山留め工事における掘削底面の異常とその対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①ヒービングは、砂質地盤で地下水が上向きに流れて土が湧き上がる現象である。
- ②ボイリングの対策としては、山留め壁の根入れを深くする方法が有効とされる。
- ③盤ぶくれは、掘削底面の下にある被圧した地下水によって底面が持ち上がる。
- ④ヒービングの対策としては、地盤の改良によりせん断強度を高める方法がある。
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掘削底面に生じる異常は、土質と水の関わり方によって三つに分けて理解する必要があります。ヒービングは、軟らかい粘性土の地盤で、山留め壁の外側にある土の重さが内側より大きくなり、その差によって土が壁の下を回り込むように押し出されて、掘削底面がふくれ上がる現象です。ここでは土のせん断強度の不足が原因であり、地下水の流れは主役ではありません。これに対して、砂質の地盤で地下水が下から上へ流れ、その流れの力が砂の重さを上回って砂が水と一緒に噴き上がる現象がボイリングです。記述はヒービングにボイリングの説明を当てはめており、土質も原因も取り違えています。対策も、ヒービングでは地盤改良や根入れを固い層まで届かせること、ボイリングでは水位を下げることや根入れを長くして水の道のりを伸ばすことというように、原因に応じて異なります。
他の選択肢が不適切な理由
「ボイリングの対策としては、山留め壁の根入れを深くする方法が有効とされる。」は正しく、根入れを深くすると水が壁の下を回り込む経路が長くなり、上向きの流れの勢いが弱まるからです。「盤ぶくれは、掘削底面の下にある被圧した地下水によって底面が持ち上がる。」も正しく、不透水の層の下に圧力の高い地下水があるとき、その水圧が上の土の重さを上回って底面全体を押し上げる現象だからです。「ヒービングの対策としては、地盤の改良によりせん断強度を高める方法がある。」も正しく、ヒービングの原因が粘性土のせん断強度の不足にある以上、その強度を高めることが直接の対策になるからです。
試験の罠
ヒービングは粘性土でせん断強度の不足、ボイリングは砂質土で上向きの浸透流、盤ぶくれは不透水層の下の被圧地下水です。土質と原因の組合せを入れ替えた選択肢が定番であり、三つを表にして整理しておくと確実に見分けられます。