2026年版・5-2

施工計画:施工計画書と材料の保管の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、施工計画:施工計画書と材料の保管に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-2

施工計画書に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①総合施工計画書は、工事の完成の後に取りまとめて提出した。
  • ②総合施工計画書には、仮設の計画と工事の全体の方針を記載した。
  • ③工事種別施工計画書は、各工事の着手に先立って作成した。
  • ④施工計画書の内容を変更する場合は、監理者の承認を得た。
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正解 ①総合施工計画書は、工事の完成の後に取りまとめて提出した。
解説
総合施工計画書は、工事全体をどのような方針と体制で進めるのかを示す文書であり、仮設の計画、安全の管理、品質の管理、環境への配慮といった基本的な考え方をまとめたものです。これは、実際に工事を始める前に監理者へ提出し、内容の確認を受けたうえで着手するためのものです。工事が完成した後に取りまとめても、計画としての役目は何も果たしません。計画書の目的は、着手前に施工の方法を検討して問題点を洗い出し、関係者の間で認識を合わせることにあります。完成後に作成する書類は施工の記録であって計画ではなく、両者を混同すると、計画に基づく管理という仕組みそのものが成立しなくなります。

他の選択肢が不適切な理由
「総合施工計画書には、仮設の計画と工事の全体の方針を記載した。」は正しく、総合施工計画書は個々の工事の詳細ではなく、現場の運営の全体像を示す文書であり、仮設計画と管理の方針がその中心的な内容となるからです。「工事種別施工計画書は、各工事の着手に先立って作成した。」も正しく、工事種別施工計画書は鉄筋工事や防水工事といった工種ごとの具体的な施工の方法を定めるものであり、その工事に取りかかる前に作成して確認を受ける必要があるからです。「施工計画書の内容を変更する場合は、監理者の承認を得た。」も正しく、計画書は監理者の確認を経て工事の進め方の合意となっているため、内容を変えるときにも同じ手続きを経なければ合意が崩れてしまうからです。

試験の罠
総合施工計画書は着工前、工事種別施工計画書は各工種の着手前、という時期の違いが要点です。施工要領書は専門工事業者が作成し、元請がその内容を確認するという役割の違いもあわせて問われます。
問25-2

設計図書間の記載が食い違う場合の優先の順位に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①質問回答書は、現場説明書よりも優先して取り扱われる。
  • ②標準仕様書は、特記仕様書よりも優先して取り扱われる。
  • ③特記仕様書は、設計図よりも優先して取り扱われる。
  • ④現場説明書は、特記仕様書よりも優先して取り扱われる。
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正解 ②標準仕様書は、特記仕様書よりも優先して取り扱われる。
解説
設計図書は複数の書類から構成されるため、記載が食い違うことがあります。この場合の優先の順位は、その工事に固有の事情を反映している度合いが高いものほど優先するという考え方で定められています。一般的な順位は、質問回答書、現場説明書、特記仕様書、設計図、標準仕様書の順です。標準仕様書は、多くの工事に共通して適用される一般的な基準を定めたものであり、その工事に固有の条件は書かれていません。これに対して特記仕様書は、その工事に限って適用される特別の要求を記載したものです。したがって標準仕様書が特記仕様書より優先されることはなく、この記述は順位を逆に述べたものになります。

他の選択肢が不適切な理由
「質問回答書は、現場説明書よりも優先して取り扱われる。」は正しく、質問回答書は現場説明の後に生じた疑義に対して発注者が回答した最も新しい意思表示であり、最上位に位置付けられるからです。「特記仕様書は、設計図よりも優先して取り扱われる。」も正しく、特記仕様書はその工事に固有の要求を文章で明確に示したものであり、図面の表記より意図が確かであると考えられるからです。「現場説明書は、特記仕様書よりも優先して取り扱われる。」も正しく、現場説明は入札に先立って実際の現地の条件を踏まえて説明されたものであり、特記仕様書の内容を補い、あるいは修正する位置付けにあるからです。

試験の罠
順位は、質問回答書、現場説明書、特記仕様書、設計図、標準仕様書の五つを順に覚えます。固有の条件を示すものほど上位、という原則で理解しておくと、選択肢の順序が入れ替わっても判断できます。
問35-2

