2026年版・4-11

断熱工事とカーテンウォール工事の一問一答

1級建築施工管理技士「仕上施工」から、断熱工事とカーテンウォール工事に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-11

硬質ウレタンフォームの吹付け工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①施工に先立って、下地面の粉じんや油分を取り除いて清掃した。
  • ②1層の吹付け厚さは、50mmとなるように一度で吹き付けた。
  • ③総厚さが80mmを超える部分は、多層に分けて吹き付けた。
  • ④作業中は換気を行い、火気の使用を全面的に禁止した。
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正解 ②1層の吹付け厚さは、50mmとなるように一度で吹き付けた。
解説
硬質ウレタンフォームの吹付けは、原液が下地に触れた瞬間に発泡して膨らみ、そのまま硬化する工法です。1層を厚く吹き付けると、発泡による膨張と硬化のときに出る熱が内部にこもり、内部と表面で発泡の状態が大きく異なる不均一な層になります。その結果、内部にすが入って断熱性能が落ちるほか、収縮によって下地から剥離したり、表面が割れたりします。このため1層あたりの吹付け厚さは30mm以下とし、所定の厚さは層を重ねて確保するのが標準です。50mmを一度に吹き付けるという記述は、この上限を大きく超えており不適当です。薄く重ねることで、各層が確実に発泡・硬化し、下地との接着も安定します。

他の選択肢が不適切な理由
「施工に先立って、下地面の粉じんや油分を取り除いて清掃した。」は正しく、この工法は下地への接着によって断熱材を保持するため、粉じんや油分が残っていると接着面が弱くなり、自重や温度変化で剥離するからです。「総厚さが80mmを超える部分は、多層に分けて吹き付けた。」も正しく、厚い断熱層を確保する場合は1日の作業でも複数回に分け、さらに厚さが大きい場合は日を分けて吹き重ねることで、内部までむらなく発泡させることができるからです。「作業中は換気を行い、火気の使用を全面的に禁止した。」も正しく、発泡時に可燃性のガスが発生し、また硬化前のフォームは着火しやすいため、換気と火気の管理は安全上の必須事項だからです。

試験の罠
数値は、1層30mm以下、総厚さ80mm超で多層吹き、施工可能な下地温度はおおむね5℃以上、という三点が要点です。厚く吹くほど断熱性能が上がるという直感は、施工の品質を無視した誤りになります。
問24-11

型枠打込み工法による断熱材の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①断熱材は、せき板に取り付けてからコンクリートを打ち込んだ。
  • ②窓枠の周囲の断熱材は、省略して打込みを行い納めていった。
  • ③断熱材の継目には、隙間が生じないように突き付けて並べた。
  • ④打込み後は、断熱材の欠損部を現場発泡の材料で補修した。
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正解 ②窓枠の周囲の断熱材は、省略して打込みを行い納めていった。
解説
断熱は、建物を切れ目なく包み込んで初めて効果を発揮します。窓枠の周囲のように断熱材が途切れる部分は、そこだけ熱が集中して出入りする経路、いわゆる熱橋になります。熱橋の部分は冬季に室内側の表面温度が周囲より低くなるため、そこに空気中の水分が結露し、かびの発生や仕上材の劣化を引き起こします。窓の周囲は結露が生じやすい代表的な部位であり、断熱を省略することは不具合を設計段階から作り込むのと同じです。したがって、窓枠の周囲こそ断熱材を確実に回し込み、打込み時に断熱材が入りにくい部分は、後から現場発泡の材料で補って連続性を確保する必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「断熱材は、せき板に取り付けてからコンクリートを打ち込んだ。」は正しく、型枠打込み工法とは、あらかじめ断熱材をせき板の内側に固定しておき、コンクリートの打込みと同時に一体化させる工法そのものだからです。「断熱材の継目には、隙間が生じないように突き付けて並べた。」も正しく、継目に隙間があるとその部分が熱橋となるうえ、コンクリートが隙間へ回り込んで断熱層を分断してしまうからです。「打込み後は、断熱材の欠損部を現場発泡の材料で補修した。」も正しく、脱型後にはコンクリートの回り込みや型枠の解体によって断熱材が欠けた箇所が生じるため、そこを埋めて断熱層の連続性を回復させる必要があるからです。

