2026年版・5-1

施工計画:事前調査と仮設計画の一問一答

1級建築施工管理技士「施工管理法」から、施工計画:事前調査と仮設計画に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全930問) 施工管理法の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-1

工事の着手に先立つ事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①地中の埋設物は、掘削の際に見つけてから対応することとした。
  • ②敷地の境界は、隣地の所有者の立会いのもとで確認した。
  • ③解体工事に先立ち、近隣の建物の現況を調査して記録した。
  • ④搬入の経路は、道路の幅員と交通の規制を調べたうえで計画した。
答えと解説を見る
正解 ①地中の埋設物は、掘削の際に見つけてから対応することとした。
解説
地中には、上下水道、ガス、電気、通信の各管路や、以前の建物の基礎や杭が残っていることがあります。これらを掘削の際に初めて発見するという進め方は、ガス管の損傷による火災や爆発、電力ケーブルの切断による感電と停電、通信の途絶といった重大な事故に直結します。しかも、これらの事故は工事関係者だけでなく周辺の住民や事業者にも被害を及ぼします。したがって埋設物は、着手前に各占用者の図面を照会し、必要に応じて試掘を行って実際の位置と深さを確認しておかなければなりません。事前調査の目的は、掘り始める前に不確実性を減らし、対策を工程と費用に織り込んでおくことにあります。掘ってから考えるという計画は、計画とは呼べません。

他の選択肢が不適切な理由
「敷地の境界は、隣地の所有者の立会いのもとで確認した。」は正しく、境界の認識が食い違ったまま着手すると、仮囲いや基礎が越境しているという争いに発展し、工事の中断や手戻りを招くため、着手前に立会いのうえで確認しておく必要があるからです。「解体工事に先立ち、近隣の建物の現況を調査して記録した。」も正しく、工事による振動で近隣に損傷が生じたと主張された場合に、工事前から存在していたひび割れであることを示す資料がなければ反論できないからです。「搬入の経路は、道路の幅員と交通の規制を調べたうえで計画した。」も正しく、資材や重機の搬入は道路の幅員、荷重の制限、時間帯の規制によって左右され、これを確かめずに計画すると搬入そのものが成立しないからです。

試験の罠
事前調査の設問は「着手前に確かめるべきことを、着手後に回していないか」という視点で判断できます。埋設物、境界、近隣家屋、道路の条件、地盤、電波障害は、いずれも着手前に確認すべき代表的な項目です。
問25-1

仮囲いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①木造で高さ13mを超える建築物の工事のため、仮囲いを設けた。
  • ②仮囲いの高さは、地盤面から1.5mとして設けて施工した。
  • ③出入口には扉を設け、工事に必要のないときは閉じておいた。
  • ④仮囲いの下端に、雨水が流れ出ないように隙間を塞いで設けた。
答えと解説を見る
正解 ②仮囲いの高さは、地盤面から1.5mとして設けて施工した。
解説
仮囲いは、工事現場と外部を仕切って第三者の立入りを防ぎ、飛来物や落下物から通行人を守るための設備です。建築基準法施行令第136条の2の20では、木造で高さが13mを超えるか軒の高さが9mを超える建築物、および木造以外で2階以上の建築物について、工事現場の周囲に高さ1.8m以上の仮囲いを設けなければならないと定めています。高さ1.5mでは、成人が容易に乗り越えられ、また視線も通ってしまうため、立入りの防止と防護の目的を果たせません。この1.8mという数値は、人の身長を上回って乗り越えを困難にし、かつ低い位置からの飛来物を確実に遮ることを意図した最低限の基準です。

他の選択肢が不適切な理由
「木造で高さ13mを超える建築物の工事のため、仮囲いを設けた。」は正しく、令第136条の2の20が仮囲いを義務付ける対象として掲げている規模そのものに当たるからです。「出入口には扉を設け、工事に必要のないときは閉じておいた。」も正しく、出入口は仮囲いの中で唯一開いている部分であり、開けたままにすれば第三者が容易に立ち入れるため、必要のないときは閉鎖しておく必要があるからです。「仮囲いの下端に、雨水が流れ出ないように隙間を塞いで設けた。」も正しく、下端に隙間があると場内の泥水や土砂が道路へ流出して周辺を汚し、排水設備を詰まらせるため、隙間を生じさせないことが求められるからです。

