2026年版・5-15

安全管理:安全教育と作業主任者の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、安全管理:安全教育と作業主任者に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-15

労働安全衛生法上、安全衛生教育に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①雇入れ時の安全衛生教育は、日雇いやパートタイムの労働者には要しない。
  • ②労働者の作業の内容を変更したときも、安全衛生教育を行うこととされる。
  • ③危険または有害な業務に就かせるときは、特別の教育を行うこととされている。
  • ④建設業で新たに職長の職務につく者には、所定の事項の教育を行うこととする。
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正解 ①雇入れ時の安全衛生教育は、日雇いやパートタイムの労働者には要しない。
解説
労働安全衛生法第59条第1項は、事業者は労働者を雇い入れたときは、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行わなければならないと定めています。ここでいう労働者には、雇用の形態による区別がありません。日雇いであっても、短時間のパートタイムであっても、その現場で働く以上は同じ危険にさらされるからです。むしろ、就業の期間が短い労働者ほど現場の事情に不慣れであり、災害に遭う割合が高いことが統計からも知られています。したがって、雇用の形態を理由に教育を省くことは認められません。なお、令和6年4月からは、それまで業種によって一部の科目を省略できるとされていた規定が廃止され、すべての業種において全ての科目について教育を行うこととなりました。教育の内容は、その労働者が実際に従事する業務に即したものでなければなりません。

他の選択肢が不適切な理由
「労働者の作業の内容を変更したときも、安全衛生教育を行うこととされる。」は正しく、同条第2項が定めるとおり、担当する作業が変われば新たな危険にさらされるため、雇入れ時と同じ内容の教育が求められるからです。「危険または有害な業務に就かせるときは、特別の教育を行うこととされている。」も正しく、同条第3項により、労働安全衛生規則第36条に列挙された業務については特別の教育が義務づけられているからです。「建設業で新たに職長の職務につく者には、所定の事項の教育を行うこととする。」も正しく、同法第60条により、労働者を直接指導し監督する立場の者に対する教育が定められているからです。

試験の罠
雇入れ時教育は業種も雇用形態も問わず、すべての労働者が対象です。令和6年4月からは業種による科目の省略もできなくなった点が新しい論点です。教育の対象を、常用の労働者だけ、特定の業種だけ、と限定する記述は誤りとみてよいでしょう。
問25-15

労働安全衛生法上、作業主任者に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①作業主任者は、免許を受けた者または技能講習を修了した者から選任していく。
  • ②作業主任者は、その作業に従事する労働者の作業を直接指揮することとされる。
  • ③作業主任者の氏名と職務は、作業場の見やすい箇所に掲示することとする。
  • ④作業主任者は、その事業場で最も経験の長い者のうちから選任すればよい。
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正解 ④作業主任者は、その事業場で最も経験の長い者のうちから選任すればよい。
解説
労働安全衛生法第14条は、政令で定める危険または有害な作業について、都道府県労働局長の免許を受けた者、または都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任し、その者に労働者の指揮その他の事務を行わせなければならないと定めています。つまり資格は法令によって定められた客観的なものであり、経験の長さで代えることはできません。経験が長い者が必ずしも法令の要求する知識を持っているとは限らず、また誤った手順を長年続けてきた場合には、経験がかえって危険を固定させることもあります。免許や技能講習という統一された制度を通すことで、どの現場でも同じ水準の知識と判断力を持つ者が指揮に当たることが担保されます。あわせて、選任した作業主任者の氏名と行うべき職務を掲示することも義務づけられています。

他の選択肢が不適切な理由
「作業主任者の氏名と職務は、作業場の見やすい箇所に掲示することとする。」は正しく、労働安全衛生規則第18条により、誰が作業主任者であり何をする立場なのかを、その場で働く全員に分かるようにすることが求められているからです。「作業主任者は、免許を受けた者または技能講習を修了した者から選任していく。」も正しく、作業の種類ごとにどちらの資格によるかが政令で定められているからです。「作業主任者は、その作業に従事する労働者の作業を直接指揮することとされる。」も正しく、その場で指揮を執ることが職務の中心とされているからです。

試験の罠
資格は免許か技能講習のいずれかであり、経験年数、社内の資格、事業者の指名だけでは足りません。氏名だけでなく職務まで掲示することも要点です。作業主任者は現場で直接指揮する立場であり、離れた場所から指示するのでは職務を果たしたことになりません。
問35-15