試験の罠
断熱工事の出題は「連続していること」を問うものがほとんどです。窓回り、床と壁の取合い、梁やスラブの貫通部など、断熱が切れやすい部位と結露の関係をセットで押さえておくと確実です。
問34-11

充填断熱工法における防湿層に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①耳付きのグラスウールは、耳を室内側の下地に留め付けた。
  • ②防湿層は、断熱材の屋外側に設けて室外からの湿気を防いだ。
  • ③防湿層の継目は、重ね合わせて隙間ができないように施工した。
  • ④配管が貫通する部分は、防湿層をテープで処理して連続させた。
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正解 ②防湿層は、断熱材の屋外側に設けて室外からの湿気を防いだ。
解説
冬季の結露を考えるとき、水蒸気は温度が高く湿度の高い側から低い側へ移動します。日本の一般的な建物では、冬に暖房された室内のほうが屋外より水蒸気の量が多いため、水蒸気は室内から壁の中へ入り込もうとします。壁の中で温度が下がった位置まで水蒸気が達すると、そこで結露して断熱材を濡らし、断熱性能を失わせるうえ、木部の腐朽や金属の腐食を招きます。これを内部結露といいます。したがって防湿層は、水蒸気が入ってくる側、すなわち断熱材の室内側に設けて、そもそも壁の中へ水蒸気を入れないようにします。屋外側に設けると、入り込んだ水蒸気が逃げられなくなり、かえって内部結露を悪化させます。

他の選択肢が不適切な理由
「耳付きのグラスウールは、耳を室内側の下地に留め付けた。」は正しく、耳付きの製品は防湿フィルムを室内側に向けて用いる構成であり、耳を下地に重ねて留めることで防湿層が連続するように作られているからです。「防湿層の継目は、重ね合わせて隙間ができないように施工した。」も正しく、防湿層はわずかな隙間があればそこから集中的に水蒸気が入り込むため、面としての連続性を確保しなければ効果がないからです。「配管が貫通する部分は、防湿層をテープで処理して連続させた。」も正しく、貫通部は防湿層が途切れる典型的な弱点であり、周囲をテープで密着させて塞がないと、その一点から内部結露が発生するからです。

試験の罠
防湿層は「室内側」、通気層と透湿防水シートは「屋外側」という位置関係が要点です。水蒸気は暖かい側から入り、冷たい側で結露するという原理から導けるので、暗記ではなく理屈で判断できるようにしておきます。
問44-11

メタルカーテンウォールの方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①方立方式は、方立を主体として面材をはめ込んで構成する。
  • ②固定方式は、層間変位を面内の回転や滑りによって吸収する。
  • ③スウェイ方式は、上下の取付け部の水平移動で変位に追従する。
  • ④ロッキング方式は、パネルが回転することで変位に追従する。
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正解 ②固定方式は、層間変位を面内の回転や滑りによって吸収する。
解説
カーテンウォールは、地震や風によって上下階の床が水平方向に相対的にずれる層間変位を受けます。この変位への対応の仕方によって方式が分かれます。面内変形追従形は、パネルを回転させるロッキング方式や、取付け部を水平に滑らせるスウェイ方式によって、パネル自体は変形させずに動きを逃がします。これに対して固定方式は、その名のとおりパネルを躯体に固定し、変位に対してはカーテンウォール自体が面内で変形することで対応します。したがって、固定方式を回転や滑りで吸収する方式と説明するのは、面内変形追従形の説明をそのまま当てはめた誤りです。方式の名称と、動くのか変形するのかという対応の仕方を結び付けて理解します。

他の選択肢が不適切な理由
「方立方式は、方立を主体として面材をはめ込んで構成する。」は正しく、縦方向の部材である方立を上下階の間に渡し、そこにガラスや金属パネルをはめ込んでいく構成であり、意匠的に縦の線が強調される方式だからです。「スウェイ方式は、上下の取付け部の水平移動で変位に追従する。」も正しく、層間変位が生じたときに取付け部が水平方向へ滑ることで、パネル本体には無理な力を与えずに変位を吸収する方式だからです。「ロッキング方式は、パネルが回転することで変位に追従する。」も正しく、パネルの下部を回転の中心として上部が水平に動くことにより、パネルを平行四辺形に変形させずに層間変位を逃がす方式だからです。

