2026年版・3-4

既製杭工事の一問一答

1級建築施工管理技士「躯体施工」から、既製杭工事に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-4

既製杭に用いる材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①PHC杭は、遠心力成形の後に養生を行わない普通コンクリート杭である。
  • ②PHC杭は、あらかじめ緊張力を与えている高強度のコンクリート杭である。
  • ③SC杭は、鋼管の内側にコンクリートを充填した複合の構造の杭である。
  • ④鋼管杭は、じん性に優れ、水平力に対する抵抗が大きい杭である。
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正解 ①PHC杭は、遠心力成形の後に養生を行わない普通コンクリート杭である。
解説
PHC杭は、高強度プレストレストコンクリート杭の略称で、遠心力によって成形したのちオートクレーブと呼ばれる装置の中で高温高圧の蒸気養生を行い、コンクリートの設計基準強度を80N/mm2以上まで高めた杭です。したがって養生を行わない普通コンクリートの杭という記述は誤りです。高い強度をもたせるのは、杭を運搬したり打ち込んだりする際の衝撃に耐える必要があるためであり、また同じ支持力をより細い断面で得られるようにするためでもあります。あわせて、あらかじめ鋼材に緊張力を与えてコンクリートに圧縮の力を蓄えておくことで、曲げを受けたときにひび割れが生じにくくなっています。

他の選択肢が不適切な理由
「PHC杭は、あらかじめ緊張力を与えている高強度のコンクリート杭である。」は正しく、名称のうちPがプレストレスト、Hが高強度を表しています。「SC杭は、鋼管の内側にコンクリートを充填した複合の構造の杭である。」も正しく、変形しやすい杭頭部に用いられることが多い杭です。「鋼管杭は、じん性に優れ、水平力に対する抵抗が大きい杭である。」も正しく、地震時の変形にも追従できます。

試験の罠
PC杭とPHC杭は、蒸気養生によって強度を高めているかどうかで区別します。SC杭は杭頭部に、PHC杭はその下に継いで用いるという組合せも、地震時に曲げが集中する位置と結びつけて覚えます。
問23-4

既製杭の施工方法の分類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①打込み工法は、ハンマーで杭を直接打ち込んで所定の深さまで沈める工法である。
  • ②プレボーリング工法は、掘削をしながら同時に杭を打撃して沈める工法である。
  • ③中掘り工法は、杭の中空部にオーガーを通して掘削しながら沈める工法である。
  • ④回転圧入工法は、杭の先端に取り付けた翼を回転させて杭を沈める工法である。
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正解 ②プレボーリング工法は、掘削をしながら同時に杭を打撃して沈める工法である。
解説
プレボーリング工法は、その名のとおりあらかじめアースオーガーで所定の深さまで穴を掘り、その掘削孔に根固め液と杭周固定液を注入したうえで、杭を建て込んで沈設する工法です。杭を打撃して沈めるものではないため記述は誤りです。掘削した孔に杭を挿入するという手順をとるからこそ、打撃に伴う大きな騒音と振動が生じず、市街地の工事に適した工法として広く用いられています。打撃を伴うのは打込み工法であり、こちらは支持力が確実に確認できる一方で、騒音規制法や振動規制法の対象となる特定建設作業に該当し、周辺への影響が大きいため採用できる場所が限られます。

他の選択肢が不適切な理由
「打込み工法は、ハンマーで杭を直接打ち込んで所定の深さまで沈める工法である。」は正しく、油圧ハンマーやディーゼルハンマーが用いられます。「中掘り工法は、杭の中空部にオーガーを通して掘削しながら沈める工法である。」も正しく、杭径の大きい杭に適します。「回転圧入工法は、杭の先端に取り付けた翼を回転させて杭を沈める工法である。」も正しく、排出する土がほとんど生じません。

試験の罠
杭の工法は、打撃で沈める打込み工法と、掘ってから入れる埋込み工法の二つに大きく分かれます。プレボーリング工法、中掘り工法、回転圧入工法はいずれも埋込み工法に属するという整理をしておくと、分類を問う出題に対応できます。
問33-4

