2026年版・3-15

鉄骨の錆止め塗装と耐火被覆の一問一答

1級建築施工管理技士「躯体施工」から、鉄骨の錆止め塗装と耐火被覆に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-15

鉄骨の錆止め塗装を行わない部分に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①コンクリートに埋め込まれる部分には、防食のため錆止め塗装を行います。
  • ②高力ボルト摩擦接合部の摩擦面には、錆止め塗装を行わないものとします。
  • ③組立てによって肌合わせとなる部分には、錆止め塗装を行わないものとします。
  • ④密閉される閉鎖形断面の内面には、錆止め塗装を行わないものとします。
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正解 ①コンクリートに埋め込まれる部分には、防食のため錆止め塗装を行います。
解説
公共建築工事標準仕様書の鉄骨工事では、錆止め塗装を行わない部分が定められており、コンクリートに埋め込まれる部分はその一つです。コンクリートは強いアルカリ性を示し、その中にある鋼材の表面には不動態被膜と呼ばれる薄い保護層ができるため、コンクリートに包まれているかぎり鋼材はさびません。むしろ塗膜があると、コンクリートと鋼材の付着が塗膜のところで切れてしまい、力の伝達が期待できなくなります。柱脚のベースプレートより下の部分や、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱や梁の埋込み部分がこれにあたります。したがって、防食のために塗装するという考え方は、この場合はかえって不都合を生みます。

他の選択肢が不適切な理由
「高力ボルト摩擦接合部の摩擦面には、錆止め塗装を行わないものとします。」は正しく、摩擦接合は板と板の間の摩擦で力を伝えるため、塗膜があるとすべりやすくなって所定の耐力が得られないからです。「組立てによって肌合わせとなる部分には、錆止め塗装を行わないものとします。」も正しく、密着させる面に塗膜が挟まると隙間や段差の原因になり、精度が確保できなくなるためです。「密閉される閉鎖形断面の内面には、錆止め塗装を行わないものとします。」も正しく、完全に密閉されて空気と水が入らない内面では錆が進行しないため、塗装する意味がないからです。角形鋼管の内側などがこれにあたります。

試験の罠
塗装しない部分は「コンクリートに埋まる」「摩擦面」「密閉された内面」「密着する面」「耐火被覆が接着する面」「現場溶接の周辺」の6つの考え方で整理できます。いずれも塗ると不都合が生じる場所だと理解すると覚えやすくなります。
問23-15

工事現場で溶接を行う部分の錆止め塗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①超音波探傷試験に支障を及ぼす範囲についても、錆止め塗装を行わないものとします。
  • ②工事現場溶接を行う部分に隣接する両側それぞれ50mm以内は、塗装を行いません。
  • ③溶接部に塗膜が残っていると、溶接金属に気孔などの欠陥が生じるおそれがあります。
  • ④現場溶接が終わった後は、その部分に錆止め塗料を塗って防食の処置を行います。
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正解 ②工事現場溶接を行う部分に隣接する両側それぞれ50mm以内は、塗装を行いません。
解説
公共建築工事標準仕様書では、工事現場溶接を行う部分及びそれに隣接する両側それぞれ100mm以内、かつ、超音波探傷試験に支障を及ぼす範囲には錆止め塗装を行わないと定めています。したがって、この範囲を50mm以内とする記述は数値が異なり誤りです。100mmという広さには2つの意味があります。1つは、溶接の熱で塗膜が焼けて分解し、そのガスが溶けた金属に取り込まれて気孔などの欠陥をつくるのを防ぐことです。もう1つは、溶接後の超音波探傷試験で探触子を当てて動かす範囲を確保することです。探触子は溶接線から少し離れた位置に置いて斜めに超音波を入れるため、溶接線のすぐ横だけを空けても検査ができません。

