断は6月、設備の点検は1月」と、期間の異なる3つが並びます。設備の点検だけが短いという点が問われやすいので、意識して覚えてください。
問45-20

粉じん障害防止規則に定める措置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①常時特定粉じん作業に就かせるときは、その労働者に特別の教育を行います。
  • ②粉じん作業を行う屋内の作業場所は、1月以内ごとに1回、清掃を行えば足ります。
  • ③粉じんの濃度の測定は、6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。
  • ④所定の作業に従事させるときには、有効な呼吸用保護具を使用させることとします。
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正解 ②粉じん作業を行う屋内の作業場所は、1月以内ごとに1回、清掃を行えば足ります。
解説
粉じん障害防止規則第24条第1項は、粉じん作業を行う屋内の作業場所について、毎日1回以上、清掃を行わなければならないと定めています。したがって1月以内ごとに1回で足りるとする記述は誤りです。床に積もった粉じんは、人が歩いたり機械が動いたりするたびに舞い上がり、いったん収まったはずの粉じんが再び空気中に戻ります。これを二次発じんと呼び、放置すると作業環境がいつまでも改善しません。そのため毎日の清掃が求められます。なお、同条第2項では、床や設備、休憩設備の場所については、これとは別に1月以内ごとに1回、真空掃除機を用いる方法や水洗するなど、粉じんが飛散しない方法で堆積した粉じんを除去することが定められています。毎日の清掃と、月1回の徹底した除去は別の義務です。

他の選択肢が不適切な理由
「常時特定粉じん作業に就かせるときは、その労働者に特別の教育を行います。」は正しく、同規則第22条が、粉じんの発散を防止する方法、作業場の管理、呼吸用保護具の使用の方法、粉じんに係る疾病と健康管理、関係法令の各科目について特別の教育を義務づけているためです。「粉じんの濃度の測定は、6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。」も正しく、同規則第26条第1項が定める間隔だからです。測定の記録は7年間保存します。「所定の作業に従事させるときには、有効な呼吸用保護具を使用させることとします。」も正しく、同規則第27条が、発散源を密閉する設備や局所排気装置などの措置がとられていない場合に、呼吸用保護具の使用を義務づけているためです。

試験の罠
清掃は「毎日1回以上」、堆積粉じんの除去は「1月以内ごとに1回」と、2つの義務が並んでいます。片方の期間をもう一方に当てはめた選択肢が作られやすいので、区別して覚えてください。
問55-20

じん肺法に定めるじん肺健康診断に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①新たに常時粉じん作業に従事することとなった労働者には、就業の際に行います。
  • ②常時粉じん作業に従事する労働者には、3年以内ごとに1回、定期に行います。
  • ③じん肺管理区分が管理二である者には、5年以内ごとに1回、定期に行います。
  • ④じん肺健康診断の記録とエックス線写真は、7年間保存することとされています。
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正解 ③じん肺管理区分が管理二である者には、5年以内ごとに1回、定期に行います。
解説
じん肺法第8条は、定期のじん肺健康診断の間隔を、常時粉じん作業に従事する労働者は3年以内ごとに1回、そのうちじん肺管理区分が管理二または管理三である者は1年以内ごとに1回と定めています。したがって管理二の者を5年以内ごととする記述は誤りです。じん肺は、吸い込んだ粉じんが肺にたまり、肺の組織が硬くなっていく病気で、いったん進むと元に戻らないという特徴があります。すでに所見が認められている管理二や管理三の人は、これ以上進行させないことが何より大切であり、そのため健康診断の間隔を短くして経過を細かく追います。逆に、まだ所見のない管理一の人については3年以内ごととし、負担と効果の釣合いをとっています。