試験の罠
仮囲いの1.8m以上という数値は、令和7年に改正された建築士法の高さ16m超という数値と混同しやすい部分です。仮囲いの適用の規模である木造13m超または軒高9m超は改正されていないため、そのまま覚えます。
問35-1

落下物に対する防護に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①工事用シートは、防炎性能をもたないものを選んで取り付けた。
  • ②地盤面から高さ3m以上の場所から材料を投下するため、投下設備を設けた。
  • ③工事の高さが7m以上あるため、落下物を受ける防護棚を設けた。
  • ④防護棚は、水平面となす角度を上向きにして外側へ張り出した。
答えと解説を見る
正解 ①工事用シートは、防炎性能をもたないものを選んで取り付けた。
解説
工事用シートは、足場の外側全面を覆って、工具や材料の小さな落下物、はつりで生じた破片が場外へ飛び出すのを防ぐ設備です。同時に、足場は溶接や切断の火花が飛ぶ場所でもあり、シートが燃え広がれば足場全体が火に包まれて避難も消火もできなくなります。このため工事用シートには防炎性能をもつものを用いることが求められており、防炎性能のないものを選ぶという記述は不適当です。防炎とは、火が着いても燃え広がりにくく、火元を離せば自然に消える性質のことで、シートには防炎の性能を示す表示が付されています。落下物を防ぐという本来の役目に加えて、火災を広げないことも工事用シートに求められる性能です。

他の選択肢が不適切な理由
「地盤面から高さ3m以上の場所から材料を投下するため、投下設備を設けた。」は正しく、労働安全衛生規則により、3m以上の高さから物体を投下するときは、投下設備を設けて監視人を置くことが定められているからです。「工事の高さが7m以上あるため、落下物を受ける防護棚を設けた。」も正しく、国土交通省の建設工事公衆災害防止対策要綱の建築工事編では、工事の高さが7m以上あり、かつ工事の場所から水平距離で5m以内に一般の通行の用に供される場所があるときは、防護棚を設けて落下物を受け止めることが求められるからです。「防護棚は、水平面となす角度を上向きにして外側へ張り出した。」も正しく、水平のままでは受け止めた物が跳ねて外へ出てしまうため、先端を上向きに傾けて内側へ落とし込む形状とするのが標準だからです。

試験の罠
数値は、投下設備が3m以上、防護棚の検討が高さ7m以上、仮囲いが1.8m以上という三つを区別して覚えます。工事用シートと防護棚は目的が違い、両方を併用するのが原則である点、シートには防炎性能が求められる点も要点です。
問45-1

ベンチマークおよび墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ベンチマークは、移動しないように周囲を養生して設置した。
  • ②ベンチマークは、1箇所のみとして工事の全期間を通じて用いた。
  • ③建物の位置は、縄張りを行って敷地の中での配置を確認した。
  • ④基準となる墨は、各階へ順に上げて位置のずれを確かめて用いた。
答えと解説を見る
正解 ②ベンチマークは、1箇所のみとして工事の全期間を通じて用いた。
解説
ベンチマークは、建物の高さの基準となる不動の点で、根切りの深さから各階の床の高さまで、工事のあらゆる高さがここを起点として決まります。もしこの基準点が、重機の接触や地盤の変動によって知らないうちに動いてしまった場合、以降のすべての高さが狂うことになり、しかもその誤りに気づく手段がありません。そこでベンチマークは2箇所以上に設け、定期的に相互の高さの差を測り比べます。二つの点の関係が変わっていなければ、いずれも動いていないと確認できますし、変わっていれば、どちらかが動いたと直ちに分かります。1箇所のみとすることは、検証の手段を持たずに工事全体の基準を委ねることになり、極めて危険です。

他の選択肢が不適切な理由
「ベンチマークは、移動しないように周囲を養生して設置した。」は正しく、基準点は動かないことがすべての前提であり、重機や資材の接触から守るために囲いを設けて保護する必要があるからです。「建物の位置は、縄張りを行って敷地の中での配置を確認した。」も正しく、縄張りは図面上の配置を実際の敷地に縄で描き出す作業であり、隣地との距離や道路との関係を着工前に目で確かめることができるからです。「基準となる墨は、各階へ順に上げて位置のずれを確かめて用いた。」も正しく、各階で独立に墨を出すと誤差が累積するため、1階の基準墨を上階へ移していく方法をとり、そのつどずれを確認する必要があるからです。