労働安全衛生法令上、作業主任者を選任すべき作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①つり足場、張出し足場または高さ5m以上の足場の組立て等の作業をいう。
  • ②高さが5m以上の建築物等の鉄骨の組立て等の作業が対象とされている。
  • ③掘削面の高さが3m以上となる地山の掘削の作業が対象とされている。
  • ④軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組立て等の作業をいう。
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正解 ③掘削面の高さが3m以上となる地山の掘削の作業が対象とされている。
解説
労働安全衛生法施行令第6条第9号は、掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削の作業を、作業主任者を選任すべき作業として定めています。地山の掘削は、地表からは崩れる兆しが見えにくく、いったん崩れれば土砂が一気に流れ込んで作業者を埋めてしまいます。土砂は水に比べて密度が高く、腰まで埋まっただけでも自力では脱出できないため、2mという比較的低い高さから資格を持つ者の指揮を求めています。この作業に関する規定では、掘削面の勾配の制限も高さ2mを境に切り替わっており、2mが一貫した基準となっています。3m以上とすると、2mから3mまでの範囲で作業主任者を置かないまま掘削することになり、災害の多い深さの帯が指揮のない状態に置かれてしまいます。

他の選択肢が不適切な理由
「つり足場、張出し足場または高さ5m以上の足場の組立て等の作業をいう。」は正しく、同条第15号が定める足場の組立て等作業主任者の対象そのものだからです。「高さが5m以上の建築物等の鉄骨の組立て等の作業が対象とされている。」も正しく、同条第15号の2により、高さ5m以上の金属製の部材で構成される建築物の骨組みの組立て等が対象とされているからです。「軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組立て等の作業をいう。」も正しく、同条第15号の4により、軒の高さ5m以上の木造建築物の構造部材の組立て等が対象とされているからです。

試験の罠
地山の掘削だけが2m、足場、鉄骨、木造建築物、コンクリート造の工作物の解体はいずれも5mです。土に関わるものだけ基準が低い、と覚えると区別しやすくなります。木造建築物だけは軒の高さで測る点も、あわせて押さえておきましょう。
問45-15

労働安全衛生法令上、作業主任者の資格の区分に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ガス溶接作業主任者は、免許を受けた者のうちから選任することとされている。
  • ②高圧室内作業主任者は、免許を受けた者のうちから選任することとされている。
  • ③酸素欠乏危険作業主任者は、技能講習を修了した者のうちから選任していく。
  • ④型枠支保工の組立て等作業主任者は、免許を受けた者のうちから選任していく。
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正解 ④型枠支保工の組立て等作業主任者は、免許を受けた者のうちから選任していく。
解説
作業主任者の資格には、免許によるものと技能講習によるものの二つがあります。労働安全衛生法施行令第6条は作業の種類ごとにどちらによるかを定めており、免許を要するのは高圧室内作業とガス溶接の二つに限られます。これらは、高い気圧のもとでの生理的な影響や、可燃性ガスと酸素を扱うことによる爆発の危険といった、専門的で深い知識を要する分野であるためです。これに対して、型枠支保工の組立て等、足場の組立て等、地山の掘削、土止め支保工、鉄骨の組立て等、木造建築物の組立て等、コンクリート造の工作物の解体等、酸素欠乏危険作業といった建設現場の主要な作業は、いずれも技能講習を修了した者のうちから選任することとされています。したがって、型枠支保工について免許を求める記述は資格の区分を誤っています。

他の選択肢が不適切な理由
「ガス溶接作業主任者は、免許を受けた者のうちから選任することとされている。」は正しく、可燃性ガスと酸素を用いる作業は爆発と火災の危険が大きく、免許によることとされているからです。「高圧室内作業主任者は、免許を受けた者のうちから選任することとされている。」も正しく、大気圧を超える気圧のもとでの作業は減圧症などの健康障害を伴い、免許によることとされているからです。「酸素欠乏危険作業主任者は、技能講習を修了した者のうちから選任していく。」も正しく、この作業は技能講習の修了によることとされており、第一種と第二種の区分がある点にも注意を要するからです。

