2026年版・5-17

応用能力:躯体工事の施工の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、応用能力:躯体工事の施工に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-17

山留め工事における掘削底面の異常とその対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ヒービングは、砂質地盤で地下水が上向きに流れて土が湧き上がる現象である。
  • ②ボイリングの対策としては、山留め壁の根入れを深くする方法が有効とされる。
  • ③盤ぶくれは、掘削底面の下にある被圧した地下水によって底面が持ち上がる。
  • ④ヒービングの対策としては、地盤の改良によりせん断強度を高める方法がある。
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正解 ①ヒービングは、砂質地盤で地下水が上向きに流れて土が湧き上がる現象である。
解説
掘削底面に生じる異常は、土質と水の関わり方によって三つに分けて理解する必要があります。ヒービングは、軟らかい粘性土の地盤で、山留め壁の外側にある土の重さが内側より大きくなり、その差によって土が壁の下を回り込むように押し出されて、掘削底面がふくれ上がる現象です。ここでは土のせん断強度の不足が原因であり、地下水の流れは主役ではありません。これに対して、砂質の地盤で地下水が下から上へ流れ、その流れの力が砂の重さを上回って砂が水と一緒に噴き上がる現象がボイリングです。記述はヒービングにボイリングの説明を当てはめており、土質も原因も取り違えています。対策も、ヒービングでは地盤改良や根入れを固い層まで届かせること、ボイリングでは水位を下げることや根入れを長くして水の道のりを伸ばすことというように、原因に応じて異なります。

他の選択肢が不適切な理由
「ボイリングの対策としては、山留め壁の根入れを深くする方法が有効とされる。」は正しく、根入れを深くすると水が壁の下を回り込む経路が長くなり、上向きの流れの勢いが弱まるからです。「盤ぶくれは、掘削底面の下にある被圧した地下水によって底面が持ち上がる。」も正しく、不透水の層の下に圧力の高い地下水があるとき、その水圧が上の土の重さを上回って底面全体を押し上げる現象だからです。「ヒービングの対策としては、地盤の改良によりせん断強度を高める方法がある。」も正しく、ヒービングの原因が粘性土のせん断強度の不足にある以上、その強度を高めることが直接の対策になるからです。

試験の罠
ヒービングは粘性土でせん断強度の不足、ボイリングは砂質土で上向きの浸透流、盤ぶくれは不透水層の下の被圧地下水です。土質と原因の組合せを入れ替えた選択肢が定番であり、三つを表にして整理しておくと確実に見分けられます。
問25-17

場所打ちコンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①オールケーシング工法では、ケーシングチューブによって孔壁を保護していく。
  • ②アースドリル工法では、孔内の水位を地下水位より2m以上高い状態に保つ。
  • ③アースドリル工法では、安定液を用いて孔壁に膜をつくり崩壊を防いでいく。
  • ④二次スライム処理は、コンクリートを打ち込む直前に行うこととされている。
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正解 ②アースドリル工法では、孔内の水位を地下水位より2m以上高い状態に保つ。
解説
場所打ちコンクリート杭では、掘った孔の壁が崩れないようにする方法が工法ごとに異なります。アースドリル工法は、表層にケーシングを建て込んで浅い部分を保護したうえで、それより深い部分は安定液、いわゆるベントナイト泥水を満たし、その泥水が孔壁に薄い膜をつくることと、泥水そのものの重さによって壁を押さえます。これに対し、孔内の水位を地下水位より2m以上高く保つことによって、水の圧力の差で孔壁を押さえる方法をとるのはリバースサーキュレーション工法です。この工法では清水に近い水を使い、膜による保護をあてにしないため、水位差そのものが孔壁の安定を担う唯一の手段となります。したがって、この管理をアースドリル工法のものとする記述は、工法ごとの原理を取り違えています。