セメントミルク工法による既製杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①根固め液を注入した後のアースオーガーは、逆回転させながら引き上げる。
  • ②支持層への到達は、オーガーの駆動電流値と排出される土により確認する。
  • ③掘削は、孔壁の崩壊を防ぐため安定液を用いながら行うものとする。
  • ④根固め液の注入は、アースオーガーの先端から吐出させながら行う。
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正解 ①根固め液を注入した後のアースオーガーは、逆回転させながら引き上げる。
解説
アースオーガーの先端に付いている掘削刃は、正回転させたときに土をらせん状の羽根に沿って上へ送り上げる向きに付いています。引上げの際に逆回転させると、羽根に付着していた土が孔の中へ落ち込み、せっかく注入した根固め液と混ざって薄めてしまいます。その結果、杭の先端部の強度が確保できず、支持力が不足します。したがって逆回転させながら引き上げるという記述は誤りで、正回転のままゆっくりと引き上げるのが正しい方法です。またオーガーを速く引き上げると、その動きによって孔の中が負圧になり、孔壁が崩れる恐れもあります。回転の向きと引上げの速度という二つの管理が、杭先端の品質を左右します。

他の選択肢が不適切な理由
「支持層への到達は、オーガーの駆動電流値と排出される土により確認する。」は正しく、事前のボーリング調査の結果と照らし合わせて判断します。「掘削は、孔壁の崩壊を防ぐため安定液を用いながら行うものとする。」も正しく、掘削孔の内壁を保護します。「根固め液の注入は、アースオーガーの先端から吐出させながら行う。」も正しく、杭の先端が定着する部分に確実に行き渡らせます。

試験の罠
引上げは正回転という点は、理由まで問われる定番の知識です。土を上へ送る向きが正回転であることを押さえれば、逆回転が何を起こすかも自然に説明できます。
問43-4

セメントミルク工法における数値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①掘削孔の径は、杭の径よりおよそ100mm大きくすることを標準とする。
  • ②アースオーガーの先端は、支持層に至った位置でただちに掘削を止める。
  • ③杭は、支持層に1m以上の深さまで根入れさせるものとされている。
  • ④根固め液の水セメント比は、杭周固定液のそれよりも小さい値とする。
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正解 ②アースオーガーの先端は、支持層に至った位置でただちに掘削を止める。
解説
アースオーガーの掘削は、支持層に達した位置で止めるのではなく、そこからさらに1.5m程度掘り進めます。これは、杭の先端を支持層の中に十分に入れ込むためです。杭の先端が支持層の上面すれすれの位置にあると、支持層の面がわずかに傾いていたり、深さにばらつきがあったりした場合に、杭が支持層に届いていない事態が起こりえます。したがって支持層に至った位置でただちに止めるという記述は誤りです。掘削の深さに余裕をもたせたうえで、杭そのものは支持層に1m以上の深さまで根入れさせます。オーガーの到達深さと杭の根入れ深さは別々に管理する数値であり、両者を混同しないことが重要です。

他の選択肢が不適切な理由
「掘削孔の径は、杭の径よりおよそ100mm大きくすることを標準とする。」は正しく、杭を挿入する余裕と、杭の周囲に固定液を行き渡らせる隙間を確保します。「杭は、支持層に1m以上の深さまで根入れさせるものとされている。」も正しい規定です。「根固め液の水セメント比は、杭周固定液のそれよりも小さい値とする。」も正しく、先端部により高い強度が求められるためです。

試験の罠
1.5mが支持層を掘り進む深さ、1m以上が杭の根入れの深さ、100mmが孔径と杭径の差という三つの数値をそれぞれ対象と結びつけて覚えます。根固め液の水セメント比は70%以下と定められており、杭周固定液はこれよりはるかに薄い配合とします。
問53-4

