外壁タイル張り仕上げの劣化調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①ひび割れや白華の状況は、目視により記録して図に示した。
- ②浮きの範囲は、目視のみで判断して打診の調査を省略した。
- ③赤外線装置法により、日射を受けた面の温度差から推定した。
- ④引張接着試験により、接着の強さを数値として確認した。
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外壁タイルの浮きは、タイルと下地モルタル、あるいはモルタルと躯体との間に生じた空隙です。この空隙は内部にあるため、表面を見ただけでは分かりません。実際、ひび割れも変色もない健全に見える面の裏側が広範囲に浮いていることは珍しくなく、それが落下事故につながります。したがって浮きの調査は、打診用ハンマーで全面をたたき、健全な部分の高い音と、浮いた部分の濁った低い音の違いによって範囲を特定する打診が基本です。目視だけで判断して打診を省略することは、最も危険な浮きを見落とすことを意味し、改修の範囲を誤って決めることになります。目視は、ひび割れや白華などの表面にあらわれた劣化を把握するための補助的な手段です。
他の選択肢が不適切な理由
「ひび割れや白華の状況は、目視により記録して図に示した。」は正しく、表面にあらわれた劣化は目視でとらえることができ、位置と程度を図に落として初めて改修の範囲と数量を決められるからです。「赤外線装置法により、日射を受けた面の温度差から推定した。」も正しく、浮きの部分は空気層があるため熱の伝わり方が異なり、日射を受けたときに健全部より温度が高くなるという性質を利用して、足場を設けずに広い面を調査できるからです。「引張接着試験により、接着の強さを数値として確認した。」も正しく、タイルを実際に引っ張って剥がれるときの力を測ることで、目視や打診では分からない接着の程度を数値で把握でき、改修工法の選定の根拠にできるからです。
試験の罠
調査方法は、打診が基本、赤外線装置法は広範囲を効率よく調べる手段、引張接着試験は数値で確認する手段、と役割で整理します。赤外線装置法は天候や日射の条件に左右されるため、打診の完全な代替にはならない点も問われます。