他の選択肢が不適切な理由
「超音波探傷試験に支障を及ぼす範囲についても、錆止め塗装を行わないものとします。」は正しく、塗膜があると探触子と鋼材の間で超音波がうまく伝わらず、欠陥を見落とすおそれがあるためです。「溶接部に塗膜が残っていると、溶接金属に気孔などの欠陥が生じるおそれがあります。」も正しく、塗料に含まれる有機物が高温で分解してガスになり、これが凝固するときに閉じ込められて気孔になるからです。「現場溶接が終わった後は、その部分に錆止め塗料を塗って防食の処置を行います。」も正しく、溶接と検査が終われば塗装しない理由がなくなり、そのまま放置すればさびるため、清掃したうえで塗り込みます。

試験の罠
100mmという数値は、溶接そのものより超音波探傷試験のために必要な広さだと理解しておくと忘れにくくなります。50mm、150mmといった惜しい数値に置き換えた選択肢が作られやすい箇所です。
問33-15

鉄骨の錆止め塗装の素地ごしらえと施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①素地ごしらえでは、鋼材の表面の黒皮、赤さび、油分などを取り除いておきます。
  • ②気温が5℃以下、または相対湿度が85%以上のときは、原則として塗装を行いません。
  • ③工場での錆止め塗装は、素地ごしらえの直後ではなく数日おいてから行うものとします。
  • ④建方の後は、ボルトの頭部や傷ついた塗膜の部分に塗料を塗って補修を行います。
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正解 ③工場での錆止め塗装は、素地ごしらえの直後ではなく数日おいてから行うものとします。
解説
素地ごしらえで黒皮やさびを取り除いた鋼材の表面は、活性が高く、大気中の水分と酸素にさらされるとすぐに新しいさびが浮き始めます。そのため錆止め塗装は、素地ごしらえを行った後できるだけ早く、その日のうちに行うのが原則です。数日おいてから塗ると、目に見えない薄いさびの層の上に塗膜を作ることになり、塗膜と鋼材の付着が弱くなって、後で塗膜がふくれたり剥がれたりする原因になります。工場では、素地ごしらえの工程と塗装の工程を続けて配置し、間に時間を置かないようにします。やむを得ず時間が空いた場合は、塗装の直前にもう一度表面を清掃してから塗ります。

他の選択肢が不適切な理由
「素地ごしらえでは、鋼材の表面の黒皮、赤さび、油分などを取り除いておきます。」は正しく、これらが残っていると塗膜が鋼材に直接付かず、付着した層ごと剥がれてしまうためです。黒皮は圧延のときにできる酸化被膜で、放置すると剥離の起点になります。「気温が5℃以下、または相対湿度が85%以上のときは、原則として塗装を行いません。」も正しく、公共建築工事標準仕様書がこの条件を塗装に不適当な場合として挙げているからです。低温では乾燥が進まず、高湿では鋼材面に結露が生じます。「建方の後は、ボルトの頭部や傷ついた塗膜の部分に塗料を塗って補修を行います。」も正しく、運搬や建方の際にどうしても塗膜に傷が付くため、現場で塗り直して防食の連続性を回復させる必要があるからです。

試験の罠
気温5℃以下、相対湿度85%以上、結露のおそれという3つの中止条件は、鉄骨の錆止め塗装でも仕上げの塗装工事でも共通です。数値を10℃や75%に置き換えた選択肢に注意してください。
問43-15

鉄骨の耐火被覆に用いる吹付けロックウール工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①乾式工法は、ロックウールとセメントを別々に圧送し、ノズルの先端で水と混合します。
  • ②湿式工法は、あらかじめ練り混ぜた材料を圧送するため、粉じんの発生が少なくなります。
  • ③乾式工法は、湿式工法に比べて、吹き付けたときのはね返りによるロスが多くなります。
  • ④湿式工法は、乾式工法に比べて、吹き付けた被覆材の密度が小さく、軟らかくなります。
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正解 ④湿式工法は、乾式工法に比べて、吹き付けた被覆材の密度が小さく、軟らかくなります。
解説
吹付けロックウールの湿式工法は、ロックウールとセメントと水をあらかじめ練り混ぜ、モルタルに近い状態にしたものを圧送して吹き付ける方法です。材料が均一に混ざり、水も十分に行き渡った状態で吹き付けられるため、できあがった被覆層は密実で、乾式工法よりも密度が大きく硬くなります。表面が締まっているので、後の工程でぶつけても欠けにくく、風による吹き飛ばされにも強くなります。したがって、湿式の方が密度が小さく軟らかいという記述は逆で誤りです。密度が大きいことは、耐火被覆として必要な性能を安定して確保できることを意味します。ただし材料が重くなるため、圧送距離や圧送設備の能力に注意が必要になります。