試験の罠
ロッキングは回転、スウェイは水平移動、と語の意味から動きを思い出せます。方式の違いは、目地幅の設計値やファスナーの構造にも直結するため、名称と動きの対応を確実に押さえておきます。
問54-11

カーテンウォールの取付け精度および目地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①目地幅の寸法の許容差は、±3mm程度を目安として管理した。
  • ②目地には、層間変位に追従できる寸法の余裕を確保した。
  • ③目地幅は、シーリング材の伸縮性能を考えずに最小とした。
  • ④取付け後の見え掛かりの通りを、水糸を張って確認した。
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正解 ③目地幅は、シーリング材の伸縮性能を考えずに最小とした。
解説
カーテンウォールの目地は、単なる部材どうしのすき間ではなく、部材の温度による伸縮と、地震時の層間変位を吸収するために設計された寸法をもつ部分です。この動きを受け止めるのが目地に充填されたシーリング材であり、シーリング材には材料ごとに、どの程度まで伸び縮みに追従できるかという性能が定められています。目地幅を最小にすると、同じ変位量に対してシーリング材が受ける伸び率が大きくなり、追従できる限界を超えて破断したり、被着面から剥離したりします。その結果、雨水が浸入して漏水に至ります。したがって目地幅は、想定される変位量とシーリング材の伸縮性能から逆算して決めるものであり、意匠上の都合や施工の容易さだけで最小にしてはなりません。

他の選択肢が不適切な理由
「目地幅の寸法の許容差は、±3mm程度を目安として管理した。」は正しく、目地幅は設計された寸法を確保することに意味があり、その施工上の管理値としておおむね±3mm程度が用いられているからです。「目地には、層間変位に追従できる寸法の余裕を確保した。」も正しく、地震時に上下階の床が相対的にずれても部材どうしが衝突しないよう、あらかじめ動く分の隙間を見込んでおく必要があるからです。「取付け後の見え掛かりの通りを、水糸を張って確認した。」も正しく、カーテンウォールは外観がそのまま建物の印象を決めるため、目地の通りや面のそろいを実測して確認することが取付け工事の重要な管理項目だからです。

試験の罠
「目地は狭いほうがきれい」という意匠上の発想は、性能面では誤りになります。目地幅はムーブメント量とシーリング材の性能から決まる、という因果関係を押さえておくと、外壁関係の設問全般に応用できます。
問64-11

プレキャストコンクリートカーテンウォールの施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①運搬および保管の際は、パネルを立てた状態で扱って保護した。
  • ②現場での保管は、平積みにして高く積み重ねて保管した。
  • ③取付けは、下の階から上の階へと順に進めて建て入れた。
  • ④取付け用のアンカーは、あらかじめ躯体に打ち込んで設けた。
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正解 ②現場での保管は、平積みにして高く積み重ねて保管した。
解説
プレキャストコンクリートのカーテンウォールパネルは、大きな面積に対して厚さが薄く、面外方向の曲げに弱い部材です。これを平らに寝かせて高く積み重ねると、下のパネルには上のパネルの重量が集中して面外方向の曲げとして加わり、ひび割れや欠けを生じます。また、間に挟む枕材の位置がずれると、点で支えることになって局部的に大きな力が働きます。さらに、表面の仕上げ面どうしがこすれて傷が付き、外観の不良にもつながります。このためパネルは、立てた状態で専用の架台に保管し、面外方向の曲げが加わらないようにするのが原則です。運搬時も同様に立てた状態とし、振動による衝突を防ぐ養生を行います。

他の選択肢が不適切な理由
「運搬および保管の際は、パネルを立てた状態で扱って保護した。」は正しく、パネルは面内方向には強く面外方向には弱いという性質があるため、自重が面内に働く立てた姿勢が最も安全だからです。「取付けは、下の階から上の階へと順に進めて建て入れた。」も正しく、下から積み上げるように取り付けることで、目地幅や通りの誤差を上へ逃がしながら調整でき、また足場や揚重の計画とも整合するからです。「取付け用のアンカーは、あらかじめ躯体に打ち込んで設けた。」も正しく、カーテンウォールの荷重と風圧を確実に躯体へ伝えるためには、コンクリートの打込み時に埋め込んだアンカーのほうが、後から施工するアンカーより信頼性が高いからです。

試験の罠
大きく薄い部材は立てて保管する、というのは押出成形セメント板やガラスにも共通する原則です。平積みという記述が出たら、その部材の弱い方向に力が加わらないかを必ず確認します。
問74-11

