鉄骨の錆止め塗装を行わない部分に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①コンクリートに埋め込まれる部分には、防食のため錆止め塗装を行います。
- ②高力ボルト摩擦接合部の摩擦面には、錆止め塗装を行わないものとします。
- ③組立てによって肌合わせとなる部分には、錆止め塗装を行わないものとします。
- ④密閉される閉鎖形断面の内面には、錆止め塗装を行わないものとします。
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公共建築工事標準仕様書の鉄骨工事では、錆止め塗装を行わない部分が定められており、コンクリートに埋め込まれる部分はその一つです。コンクリートは強いアルカリ性を示し、その中にある鋼材の表面には不動態被膜と呼ばれる薄い保護層ができるため、コンクリートに包まれているかぎり鋼材はさびません。むしろ塗膜があると、コンクリートと鋼材の付着が塗膜のところで切れてしまい、力の伝達が期待できなくなります。柱脚のベースプレートより下の部分や、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱や梁の埋込み部分がこれにあたります。したがって、防食のために塗装するという考え方は、この場合はかえって不都合を生みます。
他の選択肢が不適切な理由
「高力ボルト摩擦接合部の摩擦面には、錆止め塗装を行わないものとします。」は正しく、摩擦接合は板と板の間の摩擦で力を伝えるため、塗膜があるとすべりやすくなって所定の耐力が得られないからです。「組立てによって肌合わせとなる部分には、錆止め塗装を行わないものとします。」も正しく、密着させる面に塗膜が挟まると隙間や段差の原因になり、精度が確保できなくなるためです。「密閉される閉鎖形断面の内面には、錆止め塗装を行わないものとします。」も正しく、完全に密閉されて空気と水が入らない内面では錆が進行しないため、塗装する意味がないからです。角形鋼管の内側などがこれにあたります。
試験の罠
塗装しない部分は「コンクリートに埋まる」「摩擦面」「密閉された内面」「密着する面」「耐火被覆が接着する面」「現場溶接の周辺」の6つの考え方で整理できます。いずれも塗ると不都合が生じる場所だと理解すると覚えやすくなります。