他の選択肢が不適切な理由
「乾式工法は、ロックウールとセメントを別々に圧送し、ノズルの先端で水と混合します。」は正しく、これが乾式と呼ばれる理由そのものだからです。ホースの中を乾いた材料が通るため、閉塞しにくく長い距離を圧送できます。「湿式工法は、あらかじめ練り混ぜた材料を圧送するため、粉じんの発生が少なくなります。」も正しく、材料がすでに水を含んでいるので、吹付け時に繊維が舞い上がりにくいためです。「乾式工法は、湿式工法に比べて、吹き付けたときのはね返りによるロスが多くなります。」も正しく、ノズル先端で水と出会ったばかりの材料は付着力が十分でなく、下地に当たって跳ね返る量が多くなるからです。

試験の罠
乾式と湿式の違いは、粉じんの量、はね返りのロス、被覆層の密度の3点で対比されます。いずれも湿式の方が有利で、乾式は圧送性に優れるという整理をしておくと、逆に書き換えた選択肢を見抜けます。
問53-15

吹付けロックウールによる耐火被覆の厚さの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①厚く付きすぎた箇所は、硬化した後に表面を削り取って所定の厚さに調整します。
  • ②吹付けに先立ち、所定の厚さを示す確認ピンを下地の鉄骨に取り付けておきます。
  • ③吹付けの厚さは、確認ピンを用いて、所定の厚さが確保されているかを測定します。
  • ④必要な被覆の厚さは、要求される耐火時間と部材の種類に応じて定められています。
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正解 ①厚く付きすぎた箇所は、硬化した後に表面を削り取って所定の厚さに調整します。
解説
吹付けロックウールの被覆層は、吹き付けたままの表面で密度と付着の状態が安定するようにつくられています。硬化した後に表面を削り取ると、締まっていた表層が失われて内部の粗い層が現れ、そこから欠けたり剥がれたりしやすくなります。また削った粉じんが飛散し、周囲の作業環境を悪化させます。厚さは、多すぎるより少なすぎることが問題になるため、所定の厚さを下回らないよう吹き付けたうえで、厚くなった部分はそのまま残すのが通常の扱いです。厚さが不足していた箇所は、表面を清掃してから重ねて吹き付けて補います。仕上げ面の平坦さが求められる場合は、硬化前にこてで軽く押さえるなど、材料が締まる方向の処置をとります。

他の選択肢が不適切な理由
「吹付けに先立ち、所定の厚さを示す確認ピンを下地の鉄骨に取り付けておきます。」は正しく、吹き付けた後では下地の位置が見えなくなるため、あらかじめ厚さの目安となるピンを立てておく必要があるからです。「吹付けの厚さは、確認ピンを用いて、所定の厚さが確保されているかを測定します。」も正しく、被覆材は軟らかいので、ピンを差し込んで下地までの距離を測る方法が用いられるためです。「必要な被覆の厚さは、要求される耐火時間と部材の種類に応じて定められています。」も正しく、1時間、2時間、3時間といった耐火時間の区分と、柱か梁かの区分ごとに認定された厚さが決まっているからです。

試験の罠
耐火被覆の厚さは「多い分には差し支えないが、不足は許されない」という考え方で管理します。削って調整する、押さえつけて薄くするといった記述は、いずれも性能を損なう方向であり誤りになります。
問63-15

