2026年版・3-14

解体工事の一問一答

1級建築施工管理技士「躯体施工」から、解体工事に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-14

鉄筋コンクリート造の建築物の解体作業における作業主任者に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体の作業では、作業主任者を選任します。
  • ②作業主任者は、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習の修了者から選びます。
  • ③鉄骨造の建築物の骨組みの解体の作業についても、同じ資格の作業主任者を選任します。
  • ④作業主任者には、作業の方法と労働者の配置を決めさせ、作業を直接指揮させます。
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正解 ③鉄骨造の建築物の骨組みの解体の作業についても、同じ資格の作業主任者を選任します。
解説
コンクリート造の工作物の解体等作業主任者は、労働安全衛生法施行令第6条第15号の5に定める「コンクリート造の工作物(その高さが5m以上であるものに限る。)の解体又は破壊の作業」について選任するものです。これに対して、金属製の部材で構成された建築物の骨組み(高さ5m以上のもの)の組立て、解体、変更の作業は、同条第15号の2に定める別の作業であり、こちらは建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を選任しなければなりません。つまり、同じ「高さ5m以上の解体」であっても、対象がコンクリート造か鉄骨の骨組みかで選任すべき作業主任者の資格が異なります。作業主任者の制度は、危険な作業ごとに指揮する専門家を置く仕組みですから、作業の種類と資格の対応を取り違えると、法令上は無資格者が指揮していることになります。

他の選択肢が不適切な理由
「高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体の作業では、作業主任者を選任します。」は正しく、労働安全衛生法施行令第6条第15号の5がこの高さを選任の境目としているからです。5m未満であればこの規定による選任は求められません。「作業主任者は、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習の修了者から選びます。」も正しく、労働安全衛生規則第517条の17が資格を技能講習の修了者に限っているためです。「作業主任者には、作業の方法と労働者の配置を決めさせ、作業を直接指揮させます。」も正しく、同規則第517条の18が職務の第一に挙げている内容です。あわせて器具や保護帽の点検、要求性能墜落制止用器具の使用状況の監視も職務とされています。

試験の罠
高さ5mという数値は、コンクリート造の工作物の解体、鉄骨の骨組みの組立て等、つり足場や張出し足場以外の足場の組立て等に共通して現れます。数値が同じでも根拠となる号が違い、必要な技能講習も別であることを押さえてください。
問23-14

コンクリート造の工作物の解体の作業に先立って行う調査と作業計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①作業計画には、作業の方法及び順序と、使用する機械等の種類及び能力を示すものとします。
  • ②あらかじめ行う調査では、工作物の形状と周囲の状況を調べ、き裂の有無は含めません。
  • ③作業計画には、控えの設置や立入禁止区域の設定など、倒壊を防ぐ方法を示します。
  • ④作業計画を定めたときは、作業の方法及び順序について関係労働者に周知させます。
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正解 ②あらかじめ行う調査では、工作物の形状と周囲の状況を調べ、き裂の有無は含めません。
解説
労働安全衛生規則第517条の14は、高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体等の作業を行うときは、倒壊や物体の飛来落下による危険を防ぐため、あらかじめ当該工作物の形状、き裂の有無、周囲の状況等を調査し、その結果に適応した作業計画を定めて、その計画により作業を行わなければならないと定めています。き裂は、その部材がすでに耐力を失いかけていることを示す手掛かりであり、解体の途中で予期しない倒壊が起きる原因になります。したがって、き裂の有無は調査項目から外してよいものではなく、むしろ最も注意して見るべき項目の一つです。調査は既存図面の確認と現地での目視を組み合わせて行い、増改築の履歴や、後から壁を抜いた跡がないかまで確かめます。

他の選択肢が不適切な理由
「作業計画には、作業の方法及び順序と、使用する機械等の種類及び能力を示すものとします。」は正しく、同条第2項第1号と第2号がこの2つを計画に示すべき事項として挙げているためです。「作業計画には、控えの設置や立入禁止区域の設定など、倒壊を防ぐ方法を示します。」も正しく、同項第3号が外壁、柱、はり等の倒壊又は落下による危険を防止するための方法を示すよう求めているからです。「作業計画を定めたときは、作業の方法及び順序について関係労働者に周知させます。」も正しく、同条第3項が第1号と第3号の事項について関係労働者への周知を義務づけているためです。計画は作るだけでなく、現場で働く人に伝わって初めて意味を持ちます。

試験の罠
作業計画に示す3項目は「方法と順序」「機械の種類と能力」「倒壊を防ぐ方法」です。このうち周知が義務づけられているのは第1号と第3号で、機械の種類と能力は周知の対象に含まれていません。細かい違いですが出題されることがあります。
問33-14