他の選択肢が不適切な理由
「オールケーシング工法では、ケーシングチューブによって孔壁を保護していく。」は正しく、掘削する深さの全長にわたって鋼管を回転しながら圧入し、物理的に壁を支える工法だからです。「アースドリル工法では、安定液を用いて孔壁に膜をつくり崩壊を防いでいく。」も正しく、これがこの工法における孔壁保護の原理そのものだからです。「二次スライム処理は、コンクリートを打ち込む直前に行うこととされている。」も正しく、掘削の後に時間が経つと孔底へ土砂が沈降して堆積し、これがコンクリートと支持層の間に挟まると杭の先端支持力が大きく損なわれるため、打込みの直前に取り除く必要があるからです。

試験の罠
孔壁の保護は、オールケーシングが鋼管、アースドリルが安定液、リバースが水位差による圧力という三通りです。2m以上という水位差はリバース工法の数値であり、アースドリルへ結び付ける出題が定番です。スライム処理は掘削直後の一次と打込み直前の二次の二段である点も要点です。
問35-17

型枠および型枠支保工の存置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①柱や壁のせき板は、圧縮強度が5N/mm2以上であれば取り外せる。
  • ②せき板の存置期間は、圧縮強度の代わりに材齢の日数で定める方法も認められる。
  • ③スラブ下の支保工は、圧縮強度が5N/mm2以上であれば取り外せる。
  • ④支保工の取外しにあたっては、施工中の荷重に対する安全を確認することとする。
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正解 ③スラブ下の支保工は、圧縮強度が5N/mm2以上であれば取り外せる。
解説
せき板と支保工では、取り外してよいと判断する強度の水準がまったく異なります。柱や壁や梁の側面のせき板は、外してもコンクリートが自らの形を保っていればよく、その後の養生に耐えられれば足りるため、圧縮強度が5N/mm2以上あれば取り外せます。これらの面には、部材の自重も上の階の荷重もかからないからです。これに対してスラブ下や梁下の支保工は、外した瞬間からコンクリートが自らの重さと、その上に載る作業の荷重を曲げによって支えなければなりません。そのため、圧縮強度が設計基準強度の85%以上、または12N/mm2以上であり、かつ施工中の荷重に対して構造計算により安全であることを確認したうえで取り外すこととされています。5N/mm2で支保工を外せば、たわみやひび割れを残したまま供用することになってしまいます。

他の選択肢が不適切な理由
「柱や壁のせき板は、圧縮強度が5N/mm2以上であれば取り外せる。」は正しく、鉛直な面のせき板についてはこの強度が基準として定められているからです。「せき板の存置期間は、圧縮強度の代わりに材齢の日数で定める方法も認められる。」も正しく、平均気温が20℃以上であれば4日、10℃以上20℃未満であれば6日というように、気温に応じた日数によることも認められているからです。「支保工の取外しにあたっては、施工中の荷重に対する安全を確認することとする。」も正しく、強度の値を満たすだけでなく、実際に載る荷重に対して安全であることの確認が求められているからです。

試験の罠
せき板は5N/mm2、スラブ下の支保工は設計基準強度の85%または12N/mm2です。5と12の取り違えが定番です。せき板は形を保てばよい、支保工は荷重を支えられなければならない、という違いで理屈から結び付けてください。
問45-17

コンクリートの打込みおよび締固めに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①棒形振動機は、先に打ち込んだ層へ100mm程度挿入して締め固める。
  • ②柱や壁を打ち込んだ後、沈みが落ち着いてから梁やスラブを打ち込んでいく。
  • ③外気温が25℃未満のときの打重ねの時間の間隔は、150分以内を限度とする。
  • ④外気温が25℃以上のときの打重ねの時間の間隔は、150分以内を限度とする。
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正解 ④外気温が25℃以上のときの打重ねの時間の間隔は、150分以内を限度とする。
解説
打重ねの時間の間隔とは、先に打ち込んだコンクリートの上に次の層を打ち込むまでに空いてよい時間のことです。この間隔が長くなりすぎると、下の層がすでに固まり始めていて振動機で一体化できず、境目に打継ぎのような弱い面が残ります。これをコールドジョイントといい、そこから水が浸入して鉄筋を腐食させ、構造上も弱点となります。硬化の進み方は温度が高いほど速いため、限度も温度によって分けられており、外気温が25℃未満のときは150分以内、25℃以上のときは120分以内とされています。25℃以上でも150分としてしまうと、暑い時期にこそ短くすべき間隔をそのままにすることになり、コールドジョイントが生じる危険が高まります。打込みの計画では、この限度に収まるよう打込みの区画の大きさと運搬の台数を決めます。