耐火被覆の各種の工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①巻付け工法は、高耐熱のロックウールフェルトを専用のピンで鉄骨に留め付けます。
  • ②発泡性の耐火塗料は、加熱されると収縮して鋼材の表面に密着し、熱を遮ります。
  • ③巻付け工法は、吹付け工法に比べて、施工中の粉じんの発生が少なくてすみます。
  • ④成形板張り工法は、板の表面が硬く、外部からの衝撃に対して比較的強いといえます。
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正解 ②発泡性の耐火塗料は、加熱されると収縮して鋼材の表面に密着し、熱を遮ります。
解説
発泡性の耐火塗料は、火災の熱を受けると塗膜に含まれる成分が分解してガスを出し、塗膜が数十倍にふくれて厚い炭化層をつくる材料です。この炭化層は無数の細かい空気の泡を含んでいるため熱を伝えにくく、鋼材の温度が上がるのを遅らせます。つまり、加熱されると収縮するのではなく発泡してふくらむことで性能を発揮します。塗料であるため塗る前の厚さはごくわずかで、鉄骨の形状をそのまま見せる意匠にしたい場合に用いられます。ただし所定の性能を得るには決められた乾燥膜厚が必要で、施工中の膜厚管理が品質を左右します。屋外や結露する場所では、上塗りによる保護が必要になることもあります。

他の選択肢が不適切な理由
「巻付け工法は、高耐熱のロックウールフェルトを専用のピンで鉄骨に留め付けます。」は正しく、あらかじめ工場で所定の厚さに成形されたフェルト状の材料を、溶接ピンなどで固定する工法だからです。厚さが製品で決まっているため管理が容易です。「巻付け工法は、吹付け工法に比べて、施工中の粉じんの発生が少なくてすみます。」も正しく、材料が飛散しない形にまとまっており、吹き付ける作業を伴わないためです。周囲の養生も簡単になります。「成形板張り工法は、板の表面が硬く、外部からの衝撃に対して比較的強いといえます。」も正しく、けい酸カルシウム板などの硬い板を張るため、人や物が当たっても欠けにくく、そのまま仕上げを兼ねられる場合もあるからです。

試験の罠
耐火被覆は「吹付け」「巻付け」「成形板張り」「耐火塗料」の4系統で整理します。粉じんの量、厚さ管理のしやすさ、衝撃への強さ、意匠性のどれを重視するかで選ぶ、という比較で覚えると選択肢を判断しやすくなります。
問73-15

鉄骨の防食に用いる溶融亜鉛めっきに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①溶融亜鉛めっきは、鋼材を溶けた亜鉛の中に浸して、表面に亜鉛の層をつくります。
  • ②亜鉛は鉄より腐食しやすいため、傷が付いた部分の鉄の腐食を抑える働きをします。
  • ③めっきの作業では加熱を伴わないため、部材にひずみが生じるおそれはありません。
  • ④めっきする部材の大きさは、めっき槽の寸法によって制約を受けることがあります。
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正解 ③めっきの作業では加熱を伴わないため、部材にひずみが生じるおそれはありません。
解説
溶融亜鉛めっきは、およそ450℃に溶かした亜鉛の中に鋼材を浸して行う処理です。常温の鋼材を高温の浴に入れて引き上げるため、部材は急に温められ、その後に冷えて縮みます。板厚が場所によって違う部材や、長くて細い部材では、温まり方と冷え方に差が出て曲がりやねじれが生じます。したがって、加熱を伴わないのでひずみが生じないという記述は誤りです。ひずみを抑えるには、断面の変化が急な形状を避ける、溶接の順序を工夫して残留応力を減らす、めっき後にひずみを矯正する工程を計画に組み込む、といった配慮が必要になります。あわせて、亜鉛が溜まったり空気が抜けなかったりしないよう、部材に湯抜き孔や空気抜き孔を設けます。