コンクリート造の工作物の解体の作業中に講ずべき措置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①外壁や柱の引倒しの作業を行うときは、一定の合図を定めて関係労働者に周知します。
  • ②器具や工具を上げ下ろしするときは、つり綱やつり袋を労働者に使用させます。
  • ③物体の飛来や落下による危険を防ぐため、作業に従事する労働者に保護帽を着用させます。
  • ④強風や大雨などの悪天候で危険が予想されるときは、監視人を置いて作業を続けます。
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正解 ④強風や大雨などの悪天候で危険が予想されるときは、監視人を置いて作業を続けます。
解説
労働安全衛生規則第517条の15は、高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体等の作業について、強風、大雨、大雪等の悪天候のため作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならないと定めています。解体中の建物は、床や壁を部分的に取り去った不安定な状態にあり、設計時に想定した力の流れが失われています。そこへ強風による水平力が加われば、健全な建物なら耐えられる風速でも倒壊するおそれがあります。監視人を置いても、倒壊そのものを防ぐことはできません。したがって、悪天候時は監視の強化ではなく作業の中止で対応します。作業を再開する前には、控えの状態やき裂の進行を点検してから取りかかります。

他の選択肢が不適切な理由
「外壁や柱の引倒しの作業を行うときは、一定の合図を定めて関係労働者に周知します。」は正しく、労働安全衛生規則第517条の16が、引倒し等について一定の合図を定めて関係労働者に周知させることを求めているからです。合図を決めておかなければ、部材が倒れる瞬間に近くにいる人が逃げ遅れます。「器具や工具を上げ下ろしするときは、つり綱やつり袋を労働者に使用させます。」も正しく、同条第3号の定めです。手渡しや投げ渡しは落下災害の典型的な原因になります。「物体の飛来や落下による危険を防ぐため、作業に従事する労働者に保護帽を着用させます。」も正しく、同規則第517条の19が着用を義務づけ、労働者側にも着用義務を課しているためです。

試験の罠
悪天候時の中止は、解体だけでなく足場の組立て等、鉄骨の組立て等、型枠支保工の組立て等でも共通して求められる措置です。「監視人を置けば継続できる」という選択肢は、どの分野で出ても誤りだと判断できます。
問43-14

鉄筋コンクリート造の建築物の階上作業式による機械解体に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①外周部の壁は建物の内部より先に解体し、内部の解体は外周部の撤去後に行います。
  • ②解体用の圧砕機は、揚重機を用いて最上階まで運び上げてから解体を始めます。
  • ③解体したコンクリート塊を敷き均してスロープをつくり、機械を下の階へ移します。
  • ④解体で生じたコンクリート塊は、床の積載荷重を超えないよう堆積量を管理します。
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正解 ①外周部の壁は建物の内部より先に解体し、内部の解体は外周部の撤去後に行います。
解説
階上作業式の解体は、解体用の圧砕機を最上階に揚げ、上の階から下の階へ向かって解体していく方法です。このとき外周部の壁や梁は、内部の解体が終わるまでできるだけ残しておきます。外周部は、解体で生じた破片が敷地の外へ飛び出すのを防ぐ壁の役目と、防音シートや防音パネルを取り付ける下地の役目を同時に果たしているためです。内部を残したまま外周部だけを先に取り去ると、飛散を止めるものがなくなり、近隣への被害や第三者災害の危険が一気に高まります。また外周部の壁は建物全体の水平方向の変形を抑える役目も持っているため、先に失うと解体中の建物が不安定になります。したがって、内部から解体し、外周部は最後に上から順に解体するのが原則です。

他の選択肢が不適切な理由
「解体用の圧砕機は、揚重機を用いて最上階まで運び上げてから解体を始めます。」は正しく、階上作業式はこの手順で始めるためです。屋上スラブの補強や揚重時の吊り点の検討が必要になります。「解体したコンクリート塊を敷き均してスロープをつくり、機械を下の階へ移します。」も正しく、階を下げるたびにスロープを作り替えて機械を移動させるのがこの工法の特徴だからです。「解体で生じたコンクリート塊は、床の積載荷重を超えないよう堆積量を管理します。」も正しく、残っている床は解体中の建物の一部にすぎず、想定を超える重さを載せれば床が抜けて機械ごと落下する危険があるためです。

試験の罠
階上作業式は「上から下へ、内側から外側へ」が原則です。これに対し地上作業式は、地上に据えたブーム式の圧砕機で外周部から解体するため、届く高さに限りがあります。どちらの方式の話かを読み分けてください。
問53-14