中掘り工法による既製杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①中掘り工法は、杭の中空部にオーガーを挿入して掘削しながら杭を沈める。
  • ②先端の処理には、最終打撃方式やセメントミルク噴出撹拌方式などがある。
  • ③掘削は、杭の先端よりも十分に先行して行うほど杭の支持力が高くなる。
  • ④杭径の大きい杭に適し、周辺への騒音や振動が比較的小さい工法である。
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正解 ③掘削は、杭の先端よりも十分に先行して行うほど杭の支持力が高くなる。
解説
中掘り工法では、オーガーによる掘削が杭の先端よりも先へ進みすぎると、杭の周囲の地盤が緩んでしまいます。地盤が緩めば、杭の側面と地盤との間に生じる摩擦による支持力が減り、また杭の先端が支える力も低下します。したがって先行して掘るほど支持力が高まるという記述は逆で誤りです。実際には、オーガーの先端が杭の先端から出過ぎないように管理しながら掘り進めます。とくに砂質地盤では、掘りすぎによって周囲の砂が孔の中へ流れ込み、地表面の沈下を招くこともあります。中掘り工法は排出する土が少なく騒音も小さい利点をもつ一方で、掘削と杭の沈設の進み具合を絶えず対応させる管理が求められる工法です。

他の選択肢が不適切な理由
「中掘り工法は、杭の中空部にオーガーを挿入して掘削しながら杭を沈める。」は正しい説明です。「先端の処理には、最終打撃方式やセメントミルク噴出撹拌方式などがある。」も正しく、このほかコンクリート打設方式があります。「杭径の大きい杭に適し、周辺への騒音や振動が比較的小さい工法である。」も正しく、プレボーリング工法では扱いにくい大径の杭にも用いられます。

試験の罠
掘りすぎると地盤が緩むという原則は、プレボーリング工法でオーガーを速く引き上げてはならない理由とも共通します。杭の支持力は周囲の地盤の締まり具合に支えられているという見方をすると、両者を同じ理屈で理解できます。
問63-4

打込み工法による既製杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①打止めの管理は、一打当たりの貫入量とリバウンド量により行う。
  • ②杭の打込みは、打止めまで連続して行うことを原則としている。
  • ③群杭を打ち込む場合は、中央部から外側へ向かって打ち進めるのがよい。
  • ④打込み工法は、騒音や振動が小さいため市街地の工事に最も適している。
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正解 ④打込み工法は、騒音や振動が小さいため市街地の工事に最も適している。
解説
打込み工法は、ハンマーで杭の頭部を繰り返し叩いて地中に沈めていく工法であり、その性質上、大きな騒音と振動を伴います。騒音規制法および振動規制法では、くい打機を用いる作業を特定建設作業として定め、作業時間や作業日数、基準値による規制を行っています。したがって騒音や振動が小さく市街地に最も適するという記述は正反対で誤りです。市街地で用いられるのは、掘削してから杭を挿入する埋込み工法です。打込み工法の利点は、打撃の状況から支持力を直接確かめられること、掘削による周辺地盤の緩みが生じないこと、そして工期が短いことにあり、周囲に住居のない場所では今も有力な選択肢となります。

他の選択肢が不適切な理由
「打止めの管理は、一打当たりの貫入量とリバウンド量により行う。」は正しく、支持層に達すると貫入量が小さくなり跳ね返りが大きくなります。「杭の打込みは、打止めまで連続して行うことを原則としている。」も正しく、中断すると周囲の摩擦が回復して打ち込めなくなることがあります。「群杭を打ち込む場合は、中央部から外側へ向かって打ち進めるのがよい。」も正しく、先に外周を打つと内側の地盤が締まって打ち込めなくなります。

試験の罠
打ち進める順序は、中央から外へというのが原則です。杭を打つことで周囲の地盤が締め固められるという性質から順序が決まると理解しておけば、埋込み工法との違いも整理できます。
問73-4