施工計画の立案に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①工法の選定は、過去の実績のある方法のみに限って検討した。
  • ②計画の立案では、複数の案を比較して経済性を検討した。
  • ③施工の方法は、品質と安全と工期の三つの面から検討した。
  • ④施工者は、施工の方法の改善の提案を発注者に対して行った。
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正解 ①工法の選定は、過去の実績のある方法のみに限って検討した。
解説
施工計画の目的は、その工事の条件のもとで最も適した方法を見つけることにあります。過去の実績のある方法は、確実であるという利点をもつ一方で、その工事の条件に最も適しているとは限りません。敷地の狭さ、周辺の環境、工期の制約といった条件は工事ごとに異なり、新しい工法や材料によってはるかに合理的に解決できる場合があります。実績のある方法だけに検討を限ることは、より良い方法を検討の対象から外すことであり、技術の進歩を取り入れる機会も失います。もちろん新しい工法には検証が必要ですが、それは採否を判断するための手続きであって、最初から検討しない理由にはなりません。

他の選択肢が不適切な理由
「計画の立案では、複数の案を比較して経済性を検討した。」は正しく、一つの案だけでは、それが妥当であるかどうかを判断する基準を持てないため、複数の案を並べて比較することが計画の基本的な手法だからです。「施工の方法は、品質と安全と工期の三つの面から検討した。」も正しく、これらは互いに影響し合う関係にあり、いずれか一つだけを優先すると他が損なわれるため、総合的に判断する必要があるからです。「施工者は、施工の方法の改善の提案を発注者に対して行った。」も正しく、施工の方法について最も知識をもつのは施工者であり、品質を確保しつつ費用や工期を改善できる方法があれば、提案することが望ましいからです。

試験の罠
施工計画に関する設問では、検討の範囲を狭める記述が誤りになります。実績のみに限る、単一の案で決める、経済性だけで判断するといった記述は、いずれも計画の目的に反します。
問45-2

工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①袋詰めのセメントは、湿気を避けて積み重ねを10袋以下とした。
  • ②巻いたビニル床シートは、平らに寝かせて積み重ねて保管した。
  • ③板ガラスは、乾燥した場所に立てた状態で保管して管理した。
  • ④高力ボルトは、包装を解かずに乾燥した場所に保管して管理した。
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正解 ②巻いたビニル床シートは、平らに寝かせて積み重ねて保管した。
解説
ビニル床シートは巻いた状態で搬入されます。この巻いた材料を平らに寝かせて積み重ねると、下になったものは上の材料の重量を受け続け、円形であるべき断面が押しつぶされて楕円形に変形します。この変形はいったん生じると元に戻らず、張り付けたときに部分的な凹凸や波打ちとなってあらわれます。また、重なった部分の表面に押し跡が残ることもあります。そのため巻いた床シートは、立てた状態で保管するのが原則です。立てておけば、材料には自らの重さしか掛からず、断面の形も保たれます。同じ理由で、壁紙のロールやアスファルトルーフィングも立てて保管します。

他の選択肢が不適切な理由
「袋詰めのセメントは、湿気を避けて積み重ねを10袋以下とした。」は正しく、セメントは空気中の水分を吸うと固まって使えなくなるため湿気を避ける必要があり、また積み過ぎると下の袋が圧力で締め固まってしまうため、段数の上限が定められているからです。「板ガラスは、乾燥した場所に立てた状態で保管して管理した。」も正しく、ガラスは平積みにすると自重で割れやすく、また湿気が残ると重なった面の間で焼けと呼ばれる変質が生じるからです。「高力ボルトは、包装を解かずに乾燥した場所に保管して管理した。」も正しく、高力ボルトは摩擦によって力を伝える接合に用いるため、錆や汚れによって摩擦の状態が変わることを避ける必要があり、施工の直前まで開封しないのが原則だからです。

試験の罠
保管の姿勢は「巻いたもの、板状のものは立てる」が原則です。例外はALCパネルなどの平積みが認められている材料で、その場合も積み上げの高さに制限がある点まで押さえます。
問55-2