他の選択肢が不適切な理由
「棒形振動機は、先に打ち込んだ層へ100mm程度挿入して締め固める。」は正しく、下の層まで振動を届かせることで二つの層が混ざり合い、境目のない一体のコンクリートになるからです。「柱や壁を打ち込んだ後、沈みが落ち着いてから梁やスラブを打ち込んでいく。」も正しく、柱や壁は高さがあるため打込み後に材料が沈み、その途中で上を打つと梁との境目にひび割れが生じるからです。「外気温が25℃未満のときの打重ねの時間の間隔は、150分以内を限度とする。」も正しく、これが標準として定められている値だからです。

試験の罠
打重ねの間隔は25℃未満で150分、25℃以上で120分です。一方、練混ぜから打込み終了までの時間は25℃未満で120分、25℃以上で90分であり、二組の数値が紛らわしいところです。どちらも境目は25℃であり、暑いほうが30分短いという構造で覚えるとよいでしょう。
問55-17

鉄骨の耐火被覆の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①吹付けロックウールの湿式工法は、乾式工法に比べて粉じんの発生が少ない。
  • ②巻付け工法は、耐火材のフェルトを専用のピンで鉄骨へ留め付けるものである。
  • ③発泡性の耐火塗料は、火災時に塗膜が溶け落ちて鋼材の温度上昇を抑えていく。
  • ④吹付けの厚さの確認には、被覆材へ差し込む確認ピンを用いることとされている。
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正解 ③発泡性の耐火塗料は、火災時に塗膜が溶け落ちて鋼材の温度上昇を抑えていく。
解説
発泡性の耐火塗料は、火災の熱を受けると塗膜そのものがふくれ上がり、もとの厚さの数十倍にもなる炭化した泡の層をつくります。この泡の層が熱を伝えにくい断熱材として働き、鋼材へ達する熱を遅らせるのです。塗膜が溶け落ちるのではありません。鋼材は500℃から600℃に達すると強度がおよそ半分まで落ちるため、耐火被覆に求められるのは、必要な時間だけ鋼材の温度をこの水準より低く保つことです。溶け落ちてしまえば鋼材はむき出しになり、温度は一気に上がります。耐火塗料が使われるのは、鉄骨の形をそのまま見せたい場合で、薄い塗膜で耐火性能が得られる点が利点ですが、その性能は発泡による断熱層に依存しています。

他の選択肢が不適切な理由
「吹付けロックウールの湿式工法は、乾式工法に比べて粉じんの発生が少ない。」は正しく、湿式ではセメントスラリーとロックウールを同時に吹き付けるため、繊維が湿った状態で付着し、飛散が抑えられるからです。「巻付け工法は、耐火材のフェルトを専用のピンで鉄骨へ留め付けるものである。」も正しく、あらかじめ工場で厚さを管理して製造した高耐熱ロックウールのフェルトを鉄骨に巻き、溶接したピンとワッシャーで押さえる工法だからです。吹付けと違って粉じんがほとんど出ず、乾燥のための養生も要りません。「吹付けの厚さの確認には、被覆材へ差し込む確認ピンを用いることとされている。」も正しく、吹き付けた被覆は表面から厚さを目で測ることができず、細い針状のピンを鋼材面まで差し込んで実際の厚さを読み取る必要があるからです。