既製コンクリート杭の継手に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①気温が5℃以下の場合は、いかなる措置を講じても溶接を行えない。
  • ②杭の継手は、半自動アーク溶接による突合せ継手を用いることが多い。
  • ③降雨や降雪のときは、適切な養生を行わない限り溶接を行ってはならない。
  • ④風の強いときは、防風の措置を講じたうえで溶接を行うものとする。
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正解 ①気温が5℃以下の場合は、いかなる措置を講じても溶接を行えない。
解説
気温が低いときの溶接は、溶接した部分が急速に冷やされて硬くもろい組織になり、割れが生じやすくなるため制限されています。既製コンクリート杭の現場溶接継手の作業標準では、気温が5℃以下のときは溶接を行ってはならないと定める一方で、気温が零下10℃から5℃までの範囲であって、溶接部から100mm以内の部分がすべて36℃以上に予熱されているときは溶接してよいという例外も定めています。したがって、いかなる措置を講じても行えないとする記述は誤りです。低温そのものが問題なのではなく、急冷によって硬くもろくなることが問題ですから、あらかじめ温めておけばその原因を取り除けるという考え方に基づく規定です。同じ理屈は、鉄骨の溶接における予熱の考え方とも共通しています。

他の選択肢が不適切な理由
「杭の継手は、半自動アーク溶接による突合せ継手を用いることが多い。」という記述は正しく、杭の端部に取り付けられた金具どうしを全周にわたって溶接します。手作業に比べて溶接の品質がそろいやすく、作業も速く進みます。「降雨や降雪のときは、適切な養生を行わない限り溶接を行ってはならない。」という記述も正しく、母材がぬれていると水分が分解して生じた水素が溶接金属に入り込み、気孔や低温割れの原因となります。テントなどで確実に覆えば施工できます。「風の強いときは、防風の措置を講じたうえで溶接を行うものとする。」という記述も正しく、風はアークを乱すだけでなく、溶接部を空気から守るシールドガスやスラグを吹き飛ばして品質を損ないます。いずれも、条件を満たす措置を講じれば施工できるという点で共通しており、無条件に禁止されるわけではありません。

試験の罠
5℃以下は原則として溶接禁止、予熱すれば零下10℃まで施工可、予熱の範囲は溶接部から100mm以内で36℃以上、という三つをひと組で覚えます。数値だけでなく、100mmが範囲、36℃が温度という対応まで確かめておくと取り違えません。
問83-4

既製杭の運搬、保管および建込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①杭を仮置きする際は、地盤を平らにならして枕木を用いて支持する。
  • ②杭の仮置きの支持点は、杭の両端の位置とするのが最も適切である。
  • ③杭を吊り上げる際は、杭に有害なひび割れが生じないよう注意する。
  • ④建込みの際は、二方向から傾きを確認して鉛直に建て込むものとする。
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正解 ②杭の仮置きの支持点は、杭の両端の位置とするのが最も適切である。
解説
杭を両端の二点だけで支えると、支間の中央に大きな曲げモーメントが生じ、自重によってひび割れが生じる恐れがあります。梁として考えたときに曲げが最も小さくなるのは、支持点を端から少し内側へ寄せた位置であり、実際には杭の全長のおよそ五分の一の位置を二点で支えるのが標準とされています。したがって両端の位置とするのが最も適切という記述は誤りです。既製コンクリート杭は、あらかじめ緊張力を与えてあるとはいえ引張には弱く、運搬中や仮置き中に生じたひび割れは、打ち込むときの衝撃でさらに広がります。地中に埋まったあとでは補修も確認もできないため、施工の前の段階で損傷させないことが決定的に重要になります。

他の選択肢が不適切な理由
「杭を仮置きする際は、地盤を平らにならして枕木を用いて支持する。」は正しく、地盤が不陸のままでは局部的に力が集中します。「杭を吊り上げる際は、杭に有害なひび割れが生じないよう注意する。」も正しく、吊り点の位置も定められています。「建込みの際は、二方向から傾きを確認して鉛直に建て込むものとする。」も正しく、直交する二方向から見て初めて鉛直かどうかが確かめられます。

試験の罠
五分の一という支持点の位置は、吊り上げるときの吊り点の位置とも共通します。二方向から確認するという点は、鉄骨の建方における建入れ直しの考え方とも同じで、一方向だけでは傾きを判断できないという理屈で覚えます。
問93-4