工事現場における材料の保管に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  • ①ALCパネルは、平積みとして積み上げの高さを1m以下とする。
  • ②押出成形セメント板は、平積みとして高く積み重ねて保管をする。
  • ③アスファルトルーフィングは、巻いたまま横に倒して積んで保管する。
  • ④型枠用の合板は、直射日光に当てて十分に乾燥させて保管する。
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正解 ①ALCパネルは、平積みとして積み上げの高さを1m以下とする。
解説
ALCパネルは、軽量な気泡コンクリートの板で、欠けや割れが生じやすい材料です。この材料は例外的に平積みが認められていますが、高く積み上げると下段のパネルが上段の重量を受けて割れるため、1段の積み上げの高さを1m以下とし、さらに全体でも2段まで、すなわち総高さ2m以下とすることが標準とされています。あわせて、下に敷く角材の位置をそろえ、各段で同じ位置に来るようにして、局部的な力が加わらないようにします。平積みが認められるかどうかは材料ごとに異なり、認められる場合であっても高さの制限を守ることが前提になります。積み方の原則は、その材料が弱い方向に力を加えないことです。

他の選択肢が不適切な理由
「押出成形セメント板は、平積みとして高く積み重ねて保管をする。」は誤りで、この板は屋内の平らで乾燥した場所に台木を敷いて平積みとしますが、積み上げの高さは台木を含めて1m以下に制限されており、高く積み重ねれば下段の板が上の重量で割れるからです。「アスファルトルーフィングは、巻いたまま横に倒して積んで保管する。」も誤りで、巻いた状態のまま横に倒して積むと、下になったものが上の重量で押しつぶされて断面が変形し、くせが付いて張り付けたときに浮きやしわを生じるため、立てた状態で保管する必要があるからです。「型枠用の合板は、直射日光に当てて十分に乾燥させて保管する。」も誤りで、直射日光に当てると合板の表面が劣化し、コンクリートを打ち込んだときに表面の硬化不良や変色を招くため、シートで覆って日射を避ける必要があるからです。

試験の罠
ALCパネルの平積みは、1段の高さ1m以下で2段まで、総高さ2m以下という数値が定番です。押出成形セメント板も平積みですが、こちらは高さ1m以下という一段の制限だけである点を、あわせて覚えてください。
問65-2

材料の保管における安全および品質の管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①塗料の保管の場所は、換気を行い火気の使用を禁止して管理した。
  • ②断熱用の発泡材は、直射日光と火気を避けて保管して管理した。
  • ③シーリング材は、高温になる場所に置いて硬化を早めて管理した。
  • ④溶接棒は、吸湿を避けるため乾燥した場所に保管して管理した。
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正解 ③シーリング材は、高温になる場所に置いて硬化を早めて管理した。
解説
シーリング材は、使用する時点で所定の粘度と可使時間を備えていることが前提の材料です。高温の場所に保管すると、容器の中で反応が進んで粘りが増し、注入しにくくなるほか、性能が発揮されないまま硬化してしまいます。とくに一成分形のものは、空気中の水分と反応して硬化する仕組みのため、高温と湿気は品質を確実に損ないます。したがってシーリング材は、直射日光と高温多湿を避け、風通しのよい場所で保管し、あわせて有効期限を確認して古いものから使うのが原則です。硬化を早めるという目的で高温にさらすことは、材料の性能を保管の段階で失わせる行為であり、品質管理の考え方に反します。

他の選択肢が不適切な理由
「塗料の保管の場所は、換気を行い火気の使用を禁止して管理した。」は正しく、塗料には引火性の溶剤が含まれ、蒸気が滞留すると引火や中毒の危険があるため、換気と火気の管理が必須だからです。「断熱用の発泡材は、直射日光と火気を避けて保管して管理した。」も正しく、発泡系の断熱材は紫外線によって表面が劣化し、また可燃性であるため火気に近い場所での保管は火災の原因となるからです。「溶接棒は、吸湿を避けるため乾燥した場所に保管して管理した。」も正しく、被覆の部分が湿気を吸うと溶接部に気孔が生じて欠陥となるため、乾燥した状態を保つことが溶接の品質の前提となるからです。