試験の罠
耐火被覆は、吹付け、巻付け、成形板張り、耐火塗料の4つに整理すると覚えやすくなります。粉じんが少ないのは湿式と巻付け、厚さの確認は確認ピン、耐火塗料は発泡して断熱層をつくる、という3点が繰り返し問われます。
問65-17

鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①一般の高力ボルト接合部の仮ボルトは、1群のボルト数の3分の1程度とする。
  • ②高力ボルトと溶接を併用する混用接合部の仮ボルトは、3分の1程度とする。
  • ③建入れ直しは、建方の進行にあわせて区画ごとに行うこととされているものである。
  • ④仮ボルトには本締めに用いる高力ボルトを転用してはならないものとされる。
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正解 ②高力ボルトと溶接を併用する混用接合部の仮ボルトは、3分の1程度とする。
解説
仮ボルトは、部材を所定の位置に保ち、本締めや溶接が終わるまでの間、建方中の荷重や風の力に耐えさせるためのものです。必要な本数は接合部の種類によって異なり、一般の高力ボルト接合部では1群のボルト数の3分の1程度かつ2本以上とされているのに対し、高力ボルトと溶接を併用する混用接合部や、これに準ずる接合部では、2分の1程度かつ2本以上とされています。混用接合部でより多くの本数が求められるのは、溶接が完了するまでの期間が長くなり、その間ずっと仮ボルトだけで部材の位置と姿勢を保たなければならないうえ、溶接の熱によるひずみに抵抗する必要もあるためです。3分の1程度で足りるとすると、溶接の途中で部材がずれ、精度の確保が難しくなるばかりか、建方中の倒壊の危険も生じます。

他の選択肢が不適切な理由
「一般の高力ボルト接合部の仮ボルトは、1群のボルト数の3分の1程度とする。」は正しく、本締めまでの短い期間を支えるための本数として、かつ2本以上という条件とともに定められているからです。「建入れ直しは、建方の進行にあわせて区画ごとに行うこととされているものである。」も正しく、建物全体を組み上げてから一度に直そうとしても、蓄積したひずみは戻らず、区画ごとに直しながら進める必要があるからです。「仮ボルトには本締めに用いる高力ボルトを転用してはならないものとされる。」も正しく、仮ボルトは締めたり緩めたりを繰り返すため、ねじの部分が損傷して所定の張力を導入できなくなるからです。

試験の罠
一般部は3分の1程度、混用接合部と併用継手は2分の1程度、いずれもかつ2本以上です。分数の入れ替えが定番です。仮ボルトに中ボルトを用い、本締め用の高力ボルトは転用しないという点も、あわせて問われやすい論点です。
問75-17

鉄骨の高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①摩擦面は、自然に発生した赤さびの状態か、ブラスト処理をした状態とする。
  • ②ボルト孔の中心線の食違いが2mm以下のときは、リーマ掛けで修正する。
  • ③高力ボルトと溶接を併用する継手では、溶接を先に行ってからボルトを締める。
  • ④摩擦面には、塗料や油や浮きさびが付着しないように管理することとされている。
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正解 ③高力ボルトと溶接を併用する継手では、溶接を先に行ってからボルトを締める。
解説
高力ボルト摩擦接合は、ボルトを強く締め付けて板と板を圧着させ、その面に生じる摩擦によって力を伝える仕組みです。したがって、板どうしがすき間なく密着していることが性能の前提となります。ここで溶接を先に行うと、溶接した部分が冷えて縮むために板が反り、接合部にすき間やひずみが生じます。その状態でボルトを締めても、板が密着せず所定の摩擦力が得られません。逆に、高力ボルトを先に締めておけば、板が一体となった状態で溶接することになり、溶接による変形が拘束されて小さく抑えられます。このため、高力ボルトと溶接を併用する継手では、原則として高力ボルトを先に締め付け、その後に溶接を行うこととされています。施工の順序が接合部の性能を直接左右する典型的な例です。

