2026年版・4-7

建具工事とガラス工事の一問一答

1級建築施工管理技士「仕上施工」から、建具工事とガラス工事に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-7

アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①モルタルに接する面は、耐アルカリ塗料で処理をした。
  • ②鋼と接する部分には、絶縁材をはさんで取り付けた。
  • ③陽極酸化皮膜は、アルカリに対して高い耐久性をもつ。
  • ④建具枠は、くさびで仮止めしてから溶接で固定した。
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正解 ③陽極酸化皮膜は、アルカリに対して高い耐久性をもつ。
解説
アルミニウムは両性金属といって、酸にもアルカリにも侵される性質をもつ金属です。表面の陽極酸化皮膜は、アルミニウムを電気分解によってわざと酸化させ、緻密な酸化皮膜をつくったもので、大気中では優れた耐食性を発揮します。しかし、この皮膜自体も酸化アルミニウムであるため、強いアルカリにさらされると溶けてしまいます。建築現場でアルミ建具の周囲に充填されるモルタルは強いアルカリ性を示すため、皮膜だけを頼りにしていると腐食して白い斑点や膨れが生じます。したがって、モルタルに接する部分には耐アルカリ塗料を塗るなどの絶縁処理を行い、皮膜がアルカリに直接触れないようにするのが正しい扱いです。

他の選択肢が不適切な理由
「モルタルに接する面は、耐アルカリ塗料で処理をした。」は正しく、アルカリ性のモルタルからアルミニウムを守るための標準的な絶縁処理であり、これを省くと腐食が進むからです。「鋼と接する部分には、絶縁材をはさんで取り付けた。」も正しく、アルミニウムと鋼のように電位の異なる金属が水分を介して接すると、電池のような作用によって電位の低いアルミニウム側が優先的に腐食する異種金属接触腐食が起こるため、両者を電気的に絶縁する必要があるからです。「建具枠は、くさびで仮止めしてから溶接で固定した。」も正しく、まずくさびで所定の位置と精度に調整し、位置が定まった段階でアンカーに固定するという手順が標準であり、精度を確保するうえで欠かせないからです。

試験の罠
アルミは酸にもアルカリにも弱い両性金属であること、モルタルは強アルカリであることの二つを結び付けて考えます。異種金属接触腐食では電位の低いほうが腐食するという原則も、鋼とアルミの組合せでよく問われます。
問24-7

鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①外部に面する両面フラッシュ戸は、四周の見込み部を表面板で包んだ。
  • ②枠の見込み部分の鋼板の厚さは、1.6mmのものを使用した。
  • ③外部に面する鋼製建具のくつずりには、ステンレス鋼板を用いた。
  • ④溶接した箇所は、グラインダーで平滑にしたうえで防錆処理を行った。
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正解 ①外部に面する両面フラッシュ戸は、四周の見込み部を表面板で包んだ。
解説
フラッシュ戸とは、骨組みの両面に鋼板を張って中空にした戸のことです。外部に面する戸では、雨水が四周の合わせ目からわずかに浸入することが避けられません。四周をすべて表面板で包んで密閉してしまうと、いったん入った水が内部にたまり、内側から錆を発生させて戸を膨らませたり、腐食で穴をあけたりします。そこで外部に面する両面フラッシュ戸では、下部を除いた三方の見込み部を表面板で包み、下部は包まずに開けておくか水抜き孔を設けて、入った水が抜けるようにするのが標準です。したがって四周を包む納まりは誤りです。なお内部に面する戸では雨水の心配がないため、上下を除いた左右の二方だけを包みます。

他の選択肢が不適切な理由
「枠の見込み部分の鋼板の厚さは、1.6mmのものを使用した。」は正しく、建具枠は建具の重量と開閉の繰り返しを受け止める部材であり、標準的な厚さとして1.6mmが用いられているからです。「外部に面する鋼製建具のくつずりには、ステンレス鋼板を用いた。」も正しく、くつずりは戸の下枠にあたり、人の出入りによる摩耗と雨水による腐食の両方を受ける最も過酷な部位であるため、耐食性の高いステンレス鋼板とするのが標準だからです。「溶接した箇所は、グラインダーで平滑にしたうえで防錆処理を行った。」も正しく、溶接部は熱によって元の防錆皮膜が失われ、また凹凸に水がたまって腐食の起点になるため、平滑にしてから改めて錆止めを施す必要があるからです。