試験の罠
ベンチマークは2箇所以上という数値が定番です。基準を複数持って互いに検証するという考え方は、測量や品質管理に共通する原則であり、理由まで理解しておくと応用が利きます。
問55-1

枠組足場および単管足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①単管足場の建地の間隔は、桁行の方向を1.85m以下とした。
  • ②枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直の方向を9m以下とした。
  • ③単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直の方向を8m以下とした。
  • ④作業床の床材の間の隙間は、3cm以下となるように設けた。
答えと解説を見る
正解 ③単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直の方向を8m以下とした。
解説
壁つなぎは、足場を建物の躯体に連結して、風や作業の反力によって足場が倒れたり建物から離れたりするのを防ぐ部材です。足場の形式によって剛性が異なるため、要求される間隔も異なります。枠組足場は、あらかじめ工場で組み立てられた建枠を用いるため、それ自体の剛性が高く、壁つなぎの間隔は垂直の方向で9m以下、水平の方向で8m以下と定められています。これに対して単管足場は、鋼管をクランプで締めて組み立てるため接合部が回転しやすく剛性が低いことから、垂直の方向で5m以下、水平の方向で5.5m以下と、より細かい間隔が求められます。8m以下という値は単管足場には緩すぎ、基準を満たしません。

他の選択肢が不適切な理由
「単管足場の建地の間隔は、桁行の方向を1.85m以下とした。」は正しく、労働安全衛生規則により単管足場の建地の間隔は桁行の方向で1.85m以下、梁間の方向で1.5m以下と定められているからです。「枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直の方向を9m以下とした。」も正しく、枠組足場に対して定められた基準そのものであり、建枠の高さと段数から導かれる値だからです。「作業床の床材の間の隙間は、3cm以下となるように設けた。」も正しく、隙間が大きいと工具や材料が落下して下方の作業者や第三者に危険を及ぼすため、隙間を3cm以下とすることが定められているからです。

試験の罠
壁つなぎの間隔は、枠組足場が垂直9mと水平8m、単管足場が垂直5mと水平5.5mです。剛性の高い枠組足場のほうが間隔を広くとれる、という理屈で覚えると数値の取り違えを防げます。
問65-1

架設通路および登り桟橋に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①架設通路の勾配は、30度以下となるように計画して設けた。
  • ②勾配が15度を超える部分には、踏さんを設けて滑りを止めた。
  • ③墜落の危険がある箇所には、高さ85cm以上の手すりを設けた。
  • ④高さ12mの登り桟橋には、踊場を設けずに一続きで計画した。
答えと解説を見る
正解 ④高さ12mの登り桟橋には、踊場を設けずに一続きで計画した。
解説
登り桟橋は、傾斜した通路を人が昇り降りする設備です。労働安全衛生規則では、建設工事に用いる高さ8m以上の登り桟橋には、7m以内ごとに踊場を設けなければならないと定められています。踊場には二つの役割があります。一つは、昇り降りする人が途中で休み、姿勢を立て直せるようにすることです。もう一つは、万一足を滑らせて転落したときに、そこで止まって落下の距離を短くすることです。踊場のない長い斜路では、上端で転倒すれば下端まで一気に落ちてしまいます。高さ12mであれば8m以上に当たるため、7m以内ごとに踊場を設ける必要があり、一続きとする計画は基準に反します。

他の選択肢が不適切な理由
「架設通路の勾配は、30度以下となるように計画して設けた。」は正しく、これを超えると通路として歩行することが難しくなるため、階段や昇降設備によるべきであるとして上限が定められているからです。「勾配が15度を超える部分には、踏さんを設けて滑りを止めた。」も正しく、15度を超えると足の裏の摩擦だけでは滑りやすくなるため、踏さんなどの滑り止めを設けることが定められているからです。「墜落の危険がある箇所には、高さ85cm以上の手すりを設けた。」も正しく、架設通路の墜落の危険がある部分には手すりを設けることとされ、その高さの基準が85cm以上だからです。

試験の罠
数値は、勾配30度以下、滑り止めが15度超、登り桟橋の踊場が高さ8m以上で7m以内ごと、手すり85cm以上、と四つまとめて覚えます。階段の踊場は高さ8m以上で7m以内ごとという同じ値である点も対応させると記憶しやすくなります。
問75-1