試験の罠
免許を要する作業主任者は、高圧室内とガス溶接の二つだけです。それ以外の建設現場の作業主任者はすべて技能講習である、と整理して覚えるとよいでしょう。ガス溶接には、作業主任者の免許とは別に、溶接の業務そのものに必要な技能講習がある点も混同しやすいところです。
問55-15

労働安全衛生法令上、特別の教育を必要とする業務に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①機体重量が5トン未満の車両系建設機械の運転の業務が対象とされている。
  • ②つり上げ荷重が5トン未満のクレーンの運転の業務が対象とされている。
  • ③作業床の高さが10m未満の高所作業車の運転の業務が対象とされる。
  • ④アーク溶接機を用いて行う金属の溶接や溶断などの業務が対象とされている。
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正解 ①機体重量が5トン未満の車両系建設機械の運転の業務が対象とされている。
解説
車両系建設機械の運転の業務に必要な資格は、機体重量を境として二つに分かれています。機体重量が3トン以上のものについては車両系建設機械運転技能講習を修了した者でなければ運転できず、3トン未満のものについては事業者が行う特別の教育を受けた者が運転できます。3トンという値が境目とされているのは、これを超えると機械の運動する質量が大きくなり、接触したときの被害や、転倒したときに運転者を押しつぶす力が格段に増すためです。5トン未満とすると、本来は技能講習を要する3トン以上5トン未満の機械までを特別教育で運転できることになり、資格の水準を下げてしまいます。なお、機体重量とは、燃料や作業装置を含む機械そのものの質量であり、掘削した土の重さは含みません。

他の選択肢が不適切な理由
「つり上げ荷重が5トン未満のクレーンの運転の業務が対象とされている。」は正しく、労働安全衛生規則第36条により、つり上げ荷重5トン未満のクレーンの運転が特別の教育の対象とされているからです。「作業床の高さが10m未満の高所作業車の運転の業務が対象とされる。」も正しく、10m以上は技能講習を要し、10m未満が特別教育の範囲とされているからです。「アーク溶接機を用いて行う金属の溶接や溶断などの業務が対象とされている。」も正しく、感電、有害な光線、金属のヒュームの吸入といった危険を伴うため、同条に特別教育の対象として明記されているからです。

試験の罠
特別教育と技能講習の境目は、車両系建設機械が機体重量3トン、高所作業車が作業床の高さ10mです。クレーンは5トン未満が特別教育で5トン以上が免許、移動式クレーンと玉掛けは1トンが境目と、機械の種類ごとに数値が違う点に注意してください。
問65-15

労働安全衛生法令上、特別の教育の実施と記録に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①特別の教育は、事業者がその責任において実施することとされているものである。
  • ②特別の教育を行った記録は、1年間保存しなければならないものとされている。
  • ③十分な知識と技能を有していると認められる者は、科目の一部を省略できる。
  • ④教育の記録には、受講した者や科目などを記載しておくこととされている。
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正解 ②特別の教育を行った記録は、1年間保存しなければならないものとされている。
解説
労働安全衛生規則第38条は、事業者が特別の教育を行ったときは、受講者、科目などの記録を作成して3年間保存しなければならないと定めています。3年という期間が定められているのは、教育を実際に行った事実を後から確かめられるようにするとともに、災害が発生したときに、その労働者が必要な教育を受けていたかどうかを検証できるようにするためです。工事の期間が数年に及ぶことも珍しくなく、また労働者が現場を移りながら働くことを考えれば、1年では記録が失われた後に検証が必要になる場面が生じてしまいます。同じ3年という保存の期間は、安全委員会の議事の記録や、車両系建設機械の定期自主検査の記録についても定められており、労働安全衛生法令における記録の保存の標準的な期間となっています。

他の選択肢が不適切な理由
「特別の教育は、事業者がその責任において実施することとされているものである。」は正しく、教育を行う義務は労働者を使用する事業者に課されており、外部の機関に委託する場合であっても責任の所在は事業者にあるからです。「十分な知識と技能を有していると認められる者は、科目の一部を省略できる。」も正しく、同規則第37条により、すでにその科目について必要な知識と技能を持つ者については、当該科目を省略できるとされているからです。「教育の記録には、受講した者や科目などを記載しておくこととされている。」も正しく、誰が何の教育を受けたのかが分かる形で残すことが求められているからです。

試験の罠
特別教育の記録の保存は3年間です。1年、5年に置き換える出題が定番です。安全委員会の議事の記録も3年間、定期自主検査の記録も3年間であり、これらをまとめて3年と覚えておくと取り違えにくくなります。
問75-15