試験の罠
外部は下部を除いた三方、内部は上下を除いた二方、という包み方の違いがそのまま問われます。外部建具では「水を入れない」よりも「入った水を出す」という考え方が優先され、下部の水抜き、網入りガラス下辺の水抜き孔なども同じ発想です。鋼板厚さは枠と戸で1.6mm、くつずりのステンレスは1.5mmが目安です。
問34-7

建具枠の取付けと周囲の充填に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①外部建具の取付け精度は、面内および面外とも±2mm程度とした。
  • ②枠の周囲に充填するモルタルには、防水剤を混入して用いた。
  • ③枠周囲のモルタル充填は、建具の養生材を撤去した後に行った。
  • ④枠に取り付けたアンカーは、間隔を500mm程度として配置した。
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正解 ③枠周囲のモルタル充填は、建具の養生材を撤去した後に行った。
解説
建具の養生材は、枠や戸の表面を汚れや傷から守るために貼るものです。モルタルを充填する作業は、こてを使ってモルタルを押し込む作業であり、モルタルが建具の見え掛かり面に付着することが避けられません。とくにアルミ建具の場合、付着したモルタルのアルカリ分が表面の陽極酸化皮膜を侵し、拭き取っても跡が残る汚損になります。したがって養生材は、モルタルの充填が終わり、周囲の清掃まで済んだ段階で撤去するのが正しい順序です。充填の前に養生を外してしまうと、最も汚れやすい作業を無防備な状態で行うことになり、手直しのしようがない仕上がりの不良を招きます。養生は工程の最後まで残すのが原則です。

他の選択肢が不適切な理由
「外部建具の取付け精度は、面内および面外とも±2mm程度とした。」は正しく、精度が狂うと戸の建て付けやシーリングの目地幅に影響し、水密性や気密性が確保できなくなるため、面内方向と面外方向のいずれについても±2mm程度を目安とするのが標準だからです。「枠の周囲に充填するモルタルには、防水剤を混入して用いた。」も正しく、枠周囲は雨水の浸入経路になりやすく、充填モルタル自体の止水性を高めておく必要があるからです。「枠に取り付けたアンカーは、間隔を500mm程度として配置した。」も正しく、アンカーは建具の自重と風圧を躯体へ伝える部材であり、間隔が広すぎると枠がたわんで精度が保てないため、500mm程度の間隔で、かつ端部からも近い位置に配置するのが標準だからです。

試験の罠
養生材の撤去時期を早める記述は、建具に限らず仕上げ全般で誤りの定番です。取付け精度の±2mm、アンカー間隔500mm程度、充填モルタルの調合はセメント1に対して砂3という数値をひとまとまりで覚えます。
問44-7

重量シャッターに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①スラットには、耐風圧上必要な場合に耐風フックを設けた。
  • ②防煙シャッターのスラットは、インターロッキング形とした。
  • ③電動シャッターには、障害物感知装置を設けて安全を確保した。
  • ④耐風圧性を高めるため、まぐさへの掛かり代を大きくとった。
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正解 ②防煙シャッターのスラットは、インターロッキング形とした。
解説
シャッターのスラットとは、巻き上げる帯状の板のことです。かみ合いの方式には、板の縁どうしを引っ掛けて連結するインターロッキング形と、平たい板を重ね合わせて抱き合わせるオーバーラッピング形があります。防煙シャッターは、火災時に煙が別の区画へ流れ込むのを止めるためのもので、スラットのすき間から煙が漏れては役目を果たせません。抱き合わせる部分が面で密着するオーバーラッピング形のほうが、板と板のあいだから煙が抜けにくいため、防煙シャッターにはこちらが用いられます。インターロッキング形は、連結部が回転できる構造である分だけわずかな隙間が生じやすく、一般の重量シャッターや防火シャッターに広く使われる形式です。したがって防煙シャッターにインターロッキング形を用いるという記述は不適当です。

他の選択肢が不適切な理由
「スラットには、耐風圧上必要な場合に耐風フックを設けた。」は正しく、強い風圧を受けるとスラットがたわんでガイドレールから抜け出るおそれがあるため、抜け止めとしてフックを取り付けることが規格でも定められているからです。「電動シャッターには、障害物感知装置を設けて安全を確保した。」も正しく、閉鎖中のシャッターの下に人や物があると重大な事故につながるため、座板が障害物に触れた時点で停止または反転する危害防止の仕組みを備える必要があるからです。「耐風圧性を高めるため、まぐさへの掛かり代を大きくとった。」も正しく、風圧を受けてスラットがたわんだときにガイドレールやまぐさから外れると開口をふさげなくなるため、掛かり代を十分に確保して外れを防ぐのが正しい対策だからです。