他の選択肢が不適切な理由
「新たに常時粉じん作業に従事することとなった労働者には、就業の際に行います。」は正しく、同法第7条が就業時健康診断を定めているためです。作業に就く前の肺の状態を記録しておくことで、後の変化がその作業によるものかどうかを判断できるようになります。「常時粉じん作業に従事する労働者には、3年以内ごとに1回、定期に行います。」も正しく、同法第8条第1項第1号が定める間隔だからです。「じん肺健康診断の記録とエックス線写真は、7年間保存することとされています。」も正しく、同法第17条第2項が7年間の保存を義務づけているためです。じん肺は長い年月をかけて進むため、過去の写真と比べられることが診断の助けになります。

試験の罠
じん肺の定期健康診断は「所見がなければ3年、所見があれば1年」と覚えます。粉じんの濃度の測定が6月以内ごとであることと混同しないよう、対象が場所か人かで区別してください。
問65-20

酸素欠乏症等防止規則に定める用語と濃度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態のことをいいます。
  • ②酸素欠乏等とは、酸素欠乏の状態か、硫化水素が10ppmを超える状態をいいます。
  • ③第2種酸素欠乏危険作業では、酸素に加えて硫化水素の濃度についても測定します。
  • ④酸素欠乏危険作業を行う場所は、酸素の濃度を16%以上に保つように換気します。
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正解 ④酸素欠乏危険作業を行う場所は、酸素の濃度を16%以上に保つように換気します。
解説
酸素欠乏症等防止規則第5条第1項は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合、その作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を18%以上に保つように換気しなければならないと定めています。したがって16%以上とする記述は数値が異なり誤りです。空気中の酸素の濃度は通常およそ21%で、18%を下回ると体の不調が現れ始め、さらに下がると短時間で意識を失います。18%という値は、同規則第2条が酸素欠乏の定義に用いている数値でもあり、換気の目標と定義が同じ値でそろっている点が理解の助けになります。建築工事では、地下ピット、マンホール、換気の悪い地下室、ケーソンの内部などが酸素欠乏危険場所にあたり、入る前の測定と換気が欠かせません。

他の選択肢が不適切な理由
「酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態のことをいいます。」は正しく、同規則第2条第1号がそのように定義しているためです。「酸素欠乏等とは、酸素欠乏の状態か、硫化水素が10ppmを超える状態をいいます。」も正しく、同条第2号が、酸素欠乏の状態または空気中の硫化水素の濃度が100万分の10を超える状態と定義しているからです。100万分の10がppmでいう10にあたります。「第2種酸素欠乏危険作業では、酸素に加えて硫化水素の濃度についても測定します。」も正しく、同規則第3条第1項が第2種の作業場については酸素及び硫化水素の濃度を測定するよう求めているためです。し尿や汚泥を扱う槽の内部など、硫化水素が発生するおそれのある場所が第2種にあたります。

試験の罠
酸素は18%、硫化水素は10ppmが基準です。酸素の16%は、これを下回ると危険とされる別の目安と混同されやすい数値ですので、法令上の値は18%だと押さえてください。
問75-20

酸素欠乏危険作業における換気と保護具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①換気を行うときは、効率を高めるため純酸素を用いてもよいこととされています。
  • ②爆発などを防ぐため換気ができない場合は、空気呼吸器等を労働者に使用させます。
  • ③その日の作業を開始する前に、作業場の空気中の酸素の濃度を測定しておきます。
  • ④第2種酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者を選任します。
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正解 ①換気を行うときは、効率を高めるため純酸素を用いてもよいこととされています。
解説
酸素欠乏症等防止規則第5条第3項は、換気を行うときに純酸素を使用してはならないと定めています。純酸素を吹き込むと、その場の酸素の濃度が通常の空気より高くなり、わずかな火花や静電気でも激しく燃える状態になります。作業場には、電動工具、照明、溶接の機器など火源になるものが多くあり、火災や爆発の危険がきわめて高くなります。また、酸素の濃度が高すぎる空気を吸い続けること自体も体に害を及ぼします。したがって、換気には必ず通常の空気を用います。爆発や酸化を防ぐために換気そのものができない場合や、作業の性質上換気が著しく困難な場合には、換気に代えて空気呼吸器等を使用させることになります。