他の選択肢が不適切な理由
「摩擦面は、自然に発生した赤さびの状態か、ブラスト処理をした状態とする。」は正しく、摩擦の伝達には表面の粗さが必要であり、つるつるの黒皮のままでは所定のすべり係数が得られないからです。「ボルト孔の中心線の食違いが2mm以下のときは、リーマ掛けで修正する。」も正しく、わずかな食違いであれば孔を削って広げることで対応でき、これを超える場合は別の方法を検討することとされているからです。「摩擦面には、塗料や油や浮きさびが付着しないように管理することとされている。」も正しく、これらは面の間で滑る層となり、摩擦の力を大きく低下させるからです。

試験の罠
高力ボルトが先、溶接が後という順序が要点です。理由は、溶接の収縮によるひずみを、締め付けた板の一体性で拘束するためです。摩擦面のすべり係数は0.45以上を確保することとされており、赤さびとブラストという二つの処理の方法もあわせて覚えてください。
問85-17

寒中コンクリートおよび暑中コンクリートの施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①寒中コンクリートは、日平均気温が4℃以下となる時期に施工する場合に適用する。
  • ②寒中コンクリートの打込み時の温度は、5℃以上20℃以下となるように管理する。
  • ③暑中コンクリートは、日平均気温の平年値が25℃を超える時期に適用していく。
  • ④寒中コンクリートの初期養生は、圧縮強度が3N/mm2に達するまで継続する。
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正解 ④寒中コンクリートの初期養生は、圧縮強度が3N/mm2に達するまで継続する。
解説
寒中コンクリートの初期養生の目的は、コンクリートが凍結して内部の組織が壊れる初期凍害を防ぐことにあります。打ち込んだ直後のコンクリートには練混ぜ水が多く残っており、これが凍ると体積が膨らんで組織を押し広げ、いったん壊れた組織はその後どれだけ養生しても回復しません。そこで、凍結に耐えられる程度まで組織が緻密になるまでは、コンクリートの温度を5℃以上に保つ必要があります。その目安となる強度が圧縮強度5N/mm2であり、これに達するまで初期の養生を続けることとされています。3N/mm2では、まだ組織が十分に緻密でなく、初期凍害を受ける危険が残ります。なお、この5N/mm2という値は、鉛直な面のせき板を取り外してよい強度と同じ数値ですが、両者は目的の異なる別の基準です。

他の選択肢が不適切な理由
「寒中コンクリートは、日平均気温が4℃以下となる時期に施工する場合に適用する。」は正しく、この気温を下回ると凍結のおそれが現実のものとなるため、適用の目安として定められているからです。「寒中コンクリートの打込み時の温度は、5℃以上20℃以下となるように管理する。」も正しく、低すぎれば凍結し、高すぎると急な温度の低下によってひび割れを生じるため、上下の限度が定められているからです。「暑中コンクリートは、日平均気温の平年値が25℃を超える時期に適用していく。」も正しく、この気温を超えると凝結が急速に進み、施工の困難さと強度の低下が現れるからです。

試験の罠
寒中は日平均気温4℃以下、暑中は日平均気温の平年値25℃超という適用の境目を覚えます。初期養生は5N/mm2に達するまで5℃以上、という二つの5が並ぶ点も紛らわしいので、強度と温度を分けて整理してください。
問95-17

鉄筋の加工および組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①隣り合う鉄筋の重ね継手は、同じ断面の位置にそろえて配置するのが原則である。
  • ②鉄筋のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍以上を確保する必要があるとされる。
  • ③鉄筋のあきは、鉄筋の呼び名の数値の1.5倍以上を確保する必要があるとされる。
  • ④鉄筋のあきは、25mm以上を確保する必要があるものとされている。
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正解 ①隣り合う鉄筋の重ね継手は、同じ断面の位置にそろえて配置するのが原則である。
解説
重ね継手は、二本の鉄筋を重ねてコンクリートを介して力を伝える継手ですから、その位置では鉄筋の断面が実質的に不連続となり、周囲のコンクリートに大きな付着の力がかかります。隣り合う鉄筋の継手を同じ断面の位置にそろえると、その断面に継手が集中し、力の伝達が一箇所に偏るうえ、鉄筋が密に並ぶことでコンクリートが回り込まず、充填の不良も招きます。そのため、隣り合う継手の位置は互いにずらして配置するのが原則であり、継手の長さの2分の1程度、あるいは1.5倍程度ずらすといった方法がとられます。こうすることで、どの断面をとっても継手が集中せず、力が滑らかに伝わります。継手の位置は、あわせて応力の小さい位置を選ぶことも原則とされており、位置の選び方が二重に問われる論点です。