労働安全衛生法上、職長等に対する教育に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①建設業において、新たに職長の職務につく者に対して行うこととされている。
  • ②教育の事項には、作業方法の決定と労働者の配置に関することが含まれている。
  • ③職長等の教育は、作業主任者に選任された者に対しても行うこととされている。
  • ④職長等に対しては、おおむね5年ごとに能力の向上のための教育を行っていく。
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正解 ③職長等の教育は、作業主任者に選任された者に対しても行うこととされている。
解説
労働安全衛生法第60条は、建設業などの事業者が、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者に対して、安全または衛生のための教育を行わなければならないと定めています。そしてこの条文は、その対象から作業主任者を明示的に除いています。作業主任者は、そもそも免許または技能講習という制度を通じて、その作業に固有の危険と、労働者を指揮するうえで必要な事項をすでに学んでいるからです。同じ内容を重ねて教育する必要がないという趣旨であり、作業主任者のほうが職長より軽い教育で足りるという意味ではありません。したがって、作業主任者に対しても職長教育を行うこととされているという記述は、条文が置いた除外の規定と一致しません。

他の選択肢が不適切な理由
「建設業において、新たに職長の職務につく者に対して行うこととされている。」は正しく、建設業は同条が適用される業種として政令で定められており、新たに職務につく時点が教育の機会とされているからです。「教育の事項には、作業方法の決定と労働者の配置に関することが含まれている。」も正しく、労働者を指導し監督する立場として最初に求められる判断であり、教育の中心となる事項だからです。「職長等に対しては、おおむね5年ごとに能力の向上のための教育を行っていく。」も正しく、同法第19条の2に基づく指針により、おおむね5年ごと、および機械設備などに大幅な変更があったときに能力向上教育を行うこととされているからです。

試験の罠
職長教育の対象からは作業主任者が除かれます。この除外は条文に明記されており、繰り返し問われる論点です。能力向上教育のおおむね5年ごとという間隔と、機械設備の大幅な変更時という二つの機会も、あわせて覚えておきましょう。
問85-15

労働安全衛生法令上、雇入れ時の安全衛生教育に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①教育の事項には、機械や原材料などの危険性と取扱いの方法が含まれている。
  • ②教育の事項には、作業の手順や作業の開始時の点検が含まれることとされる。
  • ③教育を行う義務は、労働者を雇い入れた事業者が負うものとされているものである。
  • ④教育の事項は、業種によっては一部を省略することができるものとされている。
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正解 ④教育の事項は、業種によっては一部を省略することができるものとされている。
解説
雇入れ時の安全衛生教育については、かつては労働安全衛生規則第35条第2項により、いわゆる非工業的な業種にあっては、機械や原材料の危険性、安全装置や保護具の取扱い、作業手順、作業開始時の点検といった一部の事項を省略できるとされていました。しかし、事務や販売の業種であっても転倒や腰痛などの災害が多く発生している実態を踏まえ、この省略を認める規定は令和6年、すなわち2024年4月1日をもって廃止されました。現在は業種にかかわらず、すべての事業者が全ての事項について教育を行わなければなりません。基準となる時点が2026年4月1日である以上、業種による省略ができるとする記述は現行の規定と一致しません。なお、十分な知識と技能を有すると認められる労働者について、その事項を省略できるという別の規定は現在も存続しています。

他の選択肢が不適切な理由
「教育の事項には、機械や原材料などの危険性と取扱いの方法が含まれている。」は正しく、労働者が実際に手を触れるものの危険性を知らせることが、教育の出発点として条文に掲げられているからです。「教育の事項には、作業の手順や作業の開始時の点検が含まれることとされる。」も正しく、決められた手順と、作業を始める前の点検が災害の防止に直結するため、教育の事項として定められているからです。「教育を行う義務は、労働者を雇い入れた事業者が負うものとされているものである。」も正しく、労働安全衛生法第59条第1項が事業者に対して義務を課しているからです。

試験の罠
業種による省略は2024年4月に廃止されました。省略できるのは、その事項について十分な知識と技能を有すると認められる労働者についてのみです。業種を理由とする省略と、労働者個人の知識を理由とする省略という二つを区別して覚えてください。
問95-15