試験の罠
オーバーラッピング形は「面で抱き合う=隙間が少ない=防煙用」、インターロッキング形は「かみ合って回る=一般の重量シャッター用」と対で覚えます。二つを入れ替えた選択肢が定番です。防火シャッターは特定防火設備、防煙シャッターはこれに遮煙性能を加えたもの、という区分の違いも狙われます。
問54-7

板ガラスの取付けに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①セッティングブロックは、ガラス下辺の両端部の2箇所に置いた。
  • ②セッティングブロックの位置は、下辺の端部から4分の1とした。
  • ③面クリアランスは、ガラスと溝の面との間のすき間を指す。
  • ④エッジクリアランスは、ガラスの厚さの方向のすき間を指す。
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正解 ④エッジクリアランスは、ガラスの厚さの方向のすき間を指す。
解説
ガラスを溝に納めるときのすき間には二種類があり、名前と方向を取り違えないことが重要です。エッジクリアランスは、ガラスの端(エッジ)と溝の底との間にとるすき間、つまりガラスの面に沿った方向の逃げです。これは、ガラスと枠の温度による伸び縮みの差や、建物のわずかな変形をガラスの端が枠に当たらずに吸収するために設けます。一方、ガラスの厚さの方向、すなわちガラスの表裏と溝の側面との間にとるすき間は面クリアランスと呼び、シーリング材やガスケットが入るための厚みを確保するものです。したがって、エッジクリアランスを厚さ方向のすき間と説明するのは、面クリアランスとの取り違えになります。

他の選択肢が不適切な理由
「セッティングブロックは、ガラス下辺の両端部の2箇所に置いた。」は正しく、ガラスの重量を溝の底の一点に集中させず、二点で均等に支えることでガラスの割れと沈み込みを防ぐためだからです。「セッティングブロックの位置は、下辺の端部から4分の1とした。」も正しく、支持点を端に寄せ過ぎるとガラス中央が下がって曲げが生じ、中央に寄せ過ぎると両端が下がるため、曲げが最も小さくなる位置として下辺の長さの4分の1付近が標準とされているからです。「面クリアランスは、ガラスと溝の面との間のすき間を指す。」も正しく、この寸法によってシーリング材やガスケットの厚みが決まり、水密性と、ガラスが枠に直接当たらないための緩衝が確保されるからです。

試験の罠
エッジは「端」なので端と溝底の間、面クリアランスは「面」なので表裏と溝側面の間、と語のとおりに覚えます。掛かり代(ガラスが溝に入り込む深さ)も含めた三つの用語をまとめて問う出題が多く見られます。
問64-7

網入板ガラスの取付けに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①下辺の小口には、防錆用のテープを貼って端部を保護した。
  • ②下端の溝には、径6mm以上の水抜き孔を2箇所以上設けた。
  • ③溝の底には、セッティングブロックを用いてガラスを支持した。
  • ④小口は防錆処理をせず、シーリング材で全周を密閉して納めた。
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正解 ④小口は防錆処理をせず、シーリング材で全周を密閉して納めた。
解説
網入板ガラスは、ガラスの中に金網を封じ込めた製品で、火災時にガラスが割れても破片が落ちにくいという利点があります。ただし切断した小口では金網の端が露出しており、そこに水が触れると金網が錆びます。錆びた鉄は体積が膨張するため、ガラスの内部から押し広げる力が働き、小口から放射状のひび割れを生じさせます。これがいわゆる錆割れです。したがって網入板ガラスでは、小口、とくに水がたまりやすい下辺の小口に防錆処理を施し、さらに溝の底に入った水を外へ逃がすための水抜き孔を設けます。全周をシーリング材で密閉してしまうと、入った水の逃げ場がなくなって溝の中に滞留し、かえって錆割れを促進することになります。

他の選択肢が不適切な理由
「下辺の小口には、防錆用のテープを貼って端部を保護した。」は正しく、露出した金網の端に水が触れないようにすることが錆割れ防止の基本だからです。「下端の溝には、径6mm以上の水抜き孔を2箇所以上設けた。」も正しく、溝の底にたまった水を確実に排出するために必要な孔の大きさと数として定められており、孔が小さいと表面張力で水が抜けなくなるからです。「溝の底には、セッティングブロックを用いてガラスを支持した。」も正しく、ガラスを溝の底に直接載せると小口が当たって欠けや割れの起点となるうえ、水がたまる空間もなくなるため、ブロックで浮かせて支える必要があるからです。