試験の罠
材料の保管は「性能を保つ条件を崩さない」が原則です。高温、湿気、直射日光、火気は多くの材料に共通する管理項目であり、これらを積極的に与える記述はほぼ誤りになります。
問75-2

施工計画における関係者の役割に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①施工要領書は、その工事を担当する専門工事業者が作成した。
  • ②施工図は、設計者が作成して施工者へ引き渡すこととした。
  • ③施工計画書の作成は、現場の責任者が中心となって行った。
  • ④品質の管理の体制は、施工計画書の中に明記して定めた。
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正解 ②施工図は、設計者が作成して施工者へ引き渡すこととした。
解説
設計図は、建物としてどのようなものを造るのかを示す図面であり、設計者が作成します。これに対して施工図は、その設計をどのような手順と寸法で実際に造り上げるのかを示す図面であり、作成するのは施工者です。鉄筋の詳細な納まり、型枠の割付け、開口部の取合いなどは、実際に使う材料や施工の方法によって決まる事項であり、施工の方法を選ぶ立場にある施工者でなければ描くことができません。施工者が作成した施工図は、設計の意図に合っているかを設計者または監理者が確認します。設計者が施工図を作成して引き渡すという記述は、設計と施工の役割の区分を取り違えたものです。

他の選択肢が不適切な理由
「施工要領書は、その工事を担当する専門工事業者が作成した。」は正しく、施工要領書は個々の作業の具体的な手順や使用する機械、品質の確認の方法を定めるものであり、実際に作業を行う専門工事業者が作成し、元請がその内容を確認するのが標準だからです。「施工計画書の作成は、現場の責任者が中心となって行った。」も正しく、施工計画はその現場の条件に即して立てるものであり、現場を統括する責任者が中心となって関係者の意見を取りまとめる必要があるからです。「品質の管理の体制は、施工計画書の中に明記して定めた。」も正しく、誰がどの段階で何を確認するのかを定めておかなければ、品質の管理が個人の判断に委ねられてしまうからです。

試験の罠
設計図は設計者、施工図と施工計画書は施工者、施工要領書は専門工事業者、という作成の主体を整理して覚えます。監理者は承認や確認をする立場であって、作成する立場ではない点も要点です。
問85-2

工事現場における資材の搬入および揚重の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①資材の搬入は、揚重の能力を考えずに一度にまとめて行った。
  • ②搬入の時間は、周辺の交通の状況を考えて時間帯を調整した。
  • ③揚重の計画では、資材の重量と作業の半径から機種を選定した。
  • ④荷取りの場所は、各階に確保して仮置きの位置を計画した。
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正解 ①資材の搬入は、揚重の能力を考えずに一度にまとめて行った。
解説
搬入と揚重は一続きの流れであり、どちらか一方だけを効率化しても全体の効率は上がりません。揚重の能力を超えて資材を搬入すると、荷を降ろす場所に材料が滞留し、通路や作業の場所をふさいで他の作業を妨げます。滞留した材料は雨に濡れたり、他の作業の邪魔になって何度も移動させられたりして、品質の低下と余分な手間を生みます。さらに、狭い場所に材料が積み上がることは、つまずきや倒壊による災害の原因にもなります。したがって搬入の計画は、揚重の能力と取付けの進み具合に合わせて必要な量を必要な時期に届ける形とし、現場に滞留を作らないようにするのが原則です。

他の選択肢が不適切な理由
「搬入の時間は、周辺の交通の状況を考えて時間帯を調整した。」は正しく、通勤や通学の時間帯に大型車両を出入りさせれば周辺の交通に支障を与え、また安全上の危険も高まるため、時間帯の調整は搬入計画の基本だからです。「揚重の計画では、資材の重量と作業の半径から機種を選定した。」も正しく、揚重機の能力は荷の重量だけでなく、その荷をどれだけ離れた位置で扱うかによって変わるため、両方を組み合わせて機種を決める必要があるからです。「荷取りの場所は、各階に確保して仮置きの位置を計画した。」も正しく、揚重した資材を受け取って一時的に置く場所がなければ揚重の作業が止まってしまうため、各階に荷取りの場所を計画しておく必要があるからです。