労働安全衛生規則上、作業主任者の職務に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①作業の方法を決めて労働者に指示すれば、作業場所を離れてよいものとされる。
  • ②器具や工具を点検して、不良品を取り除くことが職務に含まれるとされている。
  • ③保護帽や墜落制止用器具の使用の状況を監視することも職務に含まれている。
  • ④作業に従事する労働者の作業を直接指揮することが職務の中心とされている。
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正解 ①作業の方法を決めて労働者に指示すれば、作業場所を離れてよいものとされる。
解説
作業主任者の職務は、作業の種類ごとに労働安全衛生規則で定められていますが、その中心はいずれも作業を直接指揮することにあります。直接指揮とは、その作業が行われている場所に自らいて、進み方を見ながら指示を出し、危険な状態が生じればその場で止めることを意味します。あらかじめ方法を決めて指示しておくだけでは、現場で予定と違う事態が起きたときに誰も判断できません。解体の途中で残った躯体が予想外に不安定になった、掘削面にきれつが現れた、といった変化は計画の段階では読みきれず、その場で見て判断するほかありません。作業主任者の制度は、まさにその判断ができる資格者を現場に置くために設けられたものですから、指示を出した後に場所を離れてよいとする記述は、制度の趣旨を根本から損なうものです。

他の選択肢が不適切な理由
「器具や工具を点検して、不良品を取り除くことが職務に含まれるとされている。」は正しく、不良な器具が使われれば作業の方法が正しくても災害に至るため、使用の前に取り除くことが職務として定められているからです。「保護帽や墜落制止用器具の使用の状況を監視することも職務に含まれている。」も正しく、保護具は備えるだけでは意味がなく、実際に正しく着用されているかを見届けることまでが求められるからです。「作業に従事する労働者の作業を直接指揮することが職務の中心とされている。」も正しく、これがすべての作業主任者に共通する職務の核だからです。

試験の罠
直接指揮という言葉が要点です。指示を出す、計画を定める、報告を受けるといった、離れた場所からでもできる行為に置き換えた記述は誤りとみてよいでしょう。器具の点検と保護具の使用状況の監視も、多くの作業主任者に共通する職務として繰り返し問われます。
問105-15

労働安全衛生法令上、石綿が使用されている建築物の解体等の作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①石綿作業主任者は、技能講習を修了した者のうちから選任することとされている。
  • ②労働者に特別の教育を行った場合は、石綿作業主任者の選任は要しないとされる。
  • ③解体等の作業に従事する労働者には、特別の教育を行うこととされているものである。
  • ④解体等の作業に先立ち、石綿の使用の有無について事前の調査を行うこととする。
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正解 ②労働者に特別の教育を行った場合は、石綿作業主任者の選任は要しないとされる。
解説
特別の教育と作業主任者の選任は、まったく別の制度であり、一方を行えば他方が免除されるという関係にはありません。特別の教育は、その危険な業務に従事する労働者一人ひとりに対して、危険の内容と正しい作業の方法を知らせるための教育です。これに対して作業主任者の選任は、その作業を指揮し、器具を点検し、保護具の使用を監視する責任者を現場に置く仕組みです。労働者全員が教育を受けていても、その場で全体を見て判断し、危険を認めたときに作業を止める者がいなければ、災害を防ぐことはできません。石綿が使用されている建築物の解体等の作業は、労働安全衛生法施行令第6条により石綿作業主任者を選任すべき作業とされており、同時に従事する労働者への特別の教育も義務づけられています。両方が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「石綿作業主任者は、技能講習を修了した者のうちから選任することとされている。」は正しく、石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任することが定められているからです。「解体等の作業に従事する労働者には、特別の教育を行うこととされているものである。」も正しく、石綿の粉じんを吸い込むことによる健康障害は長い年月を経て現れるため、危険性と防護の方法を確実に知らせる必要があるからです。「解体等の作業に先立ち、石綿の使用の有無について事前の調査を行うこととする。」も正しく、まず石綿が使われているかどうかを確かめなければ、必要な措置を決めることができないからです。

試験の罠
特別教育と作業主任者は別の制度であり、互いに代替できません。片方を行えば他方が不要になるという記述は誤りとみてよいでしょう。石綿については、事前の調査、作業主任者の選任、特別教育、作業の記録の保存という一連の措置が求められる点も押さえておきましょう。

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