試験の罠
網入りガラスは「防火に強いが水に弱い」と覚えます。水抜き孔の径6mm以上・2箇所以上という数値は頻出です。また、熱線吸収ガラスや熱線反射ガラスは熱割れしやすいという別の弱点と混同しないよう区別しておきます。
問74-7

複層ガラスおよび合わせガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①複層ガラスの中空層には、乾燥した空気を封入して用いる。
  • ②複層ガラスのスペーサーの内部には、乾燥剤が入れてある。
  • ③合わせガラスの中間膜には、ポリビニルブチラールを用いる。
  • ④合わせガラスは、中空層により高い断熱性能を発揮している。
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正解 ④合わせガラスは、中空層により高い断熱性能を発揮している。
解説
複層ガラスと合わせガラスは、二枚以上のガラスを組み合わせる点は同じですが、目的も構造もまったく異なります。複層ガラスは、二枚のガラスの間に空気層を設けて封じたもので、動きにくい空気が熱を伝えにくいことを利用して断熱性能を得ています。一方、合わせガラスは二枚のガラスを樹脂の中間膜で全面的に接着したもので、間に空気層はありません。その目的は、割れても中間膜が破片を保持して飛散を防ぐ安全性と、打ち破りにくくする防犯性、さらに紫外線の遮蔽です。したがって、合わせガラスが中空層によって断熱性能を発揮しているという説明は、複層ガラスの原理をそのまま合わせガラスに当てはめた誤りになります。

他の選択肢が不適切な理由
「複層ガラスの中空層には、乾燥した空気を封入して用いる。」は正しく、水分を含んだ空気を封入すると温度が下がったときに中空層の内側で結露し、拭き取ることもできないため、あらかじめ乾燥した空気を封入するからです。「複層ガラスのスペーサーの内部には、乾燥剤が入れてある。」も正しく、封着材からわずかに侵入する水分を吸着し続けることで、長期にわたって内部結露を防ぐ役割を担っているからです。「合わせガラスの中間膜には、ポリビニルブチラールを用いる。」も正しく、この樹脂はガラスとよく接着し、粘りがあって破片を保持する能力に優れているため、合わせガラスの中間膜として標準的に用いられているからです。

試験の罠
複層ガラスは「断熱」、合わせガラスは「安全と防犯」、強化ガラスは「強度と粒状破砕」と、目的で三つを仕分けます。複層ガラスは中空層があるため現場での切断ができず、強化ガラスも切断や孔あけができない点も対で問われます。
問84-7

板ガラスの熱割れに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①熱線吸収板ガラスは、透明ガラスよりも熱割れが生じやすい。
  • ②ガラスの中央部と周辺部の温度差が、熱割れの原因となる。
  • ③切断面に微細な欠けがあると、熱割れが生じやすくなる。
  • ④室内側に厚いカーテンを密着させると、熱割れは生じにくい。
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正解 ④室内側に厚いカーテンを密着させると、熱割れは生じにくい。
解説
熱割れとは、日射を受けたガラスの中央部が温まって膨張しようとするのに対し、枠に納まって日陰になっている周辺部は温度が上がらず膨張しないために、その差によって周辺部に引張力が働き、小口から割れが進む現象です。したがって、中央部と周辺部の温度差が大きいほど熱割れは起こりやすくなります。室内側に厚いカーテンやブラインドをガラスに密着させると、ガラスとカーテンの間に熱がこもって中央部の温度がいっそう上がり、枠に接した周辺部との温度差が拡大します。つまり熱割れを助長する条件であり、生じにくくなるという記述は原因と逆になっています。対策としては、ガラスとの間に隙間をとって空気を通すことが有効です。

他の選択肢が不適切な理由
「熱線吸収板ガラスは、透明ガラスよりも熱割れが生じやすい。」は正しく、日射熱を吸収することで温度が上がりやすく、中央部と周辺部の温度差が大きくなるため、熱割れの検討が必要とされているからです。「ガラスの中央部と周辺部の温度差が、熱割れの原因となる。」も正しく、温度差によって生じる膨張量の差が周辺部に引張力を生み、これが熱割れの発生機構そのものだからです。「切断面に微細な欠けがあると、熱割れが生じやすくなる。」も正しく、小口の欠けや傷は力が集中する起点となり、健全な小口であれば耐えられる程度の引張力でも、そこから割れが進んでしまうからです。

試験の罠
熱割れは「温度差」と「小口の傷」の二つが要因です。熱線吸収ガラスや熱線反射ガラス、色ガラス、背面に物を置く納まりはいずれも危険側であり、切断面を滑らかに仕上げるクリーンカットが対策になります。網入りガラスの錆割れとは原因が別である点に注意します。
問94-7