カーテンウォールの性能および取合い部に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①スパンドレル部の層間には、耐火性のある材料を充填した。
  • ②層間の塞ぎは、変位に追従できる納まりとして施工した。
  • ③水密性能の確認は、実物大の試験体で行って確かめた。
  • ④外部に面する目地は、二重に設けず一重のみで処理した。
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正解 ④外部に面する目地は、二重に設けず一重のみで処理した。
解説
外壁の雨仕舞いでは、一つの防水線だけに頼らないことが原則です。シーリング材は紫外線や温度変化によって少しずつ劣化し、また施工時にわずかな不良が混じることも避けられません。防水線が一重しかないと、その一箇所が破れた時点で直ちに室内への漏水に至ります。そこでカーテンウォールでは、外部側で雨水の大部分を止め、それでも入り込んだ水は内部の排水経路によって外へ導き、さらに内側の気密ラインで室内への到達を防ぐという多重の構成をとります。この考え方は等圧理論に基づく二段構えの雨仕舞いとして広く用いられており、一重のみで処理するという記述はこの原則に反します。防水は面ではなく、経路として設計するという理解が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「スパンドレル部の層間には、耐火性のある材料を充填した。」は正しく、カーテンウォールと床スラブの間のすき間をそのままにすると、火災時にそこを通って炎と煙が上階へ広がってしまうため、層間の塞ぎによって区画の連続性を確保する必要があるからです。「層間の塞ぎは、変位に追従できる納まりとして施工した。」も正しく、地震時に躯体とカーテンウォールが相対的に動くため、塞ぎ材が固定されていると破断してしまい、耐火の役目を果たせなくなるからです。「水密性能の確認は、実物大の試験体で行って確かめた。」も正しく、カーテンウォールの水密性は部材どうしの取合いの細部で決まり、図面や部分的な確認では判断できないため、実物大の試験体による確認が標準的な方法だからです。

試験の罠
層間塞ぎは「耐火」と「変位追従」の二つを同時に満たす必要がある、という点が狙われます。片方だけを述べた選択肢は正しく見えますが、固定してしまう納まりは誤りになります。
問84-11

断熱材の材料および施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①押出法ポリスチレンフォームは、水を吸いにくく地下の外壁に用いた。
  • ②グラスウールは、押し込んで圧縮した状態で充填して納めた。
  • ③ロックウールは、繊維系の断熱材で吸音の性能ももっている。
  • ④断熱材と下地の間に隙間ができないように密着させて施工した。
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正解 ②グラスウールは、押し込んで圧縮した状態で充填して納めた。
解説
グラスウールのような繊維系の断熱材は、繊維がからみ合ってできた無数の空隙に空気を閉じ込め、その動きにくい空気によって熱の伝わりを抑えています。つまり断熱性能の正体は、材料そのものではなく中に含まれる空気です。無理に押し込んで圧縮すると、この空隙がつぶれて空気の量が減り、密度は上がっても断熱性能は低下します。またいったん圧縮すると元の厚さには戻りにくく、部分的に厚さがばらつくことで断熱の弱い部分もできます。正しい施工は、所定の寸法に切ったものを、たるませず、かつ押し込まず、隙間なく充填することです。厚さを確保することと隙間をつくらないことが、繊維系断熱材の施工の要点になります。

他の選択肢が不適切な理由
「押出法ポリスチレンフォームは、水を吸いにくく地下の外壁に用いた。」は正しく、独立した気泡の構造をもつため水を吸いにくく、土に接して常に湿潤となる地下の外壁や、水分を受ける床の断熱に適しているからです。「ロックウールは、繊維系の断熱材で吸音の性能ももっている。」も正しく、繊維の間の空隙が音の振動エネルギーを摩擦によって熱に変えるため、断熱と吸音の両方の性能を備えているからです。「断熱材と下地の間に隙間ができないように密着させて施工した。」も正しく、隙間があるとそこで空気が動いて熱を運んでしまい、断熱材の厚さがあっても性能が発揮されないからです。

試験の罠
「密度を高くすれば断熱性能が上がる」という誤解が狙われます。繊維系断熱材では、動かない空気を確保することが本質であり、圧縮は性能低下につながります。一方、隙間をなくすための密着は必要である、という違いを区別します。
問94-11