試験の罠
搬入計画は「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ」という考え方で判断できます。まとめて搬入すれば効率がよいという直感は、現場の面積という制約を無視した誤りになります。
問95-2

工事の記録および報告に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①隠ぺいされる部分は、施工の状況を写真で記録して残した。
  • ②設計図書に定めのない事項は、記録を残さず口頭で処理した。
  • ③検査の記録は、日付と検査した者を明記したうえで保管した。
  • ④工事の記録は、後から確認できるように整理して保管した。
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正解 ②設計図書に定めのない事項は、記録を残さず口頭で処理した。
解説
工事を進めるなかでは、設計図書に定めのない事項について、監理者や設計者と協議して決めることが必ず生じます。こうした協議の結果は、その後の施工の根拠となり、また完成後に相違が指摘されたときに、どのような判断でそうしたのかを説明する唯一の材料になります。口頭で処理してしまうと、当事者の記憶が食い違ったときに確かめる手段がなく、責任の所在も不明確になります。担当者が交代した場合には、経緯そのものが失われます。したがって、協議によって決めた事項は必ず書面に記録し、関係者が内容を確認したうえで保管しなければなりません。記録を残すことは、事後の紛争を防ぐための最も基本的な管理です。

他の選択肢が不適切な理由
「隠ぺいされる部分は、施工の状況を写真で記録して残した。」は正しく、鉄筋の配筋や地中の埋設物のように、後の工程で覆われて見えなくなる部分は、写真によってしか適正に施工されたことを示せないからです。「検査の記録は、日付と検査した者を明記したうえで保管した。」も正しく、いつ誰が確認したのかが記載されていなければ、記録としての証明の力をもたないからです。「工事の記録は、後から確認できるように整理して保管した。」も正しく、記録は必要なときに取り出して確認できて初めて意味をもち、整理されていない記録は存在しないのと変わらないからです。

試験の罠
記録に関する設問は「後から確認できるか」という観点で判断できます。隠ぺい部の写真、協議の記録、検査の記録の三つは、いずれも後から検証する手段が他にないため、記録が必須となる代表例です。
問105-2

施工計画と工事の準備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①施工計画は、現場の条件が変わった場合にも当初のまま維持した。
  • ②着手に先立って、設計図書の内容の相互の矛盾の有無を確認した。
  • ③施工の困難な部分は、事前に検討して対策を計画に反映させた。
  • ④計画した工法は、試験の施工によって成立するかを確かめた。
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正解 ①施工計画は、現場の条件が変わった場合にも当初のまま維持した。
解説
施工計画は、立案した時点で把握できていた条件に基づく想定です。工事が進むなかでは、地盤の状態が想定と異なっていた、近隣との調整によって作業の時間帯が変わった、資材の入手の時期が変わったといった条件の変化が必ず生じます。これらの変化を反映せずに当初の計画を維持すれば、計画と実際の作業が食い違い、工程の遅れや品質の不良、さらには安全上の問題を招きます。したがって施工計画は、条件の変化に応じて見直し、必要な手続きを経て変更するべきものです。計画を守ることが目的なのではなく、計画によって工事を適切に進めることが目的であるという点を取り違えてはなりません。

他の選択肢が不適切な理由
「着手に先立って、設計図書の内容の相互の矛盾の有無を確認した。」は正しく、設計図書は複数の書類で構成されるため記載が食い違うことがあり、これを着手前に確認して疑義を照会しておかなければ、施工の後に手戻りが生じるからです。「施工の困難な部分は、事前に検討して対策を計画に反映させた。」も正しく、難易度の高い部分ほど工程と品質に与える影響が大きく、あらかじめ方法を定めておかなければ現場で行き詰まるからです。「計画した工法は、試験の施工によって成立するかを確かめた。」も正しく、新しい工法や条件の厳しい部位では、実際に試してみることでしか確認できない事項があり、本施工の前に検証しておく必要があるからです。

試験の罠
計画は変更しないことが望ましいという発想は誤りです。条件の変化に応じて見直し、監理者の承認を得て変更するという手続きの側が問われます。あわせて、変更した内容を関係者へ確実に伝えることも管理の要素になります。

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