他の選択肢が不適切な理由
「爆発などを防ぐため換気ができない場合は、空気呼吸器等を労働者に使用させます。」は正しく、同規則第5条の2第1項が、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器、酸素呼吸器または送気マスクを備え、これを使用させることを定めているためです。「その日の作業を開始する前に、作業場の空気中の酸素の濃度を測定しておきます。」も正しく、同規則第3条第1項が作業開始前の測定を義務づけているからです。測定の記録は3年間保存します。「第2種酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者を選任します。」も正しく、同規則第11条第1項が、第2種については酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者から選任すると定めているためです。第1種はいずれの技能講習の修了者でも構いません。

試験の罠
酸素が足りないのだから酸素を送ればよい、という直感が誤りを生みます。純酸素の使用禁止は繰り返し出題される論点ですので、火災の危険という理由とセットで覚えてください。
問85-20

建設現場における熱中症の予防に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①熱中症を生ずるおそれのある作業では、自覚症状などを報告する体制を整備します。
  • ②暑さ指数と呼ばれるWBGT値は、気温だけを測って求める指標とされています。
  • ③整備した報告の体制は、その作業に従事する者に対して周知しなければなりません。
  • ④症状の悪化を防ぐための措置の内容と実施の手順を、あらかじめ定めておきます。
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正解 ②暑さ指数と呼ばれるWBGT値は、気温だけを測って求める指標とされています。
解説
WBGT値は暑さ指数とも呼ばれ、気温だけでなく、湿度、日射や地面などからの輻射熱、気流を合わせて評価する指標です。人が暑さを感じ、体に熱がたまるかどうかは気温だけでは決まりません。湿度が高ければ汗が蒸発せず体から熱が逃げませんし、直射日光の下では気温が同じでも体感はまったく違います。逆に風があれば熱は運び去られます。こうした要素をまとめて1つの値にしたものがWBGT値で、屋外では日射の影響を含めて測ります。したがって、気温だけで求めるという記述は誤りです。作業の場所ごとに実際に測ることで、同じ現場でも日なたと日陰、屋内と屋外で危険の程度が違うことが分かり、休憩や作業時間の割振りの判断に使えます。

他の選択肢が不適切な理由
「熱中症を生ずるおそれのある作業では、自覚症状などを報告する体制を整備します。」は正しく、労働安全衛生規則第612条の2第1項が、本人が自覚症状を感じた場合、または他の作業従事者が異常に気づいた場合に報告させる体制の整備を求めているためです。熱中症は本人の判断力が先に落ちるため、周囲が気づいて伝える仕組みが要ります。「整備した報告の体制は、その作業に従事する者に対して周知しなければなりません。」も正しく、同項が体制を周知させることまで求めているからです。仕組みは知られていなければ働きません。「症状の悪化を防ぐための措置の内容と実施の手順を、あらかじめ定めておきます。」も正しく、同条第2項が、作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じた医師の診察などの措置とその手順を作業場ごとに定め、周知することを求めているためです。

試験の罠
WBGT値は「気温、湿度、輻射熱、気流」の4つを踏まえた指標です。気温だけ、あるいは気温と湿度だけとする選択肢は誤りになります。報告の体制と手順は「定める」だけでなく「周知する」までが義務です。
問95-20