カーテンウォールのファスナーおよび躯体との取合いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ファスナーには、取付け後の位置の調整ができる構造を用いた。
  • ②取付け金物は、溶接した後に錆止めの処理を省略して納めた。
  • ③躯体の施工誤差は、ファスナーの調整によって吸収させた。
  • ④ファスナーには、変位に追従できる方式のものを選定した。
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正解 ②取付け金物は、溶接した後に錆止めの処理を省略して納めた。
解説
ファスナーの取付け金物は、鋼材にあらかじめ錆止めの処理を施したうえで現場に搬入されます。しかし現場で溶接を行うと、その熱によって溶接部とその周辺の防錆皮膜が焼けて失われ、鋼の地肌が露出します。カーテンウォールの取合い部は、外壁の内側で結露が生じやすく、また万一の漏水があれば水が回りやすい位置にあります。この状態で防錆処理を省略すると、露出した部分から腐食が進行し、カーテンウォールを支える金物の断面が痩せていきます。ファスナーは外装材の脱落に直結する部材であり、溶接後は必ずスラグを除去し、改めて錆止め塗料を塗って皮膜を回復させなければなりません。

他の選択肢が不適切な理由
「ファスナーには、取付け後の位置の調整ができる構造を用いた。」は正しく、躯体には必ず施工誤差があり、カーテンウォールの目地の通りやレベルを所定の精度に納めるには、取り付けた後で三方向に調整できる仕組みが必要だからです。「躯体の施工誤差は、ファスナーの調整によって吸収させた。」も正しく、鉄筋コンクリートの躯体の精度と、工場で製作されたカーテンウォールの精度には差があり、その差を受け止める役割をファスナーが担っているからです。「ファスナーには、変位に追従できる方式のものを選定した。」も正しく、地震時の層間変位に対してカーテンウォールが躯体と一体に固まっていると部材が破壊されるため、回転や滑りを許容する方式を選ぶ必要があるからです。

試験の罠
溶接した後の防錆処理は、鉄骨工事、建具工事、カーテンウォール工事のいずれでも問われる共通事項です。工場での防錆は現場溶接によって失われる、という因果を押さえておけば判断できます。
問104-11

断熱工事とカーテンウォール工事の施工管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①現場発泡の断熱材は、下地の温度が低い場合に接着が悪くなる。
  • ②断熱材の厚さは、施工後に抜き取りで測定して確認する。
  • ③カーテンウォールの性能試験は、施工がすべて終わってから行う。
  • ④カーテンウォールの取付けには、風速による作業の中止基準を定める。
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正解 ③カーテンウォールの性能試験は、施工がすべて終わってから行う。
解説
カーテンウォールの耐風圧、気密、水密、層間変位追従といった性能は、部材の形状や取合いの納まりによって決まります。これらの性能は、工事に着手する前に実物大の試験体を用いた試験によって確認し、必要があれば納まりを是正して製作に入るのが正しい手順です。施工がすべて終わってから性能を確認しても、そこで不具合が判明した場合には、すでに取り付けた大量のパネルをやり直すことになり、費用も工期も回復できません。また、外装材の性能は建物の安全に直結するため、不良のまま供用することは許されません。試験は品質を証明するためだけでなく、着手前に納まりを検証するために行うという位置づけを理解しておく必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「現場発泡の断熱材は、下地の温度が低い場合に接着が悪くなる。」は正しく、発泡と硬化は化学反応であり、下地の温度が低いと反応が十分に進まないまま冷やされて、接着力も発泡の状態も確保できなくなるからです。「断熱材の厚さは、施工後に抜き取りで測定して確認する。」も正しく、とくに現場発泡では場所によって厚さがばらつくため、施工後に針を刺すなどの方法で複数箇所を測り、所定の厚さが確保されていることを確かめる必要があるからです。「カーテンウォールの取付けには、風速による作業の中止基準を定める。」も正しく、大きな面積をもつパネルを揚重する作業は風の影響を強く受け、パネルが振れて周囲や作業者に危険を及ぼすため、あらかじめ中止する風速を定めておく必要があるからです。

試験の罠
性能確認の時期を問う設問では、「着手前に確認して是正できる状態にする」というのが一貫した答えになります。事後の検査は不具合を見つけるだけで防げない、という品質管理の基本と結び付けて覚えます。

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