仮設建物および仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①仮設の事務所は、工事の進捗を見渡せる位置に配置して計画した。
  • ②資材の置場は、揚重機の作業の半径の内側に配置して計画した。
  • ③仮設の電気設備は、必要な容量を算定して受電の設備を決めた。
  • ④仮設の便所は、作業の支障となるため設置を省略して計画した。
答えと解説を見る
正解 ④仮設の便所は、作業の支障となるため設置を省略して計画した。
解説
労働安全衛生規則では、事業者は労働者が使用するための便所を設けることが義務付けられており、男性用と女性用を区別すること、必要な数を確保することなども定められています。これは、労働者の健康と衛生を確保するための最低限の措置であり、作業の効率や敷地の都合を理由に省略できる性質のものではありません。仮設計画とは、直接の生産に寄与しない設備を切り詰めることではなく、作業を安全かつ衛生的に、そして効率よく進めるために必要な環境を整えることです。休憩所や更衣室、洗面の設備も同様に、労働者が働き続けられる状態を保つための必要な仮設であり、計画から外してよいものではありません。

他の選択肢が不適切な理由
「仮設の事務所は、工事の進捗を見渡せる位置に配置して計画した。」は正しく、現場を管理する立場からは作業の状況を目で確認できることが望ましく、また作業者からも管理者の所在が分かる配置が安全の面でも有利だからです。「資材の置場は、揚重機の作業の半径の内側に配置して計画した。」も正しく、揚重機の届かない位置に資材を置くと、二度手間の運搬が生じて効率が落ちるうえ、人力による運搬が増えて災害の危険も高まるからです。「仮設の電気設備は、必要な容量を算定して受電の設備を決めた。」も正しく、工事の各段階で使用する機器の容量を積み上げて計画しなければ、能力の不足による工程の遅れや、過負荷による事故を招くからです。

試験の罠
仮設計画は「安全と衛生に関わるものは削れない」という原則で判断できます。便所、休憩所、照明、消火設備は法令上または安全上の必要から設けるものであり、経済性を理由に省く記述は誤りになります。
問85-1

移動式足場および脚立に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①移動式足場の作業床の周囲には、手すりと中桟を設けて防護した。
  • ②移動式足場は、作業者を乗せたままの状態で移動させて用いた。
  • ③移動式足場の脚輪には、ブレーキを掛けて動かないようにした。
  • ④脚立は、脚と水平面との角度を75度以下となるように用いた。
答えと解説を見る
正解 ②移動式足場は、作業者を乗せたままの状態で移動させて用いた。
解説
移動式足場は、脚輪の付いた枠組の上に作業床を設けた設備で、車輪があるために簡単に動かせることが利点であり、同時に危険の源でもあります。作業者を作業床に乗せたまま移動させると、床の凹凸や小さな障害物に脚輪が当たった瞬間に足場全体が大きく揺れ、高い位置にいる作業者は姿勢を保てずに墜落します。重心が高い構造であるため、揺れが転倒につながることもあります。したがって移動させるときは必ず作業者を降ろし、また作業をするときは脚輪のブレーキを確実に掛けて動かないようにすることが原則です。乗ったまま移動させれば手間が省けるという判断が、そのまま重大災害の原因になります。

他の選択肢が不適切な理由
「移動式足場の作業床の周囲には、手すりと中桟を設けて防護した。」は正しく、高い位置の作業床からの墜落を防ぐために、手すりと中桟、さらに幅木によって開口を塞ぐ必要があるからです。「移動式足場の脚輪には、ブレーキを掛けて動かないようにした。」も正しく、作業中に足場が動けば作業者は不意に姿勢を崩すため、脚輪を固定して動かない状態を確保することが作業の前提だからです。「脚立は、脚と水平面との角度を75度以下となるように用いた。」も正しく、労働安全衛生規則により脚立の脚と水平面との角度は75度以下とし、折りたたみ式のものは開き止めの金具を備えることが定められているからです。

試験の罠
移動式足場は、乗ったままの移動の禁止とブレーキの確実な使用が二大要点です。脚立の75度以下という数値も頻出で、あわせて天板に立って作業してはならないという点も問われます。
問95-1