作業環境の測定などの記録の保存に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①粉じんの濃度の測定の記録は、7年間これを保存しなければならないとされています。
  • ②酸素の濃度の測定の記録は、3年間保存しなければならないとされています。
  • ③有機溶剤の濃度の測定の記録は、7年間保存しなければならないとされています。
  • ④じん肺健康診断の記録は、7年間保存しなければならないとされています。
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正解 ③有機溶剤の濃度の測定の記録は、7年間保存しなければならないとされています。
解説
有機溶剤中毒予防規則第28条第3項は、有機溶剤の濃度の測定を行ったときは、測定の日時、方法、箇所、条件、結果、実施した者の氏名などを記録し、これを3年間保存しなければならないと定めています。したがって7年間とする記述は誤りです。保存期間の長さは、その物質が体に及ぼす影響が現れるまでの時間とおおよそ対応しています。有機溶剤による中毒は比較的短い期間で症状が現れるのに対し、粉じんによるじん肺は十数年から数十年をかけて進むため、記録を長く残す必要があります。記録は、後になって健康被害と作業との関係を確かめる唯一の手掛かりになることがあり、保存期間を守ることには実質的な意味があります。

他の選択肢が不適切な理由
「粉じんの濃度の測定の記録は、7年間これを保存しなければならないとされています。」は正しく、粉じん障害防止規則第26条第8項が7年間の保存を定めているためです。「酸素の濃度の測定の記録は、3年間保存しなければならないとされています。」も正しく、酸素欠乏症等防止規則第3条第2項が3年間の保存を定めているからです。酸素欠乏による症状はその場で現れるため、長期の保存は求められていません。「じん肺健康診断の記録は、7年間保存しなければならないとされています。」も正しく、じん肺法第17条第2項が、記録とエックス線写真について7年間の保存を義務づけているためです。過去の写真と比べることで、進行の有無を判断できるようになります。

試験の罠
保存期間は「有機溶剤と酸素欠乏は3年、粉じんとじん肺は7年」と、影響が現れるまでの時間の長短で整理できます。丸暗記ではなく、理由で覚えると取り違えにくくなります。
問105-20

作業環境の管理と健康障害の防止に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  • ①第2種有機溶剤等の区分を色分けで表示する場合の色は、青と定められています。
  • ②粉じん作業を行う屋内の作業場所の清掃は、1月に1回行えば足りるとされています。
  • ③常時使用する労働者への定期の健康診断は、3年以内ごとに1回行うこととされます。
  • ④酸素欠乏危険作業を行う場所は、酸素の濃度を18%以上に保つよう換気します。
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正解 ④酸素欠乏危険作業を行う場所は、酸素の濃度を18%以上に保つよう換気します。
解説
酸素欠乏症等防止規則第5条第1項は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合、その場所の空気中の酸素の濃度を18%以上に保つように換気しなければならないと定めています。したがってこの記述が最も適当です。18%という値は、同規則第2条が酸素欠乏を「空気中の酸素の濃度が18%未満である状態」と定義していることと対応しており、定義と措置の目標が同じ値でそろっています。建築工事では、地下ピットや排水槽、長く閉め切られていた地下室などが酸素欠乏危険場所となります。中に入る前に必ず濃度を測り、換気してから作業を始めること、そして換気ができない場合は空気呼吸器等を使うことが基本の手順になります。

他の選択肢が不適切な理由
「第2種有機溶剤等の区分を色分けで表示する場合の色は、青と定められています。」は誤りで、有機溶剤中毒予防規則第25条第2項により第2種は黄です。青は第3種にあたります。「粉じん作業を行う屋内の作業場所の清掃は、1月に1回行えば足りるとされています。」も誤りで、粉じん障害防止規則第24条第1項が毎日1回以上の清掃を求めています。1月以内ごとに1回とされているのは、真空掃除機などによる堆積粉じんの除去です。「常時使用する労働者への定期の健康診断は、3年以内ごとに1回行うこととされます。」も誤りで、労働安全衛生規則第44条が1年以内ごとに1回と定めています。3年以内ごとという間隔は、じん肺法が定める定期のじん肺健康診断のものです。

試験の罠
この問題は「最も適当なもの」を選ぶ形式です。誤りの3つは、色の対応をずらす、清掃と除去の期間を入れ替える、別の法令の間隔を持ち込むという作り方になっています。設問の末尾を必ず確かめてください。

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