他の選択肢が不適切な理由
「溶融亜鉛めっきは、鋼材を溶けた亜鉛の中に浸して、表面に亜鉛の層をつくります。」は正しく、これがこの処理の定義そのものだからです。鉄と亜鉛が反応した合金層ができるため、密着性が高くなります。「亜鉛は鉄より腐食しやすいため、傷が付いた部分の鉄の腐食を抑える働きをします。」も正しく、犠牲防食と呼ばれる作用です。亜鉛が先に溶けることで、露出した鉄がさびるのを遅らせます。「めっきする部材の大きさは、めっき槽の寸法によって制約を受けることがあります。」も正しく、槽に入りきらない長さの部材は分割するか、二度に分けて浸す方法をとる必要があるためです。設計の段階から部材の割付けを考えておきます。

試験の罠
溶融亜鉛めっきの弱点は「ひずみ」と「槽の寸法」の2つです。塗装との比較では、耐久性は高いが後から手を加えにくく、傷の補修は塗料で行うという違いを押さえておいてください。
問83-15

耐火被覆と他の工事との取合いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①耐火被覆材が接着する面には、錆止め塗装を行わないものとします。
  • ②設備の配管や吊りボルトが貫通する箇所は、周囲を被覆材で確実に埋め戻します。
  • ③他の工事で被覆材が欠け落ちた箇所は、清掃したうえで同じ材料で補修します。
  • ④デッキプレートの下面は、防火区画に接する場合でも耐火被覆を省略できます。
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正解 ④デッキプレートの下面は、防火区画に接する場合でも耐火被覆を省略できます。
解説
耐火被覆は、火災のときに鋼材の温度が上がりすぎて耐力を失うのを防ぐために設けるものです。どの部位にどれだけの被覆が必要かは、その部材が求められる耐火性能と、部材の構成によって決まります。デッキプレートの下面についても、その床が耐火構造として求められる性能を、コンクリートと合わせた構成だけで満たしているかどうかで扱いが変わり、条件を確かめずに一律に省略できるものではありません。とくに防火区画を構成する床では、区画を貫いて火や熱が伝わらないことが求められるため、認定された構成のとおりに施工しなければなりません。したがって、省略できると言い切る記述は誤りです。判断の根拠は、その床が取得している耐火構造の認定の内容に求めます。

他の選択肢が不適切な理由
「耐火被覆材が接着する面には、錆止め塗装を行わないものとします。」は正しく、塗膜があると被覆材の付着が弱くなり、地震の揺れや衝撃で剥がれ落ちるおそれがあるためです。標準仕様書でも塗装しない部分に挙げられています。「設備の配管や吊りボルトが貫通する箇所は、周囲を被覆材で確実に埋め戻します。」も正しく、わずかな隙間でもそこから熱が入り、鋼材が局部的に高温になるからです。被覆は連続していて初めて意味を持ちます。「他の工事で被覆材が欠け落ちた箇所は、清掃したうえで同じ材料で補修します。」も正しく、後続の工事で被覆をぶつけて損傷させることが多く、放置すればその部分だけ性能が失われるためです。

試験の罠
耐火被覆で最も問われるのは「連続していること」です。貫通部、取合い部、欠損部という3つの弱点を、いずれも埋めて連続させるという考え方で選択肢を読むと判断しやすくなります。
問93-15

鉄骨の錆止め塗装と耐火被覆の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①耐火被覆の作業は、外壁の取付けより前に行うと、養生の手間を減らせて有利です。
  • ②吹付け工法では、材料の飛散を防ぐため、作業する範囲の周囲を養生します。
  • ③吹付けの作業は、鉄骨の建方と本締めが終わり、下地の状態を確認してから行います。
  • ④吹付けた被覆材が硬化する前に、その部分に強い風が当たらないよう配慮します。
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正解 ①耐火被覆の作業は、外壁の取付けより前に行うと、養生の手間を減らせて有利です。
解説
吹付けによる耐火被覆は、硬化するまでの間に強い風や雨が当たると、材料が飛ばされたり流されたりして、必要な厚さと密度が確保できなくなります。そのため通常は、外壁やサッシの取付けが進んで建物の内部が外気から遮られた状態になってから吹き付けます。外壁より前に吹き付けると、風雨を防ぐために大がかりな仮設の養生が必要になり、かえって手間と費用が増えます。また飛散した材料が近隣へ及ぶおそれも高まります。したがって、外壁より前に行う方が有利だという記述は誤りです。工程を組むときは、鉄骨の建方と本締め、耐火被覆、外壁の取付けという順序と、風雨に対する養生の条件を合わせて検討します。