既製杭の配置および支持力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①打込み杭の中心間隔は、杭径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。
  • ②埋込み杭の中心間隔は、杭径の2倍以上を確保することとされている。
  • ③群杭の支持力は、杭を単独で用いた場合の支持力の合計よりも大きい。
  • ④杭の支持力は、先端の支持力と周面の摩擦力とを合わせたものである。
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正解 ③群杭の支持力は、杭を単独で用いた場合の支持力の合計よりも大きい。
解説
杭を近い間隔で多数配置すると、それぞれの杭が地盤に伝える応力の範囲が互いに重なり合い、一本ずつが単独で働くときのようには支持力を発揮できなくなります。これを群杭効果といい、群杭全体の支持力は、同じ杭を単独で用いたときの支持力を本数分だけ足した値よりも小さくなるのが一般的です。したがって合計よりも大きいという記述は誤りです。また沈下についても、応力が及ぶ範囲が深くまで広がるため、単杭の場合より大きな沈下を生じます。杭の中心間隔に下限が定められているのは、この重なりをできるだけ小さくするためであり、間隔を詰めれば詰めるほど効率が上がるわけではないことを示しています。

他の選択肢が不適切な理由
「打込み杭の中心間隔は、杭径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。」は正しく、打込みによる周辺地盤の締固めの影響も見込んだ値です。「埋込み杭の中心間隔は、杭径の2倍以上を確保することとされている。」も正しく、打込み杭より小さい値でよいとされています。「杭の支持力は、先端の支持力と周面の摩擦力とを合わせたものである。」も正しく、支持杭と摩擦杭はどちらの割合が大きいかによる区分です。

試験の罠
2.5倍かつ75cmという打込み杭の数値と、2倍という埋込み杭の数値を対で覚えます。群杭効果は、支持力が下がり沈下が増えるという二つの影響がある点まで押さえます。
問103-4

杭の負の摩擦力および杭頭の処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①負の摩擦力は、周囲の地盤が杭より大きく沈下するときに生じる力である。
  • ②負の摩擦力の対策には、杭の表面の摩擦を小さくする方法などがある。
  • ③杭頭は、基礎に定着させるため所定の長さだけ基礎の中へ埋め込む。
  • ④負の摩擦力は、摩擦杭のほうが支持杭よりも問題となりやすい力である。
答えと解説を見る
正解 ④負の摩擦力は、摩擦杭のほうが支持杭よりも問題となりやすい力である。
解説
負の摩擦力は、埋立てや地下水位の低下によって軟弱な層が圧密沈下し、その地盤が杭よりも大きく沈むときに、杭を下へ引きずり下ろそうとして働く力です。この力が深刻な問題になるのは、先端を硬い支持層に固定した支持杭のほうです。支持杭は先端が動かないため、上から引きずり下ろす力がそのまま杭に加わり、杭体の軸力が過大になって破壊することがあります。したがって摩擦杭のほうが問題となりやすいという記述は誤りです。摩擦杭は周囲の地盤とともにある程度沈下できるため、杭と地盤との相対的な動きが小さくなり、負の摩擦力も大きくなりにくくなります。地盤沈下が予想される場所で杭の種類を選ぶ際は、この違いが重要な判断材料になります。

他の選択肢が不適切な理由
「負の摩擦力は、周囲の地盤が杭より大きく沈下するときに生じる力である。」は正しい定義です。「負の摩擦力の対策には、杭の表面の摩擦を小さくする方法などがある。」も正しく、杭の表面に特殊な材料を塗る方法や、二重管とする方法があります。「杭頭は、基礎に定着させるため所定の長さだけ基礎の中へ埋め込む。」も正しく、あわせて杭頭の補強筋を配することもあります。

試験の罠
負の摩擦力は支持杭で問題になるという点が最大の要点です。杭と地盤のどちらがより沈むかという相対的な関係で摩擦の向きが決まると理解すれば、通常の摩擦力が上向きに働くのと同じ理屈で説明できます。

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