ビニル床シートの撤去および下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①既存のシートは、ケレン棒を用いてはがして撤去した。
- ②下地に残った接着剤は、そのまま残して新しく張り付けた。
- ③撤去の後の下地の凹凸は、下地調整材で平滑に補修した。
- ④撤去した廃材は、分別して所定の方法で処分して搬出した。
答えと解説を見る
床材を撤去した後の下地には、古い接着剤が斑に残ります。この古い接着剤は、長い年月のあいだに硬化して脆くなっていたり、逆に軟化して粘つきが残っていたりして、いずれの場合も新しい接着剤との相性が保証されません。とくに古い接着剤が水性で、新しい接着剤が溶剤系である場合などは、新しい接着剤の溶剤が古い層を溶かして軟化させ、床材が動く原因になります。また、残った接着剤の厚みの差がそのまま不陸となって仕上がりにあらわれます。したがって、残存した接着剤はディスクサンダーやスクレーパーで削り取り、平滑で健全な下地面を出してから新しい床材を張るのが正しい手順です。
他の選択肢が不適切な理由
「既存のシートは、ケレン棒を用いてはがして撤去した。」は正しく、床用のケレン棒は刃を寝かせてシートと下地の間に差し込み、下地を大きく傷めずにはがすための道具であり、標準的な撤去の方法だからです。「撤去の後の下地の凹凸は、下地調整材で平滑に補修した。」も正しく、撤去の作業で生じた欠けや、古い接着剤を削った跡の段差を残したまま張ると、薄い床材はその凹凸をそのまま拾って仕上がりを損なうからです。「撤去した廃材は、分別して所定の方法で処分して搬出した。」も正しく、改修工事で生じた廃材は建設廃棄物として排出事業者が分別と適正な処理の責任を負うため、混合したまま排出することは認められないからです。
試験の罠
改修の原則は「古い層を残さない」ことです。シーリングの再充填、塗膜の除去、接着剤の除去は、いずれも同じ考え方で判断できます。ただし防水のかぶせ工法のように、既存を残すことが認められている工法もあるため、工法ごとの前提を確認します。