他の選択肢が不適切な理由
「吹付け工法では、材料の飛散を防ぐため、作業する範囲の周囲を養生します。」は正しく、吹き付けた材料の一部は必ずはね返って周囲に飛ぶため、シートなどで囲って他の仕上げを汚さないようにする必要があるからです。「吹付けの作業は、鉄骨の建方と本締めが終わり、下地の状態を確認してから行います。」も正しく、被覆した後ではボルトの締付けや溶接の補修ができなくなるためです。下地に油分や浮きさびがないことも確かめます。「吹付けた被覆材が硬化する前に、その部分に強い風が当たらないよう配慮します。」も正しく、硬化前の材料は付着力が弱く、風で剥がれると厚さが不足するからです。開口部からの吹込みにも注意します。

試験の罠
耐火被覆の工程は「建方と本締めの後、外壁が閉じてから」が原則です。前後の工程との関係を問う問題では、風雨を防げる状態になっているかどうかを判断のよりどころにしてください。
問103-15

鉄骨の錆止め塗装と耐火被覆に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  • ①耐火被覆材が接着する面には、付着をよくするため厚めに錆止め塗装を行います。
  • ②耐火被覆の厚さは、要求される耐火時間と部材の種類に応じて必要な値が決まります。
  • ③現場溶接を行う部分の周辺は、防食のため溶接の前に錆止め塗装をしておきます。
  • ④溶融亜鉛めっきを行う部材は、めっき槽の寸法にかかわらず、一体で処理ができます。
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正解 ②耐火被覆の厚さは、要求される耐火時間と部材の種類に応じて必要な値が決まります。
解説
耐火被覆に必要な厚さは、その部材に求められる耐火時間と、柱か梁かといった部材の種類、さらに用いる被覆材の種類の組合せによって決まります。火災の時間が長いほど鋼材に伝わる熱の総量が増えるので厚い被覆が必要になり、また同じ耐火時間でも、断面の形や周囲から熱を受ける面積の割合が違えば温度の上がり方が変わるため、柱と梁で必要な厚さが異なります。実際の施工では、用いる材料が取得している耐火構造の認定に示された厚さに従います。したがって、この記述が最も適当です。設計図書に示された厚さと、材料の認定内容が一致しているかを施工計画の段階で確認しておくことが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「耐火被覆材が接着する面には、付着をよくするため厚めに錆止め塗装を行います。」は誤りです。公共建築工事標準仕様書は、耐火被覆材が接着する面を錆止め塗装を行わない部分として挙げており、塗膜があるとかえって付着が弱くなります。「現場溶接を行う部分の周辺は、防食のため溶接の前に錆止め塗装をしておきます。」も誤りで、溶接を行う部分とその両側それぞれ100mm以内、かつ超音波探傷試験に支障を及ぼす範囲は塗装しないと定められています。「溶融亜鉛めっきを行う部材は、めっき槽の寸法にかかわらず、一体で処理ができます。」も誤りで、槽に入る大きさが上限となるため、大きな部材は分割するか二度に分けて浸す必要があります。

試験の罠
この問題は「最も適当なもの」を選ぶ形式です。誤りの3つは、塗装しない部分をあえて塗る、施工の順序を逆にする、制約がないと言い切るという3通りの作り方になっています。設問の末尾を必ず確かめてください。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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