アスファルト防水工事の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①立上りの部分のルーフィングは、平場の部分とは別に張り付けることとする。
- ②保護コンクリートの伸縮目地は、縦横とも3m程度の間隔で設けていく。
- ③ルーフィングは、屋根の水上から水下へ向かって順に張り付けることとする。
- ④ルーフィングの重ね幅は、長手も幅も100mm以上を確保していく。
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防水層は、上の層が下の層に覆いかぶさる形に重ねてはじめて、水が重ね目から内部へ入り込まなくなります。屋根の上を流れる水は必ず水上から水下へ向かいますから、水下の側を先に張り、その上へ水上の側を重ねていけば、水は重ね目の上を乗り越えて流れ去ります。逆に水上から張り始めて水下側を上に重ねると、重ね目が水を受け止める向きの段差となり、流れてきた水がその口へ入り込んでしまいます。これはうろこの向きを逆にするようなもので、いくら重ね幅を確保しても漏水を防げません。屋根ふきの下葺き材、金属板の重ね、シート防水の重ねなど、水を流して処理するあらゆる部位に共通する原則です。したがって、水上から水下へ張るという記述は、重ね合わせの向きを逆にしており不適当です。
他の選択肢が不適切な理由
「ルーフィングの重ね幅は、長手も幅も100mm以上を確保していく。」は正しく、重ねが不足すると、施工のずれや温度による伸縮によって重ね目が開き、そこが漏水の経路になるからです。「立上りの部分のルーフィングは、平場の部分とは別に張り付けることとする。」も正しく、立上りと平場を一枚で張ると入隅の部分で材料が突っ張って浮きやすく、また立上りでは自重で下がりやすいため、分けて張ったうえで重ね合わせるからです。「保護コンクリートの伸縮目地は、縦横とも3m程度の間隔で設けていく。」も正しく、保護コンクリートは温度によって伸び縮みし、目地がなければひび割れて防水層を傷めるため、間隔を定めて目地を入れるからです。
試験の罠
水下から水上へ、というのが張り進める向きです。屋根の下葺き材、金属板、シート防水のいずれも同じ向きになります。保護コンクリートの伸縮目地は、周辺の立上り際からおよそ600mmの位置にも設けることとされており、間隔とあわせて覚えてください。