ガラスの構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①構造ガスケット構法では、ジッパーを押し込んで固定する。
  • ②不定形シーリング材構法では、可動窓の水密性を確保できる。
  • ③グレイジングチャンネル構法は、水密性が高く外部に適する。
  • ④SSG構法では、シーリング材でガラスを支持部材に接着する。
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正解 ③グレイジングチャンネル構法は、水密性が高く外部に適する。
解説
グレイジングチャンネルとは、ガラスの周囲にはめ込む断面がコの字形の成形材で、ガラスと枠の間の緩衝と一応の止水を兼ねる部材です。取付けが容易で施工の手間が少ない反面、四隅の突き合わせ部分にどうしても隙間が残り、また部材自体の弾力だけで押さえているため、強い風圧を受けたときに水が入り込みやすいという弱点があります。そのため水密性を強く要求される外部の建具、とくに風圧の大きい高層部や雨掛かりの多い部位には適さず、一般には室内の建具や水密性の要求が低い部位に用います。外部で高い水密性が必要な場合は、不定形シーリング材構法や構造ガスケット構法を選ぶのが原則です。

他の選択肢が不適切な理由
「構造ガスケット構法では、ジッパーを押し込んで固定する。」は正しく、あらかじめ躯体側に取り付けた合成ゴム製のガスケットの溝にガラスを納め、ジッパーと呼ばれる帯状の部材を押し込むことでガスケットを膨らませ、ガラスを圧着して保持する仕組みだからです。「不定形シーリング材構法では、可動窓の水密性を確保できる。」も正しく、現場で充填するシーリング材が隙間なくガラスと枠に密着するため、開閉を伴う建具でも高い水密性と気密性を得られるからです。「SSG構法では、シーリング材でガラスを支持部材に接着する。」も正しく、構造シーラントによってガラスを支持部材へ直接接着し、外部に押縁を見せずに納める構法だからです。

試験の罠
グレイジングチャンネルは「簡便だが水密性が低い」、シーリング材構法と構造ガスケット構法は「手間はかかるが水密性が高い」と対で整理します。構造ガスケットのジッパーは、締め付けの部材であって単なる化粧材ではない点も問われます。
問104-7

ガラスおよび建具の加工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①強化ガラスは、現場での切断や孔あけをしないで納入した。
  • ②複層ガラスは、寸法が合わないため現場で切断して納めた。
  • ③合わせガラスは、工場で所定の寸法に加工したものを用いた。
  • ④型板ガラスは、型模様のある面を室内側に向けて取り付けた。
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正解 ②複層ガラスは、寸法が合わないため現場で切断して納めた。
解説
複層ガラスは、二枚のガラスの周囲をスペーサーと封着材で密閉し、内部に乾燥空気を閉じ込めた製品です。この密閉構造こそが断熱性能と内部結露防止の要であり、現場で切断すればその瞬間に封着が破れ、中空層に外気と水分が入り込みます。そうなると断熱性能が失われるだけでなく、中空層の内側が結露して曇り、しかも内部は拭くことができないため、製品として使い物になりません。したがって複層ガラスは、必ず工場で所定の寸法に製造したものを現場に搬入します。寸法が合わない場合は、現場加工ではなく製品の作り直しか、枠側の納まりの調整で対応するのが正しい判断です。

他の選択肢が不適切な理由
「強化ガラスは、現場での切断や孔あけをしないで納入した。」は正しく、強化ガラスは表面に圧縮の力を、内部に引張の力を与えて釣り合わせた製品であり、切断や孔あけでこの釣り合いが崩れると全体が粒状に砕けてしまうため、加工はすべて強化処理の前に済ませておく必要があるからです。「合わせガラスは、工場で所定の寸法に加工したものを用いた。」も正しく、中間膜で接着された製品を現場で切断すると膜の端部が露出して剥離や白化の原因になるため、工場で仕上げた製品を用いるのが原則だからです。「型板ガラスは、型模様のある面を室内側に向けて取り付けた。」も正しく、模様のある面は凹凸に汚れがたまりやすく、雨水にさらされると汚れが固着して清掃も難しくなるため、平滑な面を外部側に向けるのが標準だからです。

試験の罠
現場加工ができないガラスとして、強化ガラス、複層ガラス、合わせガラスの三つをまとめて覚えます。強化ガラスは「加工すると全体が砕ける」、複層ガラスは「封着が破れる」と、理由が異なる点まで押さえておくと確実です。

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