工事の着手に先立つ近隣への対応に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①工事の概要と工程を、近隣の関係者に対して事前に説明した。
  • ②騒音と振動の規制の区域に当たるかどうかを、着手前に確認した。
  • ③高層の建物のため、電波の受信への影響を事前に調査した。
  • ④近隣からの苦情は、工事の完了後にまとめて対応することとした。
答えと解説を見る
正解 ④近隣からの苦情は、工事の完了後にまとめて対応することとした。
解説
工事に伴う騒音、振動、粉じん、通行の支障は、近隣の生活と事業に日々影響を与えます。苦情はその影響が実際に起きていることを知らせる情報であり、受けた時点で原因を確かめて作業の方法を改める機会になります。工事が終わってからまとめて対応するという方針では、影響が続いたまま関係が悪化し、やがて工事の中止を求められる事態に発展しかねません。また、原因となった作業がすでに終わっていれば、事実の確認も対策も困難になります。したがって苦情は、受付の窓口と記録の様式をあらかじめ定め、発生した都度その場で対応するのが原則です。近隣との関係の維持は、工程を守るための管理項目の一つでもあります。

他の選択肢が不適切な理由
「工事の概要と工程を、近隣の関係者に対して事前に説明した。」は正しく、いつ、どのような作業が行われ、どの程度の影響が生じるのかを事前に知らせておくことで、近隣が生活を調整でき、不意の影響による反発を避けられるからです。「騒音と振動の規制の区域に当たるかどうかを、着手前に確認した。」も正しく、騒音規制法と振動規制法は都道府県知事等が指定した区域における特定建設作業を規制しており、区域に該当すれば届出と基準の遵守が必要となるからです。「高層の建物のため、電波の受信への影響を事前に調査した。」も正しく、建物が電波を遮ることで周辺のテレビの受信に障害が生じることがあり、着工前の状況を記録しておかなければ影響の有無を判断できないからです。

試験の罠
近隣対応は「事前に知らせ、その都度対応する」が原則です。特定建設作業の届出は作業開始の7日前までに市町村長へ、という期限も、事前調査とあわせて問われます。
問105-1

仮設計画の考え方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①仮設物の設置に必要な届出は、あらかじめ行ってから設置した。
  • ②仮設の計画は、施工者が自らの責任において立案して実施した。
  • ③揚重機の設置の位置は、資材の搬入の動線を考えて決定した。
  • ④仮設物は一時的なものであるため、風圧力の検討を省略した。
答えと解説を見る
正解 ④仮設物は一時的なものであるため、風圧力の検討を省略した。
解説
仮設物は使用する期間こそ限られていますが、その期間中に作用する力は本設の建物と変わりません。とくに足場や仮囲い、養生シートは、面としての受風面積が大きく、強風時には大きな水平力を受けます。過去には、風によって足場が倒壊し、道路上の通行人や隣接する建物に被害を及ぼした事例が繰り返し発生しています。したがって仮設物についても、想定される風速に基づく風圧力を検討し、壁つなぎや控えによって安全を確保しなければなりません。一時的であるという理由で検討を省くことは、最も倒壊の危険が高い設備を無検討で建てることを意味します。仮設物の安全性の検討は、本設と同じ考え方で行うのが原則です。

他の選択肢が不適切な理由
「仮設物の設置に必要な届出は、あらかじめ行ってから設置した。」は正しく、一定の規模を超える足場や型枠支保工などは、設置の前に労働基準監督署長へ届け出て、計画の妥当性を確かめてもらう仕組みになっているからです。「仮設の計画は、施工者が自らの責任において立案して実施した。」も正しく、仮設は施工の手段であり、どのような方法で施工するかは請負者の裁量と責任に属するのが原則だからです。ただし、設計図書に指定がある場合はそれに従います。「揚重機の設置の位置は、資材の搬入の動線を考えて決定した。」も正しく、揚重機の位置は、搬入車両の停車位置から荷取りの場所、そして取付けの位置までの一連の流れによって決まり、動線を考えずに配置すると作業効率が大きく低下するからです。

試験の罠
仮設は「一時的だから簡略でよい」という発想が誤りの源になります。風圧力、積載荷重、墜落防止のいずれも本設と同じ厳しさで検討する、という原則を押さえておけば、この種の選択肢は容易に見抜けます。

1級建築施工管理技士の対策問題(全930問)に戻る

※本ページは非公式の資格試験対策ページであり、1級建築施工管理技術検定の実施機関(国土交通大臣指定試験機関である一般財団法人建設業振興基金)とは一切関係ありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】