他の選択肢が不適切な理由
「鉄筋のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍以上を確保する必要があるとされる。」は正しく、粗骨材が鉄筋の間を通り抜けられなければ、その位置でコンクリートが充填されず空洞が残るからです。「鉄筋のあきは、鉄筋の呼び名の数値の1.5倍以上を確保する必要があるとされる。」も正しく、鉄筋がコンクリートへ力を伝えるには、周囲に十分な厚さのコンクリートが必要だからです。「鉄筋のあきは、25mm以上を確保する必要があるものとされている。」も正しく、細い鉄筋の場合に絶対値としての最小のすき間を確保するための条件だからです。

試験の罠
鉄筋のあきは、呼び名の数値の1.5倍、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mmという三つの値のうち最も大きい値以上とします。いずれか一つを満たせばよいのではなく、最大値を採るという点が要点です。重ね継手はずらす、応力の小さい位置に設ける、という二つの原則もあわせて押さえてください。
問105-17

耐震改修工事における躯体の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①増設する壁と既存の躯体との接合面は、目荒らしを行って一体性を高めていく。
  • ②接着系のあと施工アンカーは、穿孔した孔内の切粉を残したまま注入していく。
  • ③金属系のあと施工アンカーは、所定の深さまで確実に打ち込むこととされている。
  • ④あと施工アンカーの位置は、既存の鉄筋を切断しないよう探査してから定める。
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正解 ②接着系のあと施工アンカーは、穿孔した孔内の切粉を残したまま注入していく。
解説
接着系のあと施工アンカーは、穿孔した孔に接着剤を充填し、そこへアンカー筋を挿入して、硬化した接着剤がコンクリートとアンカー筋の双方に付着することで力を伝える仕組みです。したがって、性能を決めるのは接着剤とコンクリートの孔壁との付着であり、その面が汚れていれば力は伝わりません。穿孔によって生じた切粉は、細かい粉となって孔壁に張り付いており、これを残したまま接着剤を注入すると、粉の層が接着剤とコンクリートの間に挟まって、あたかも粉の上に貼り付けたような状態になってしまいます。実験でも、清掃の有無によって引抜きの耐力が大きく変わることが知られています。そのため、ブラシで孔壁をこすり、圧縮空気で粉を吹き飛ばす清掃を、規定の回数繰り返してから注入することが求められます。

他の選択肢が不適切な理由
「増設する壁と既存の躯体との接合面は、目荒らしを行って一体性を高めていく。」は正しく、平滑な既存面のままでは新旧のコンクリートがずれやすく、凹凸をつけることで機械的なかみ合わせによる抵抗が得られるからです。「金属系のあと施工アンカーは、所定の深さまで確実に打ち込むこととされている。」も正しく、この方式は先端の拡張部が孔の内側を押し広げて固定される仕組みであり、打込みが不足すると拡張が十分に行われないからです。「あと施工アンカーの位置は、既存の鉄筋を切断しないよう探査してから定める。」も正しく、既存の鉄筋を切ってしまえば元の構造の耐力を損ない、補強したつもりが弱体化を招くからです。

試験の罠
接着系は孔内の清掃、金属系は所定の深さまでの打込みが、それぞれ性能を決める要点です。清掃を省いてよい、簡略化してよいと書いてあれば誤りとみてよいでしょう。施工後は引張試験によって耐力を確かめる点も、あわせて問われやすい論点です。

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