鉄筋コンクリート造の外周部を転倒工法で解体する場合の記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①転倒させる部材の高さの半分程度までの厚さに、コンクリート塊を敷いて衝撃を和らげます。
  • ②転倒させる部材は、作業の回数を減らすため、できるだけ広い範囲をまとめて倒します。
  • ③壁の脚部の鉄筋を一部残して回転の支点とし、引きワイヤーを用いて内側へ倒します。
  • ④転倒作業は1回ごとに合図を行い、周囲に人がいないことを確認してから行います。
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正解 ②転倒させる部材は、作業の回数を減らすため、できるだけ広い範囲をまとめて倒します。
解説
転倒工法は、外周部の壁や柱を建物の内側へ倒して解体する方法です。倒す部材が大きくなるほど、倒れる速さと地面に当たるときの衝撃が大きくなり、想定していない方向へ転がったり、跳ね返った破片が遠くまで飛んだりします。また衝撃で地盤が揺れるため、近隣の建物への振動の影響も無視できなくなります。そのため転倒工法では、1回に倒す範囲を、あらかじめ計画で定めた小さな単位に区切って行い、1回ごとに周囲の状況を確認しながら進めるのが原則です。作業の回数を減らすためにまとめて倒す進め方は、能率を優先して安全を犠牲にするもので、認められません。倒す方向は必ず建物の内側とし、外側へ倒れないよう引きワイヤーで方向を管理します。

他の選択肢が不適切な理由
「転倒させる部材の高さの半分程度までの厚さに、コンクリート塊を敷いて衝撃を和らげます。」は正しく、解体で生じたコンクリート塊を緩衝材として敷き均すことで、落下の衝撃と振動、粉じんの舞い上がりを同時に抑えられるためです。「壁の脚部の鉄筋を一部残して回転の支点とし、引きワイヤーを用いて内側へ倒します。」も正しく、脚部の鉄筋を全部切ってしまうと支点が失われて倒れる方向を制御できなくなるからです。「転倒作業は1回ごとに合図を行い、周囲に人がいないことを確認してから行います。」も正しく、労働安全衛生規則第517条の16が引倒し等の合図を定めて周知し、他の作業従事者の避難を確認した後でなければ作業を行わせてはならないと定めているためです。

試験の罠
転倒工法で問われるのは「倒す単位を小さくする」「緩衝材を敷く」「支点となる鉄筋を残す」「合図と避難確認」の4点です。緩衝材の厚さを部材の高さの半分程度とする点は、数値を入れ替えた誤りが作られやすい箇所です。
問63-14

騒音や振動の少ない解体工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①コンクリートカッター工法は、切断に冷却水を用いるため、発生する汚水の処理が必要です。
  • ②ワイヤソー工法は、切断する断面の大きさの制約が少なく、大断面の部材も切断できます。
  • ③静的破砕剤工法は、破砕までの時間が短く、大型ブレーカーと同等の作業能率を得られます。
  • ④ウォータージェット工法は、鉄筋を傷めずにコンクリートだけを除去することができます。
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正解 ③静的破砕剤工法は、破砕までの時間が短く、大型ブレーカーと同等の作業能率を得られます。
解説
静的破砕剤工法は、あらかじめ穿孔した孔に膨張性の破砕剤を充填し、その膨張圧でコンクリートにひび割れを生じさせて解体する方法です。衝撃を与えないため騒音と振動がほとんど出ないという大きな長所がありますが、膨張圧が十分に発現するまでには数時間から一日程度を要します。打撃で一気に砕く大型ブレーカーとは作業の速さがまったく違い、同等の能率は得られません。この工法は、能率よりも周囲への影響を抑えることが優先される場面、たとえば病院や住宅に近接した現場、既存建物を使いながら一部だけを壊す改修工事などで選ばれます。孔の径と間隔、充填量は部材の厚さや配筋に応じて定め、計画どおりのひび割れが入るように配置します。

他の選択肢が不適切な理由
「コンクリートカッター工法は、切断に冷却水を用いるため、発生する汚水の処理が必要です。」は正しく、ダイヤモンドブレードの摩擦熱を冷やす水がコンクリートの微粉と混ざって汚水になるためです。沈殿槽を設けて処理します。「ワイヤソー工法は、切断する断面の大きさの制約が少なく、大断面の部材も切断できます。」も正しく、ダイヤモンドワイヤを部材に巻き付けて引き回す方式のため、ブレードの直径で切込み深さが決まるカッター工法より大きな断面を切れるからです。「ウォータージェット工法は、鉄筋を傷めずにコンクリートだけを除去することができます。」も正しく、超高圧の水はもろいコンクリートを削り取る一方で、粘り強い鉄筋はほとんど傷めないためです。

試験の罠
低騒音低振動の工法は、いずれも能率が低いか、水やスラッジの処理という別の手間を伴います。「静か」「速い」「安い」が同時にそろう工法はないと考えて選択肢を読むと、誤りを見つけやすくなります。
問73-14

静的破砕剤を用いる解体工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①破砕孔の径と間隔は、部材の厚さや配筋の状況に応じて、計画のうえ定めるものとします。
  • ②充填した孔は、噴出のおそれがあるため、上からのぞき込まないようにして扱います。
  • ③無筋のコンクリートでは、鉄筋のある部材に比べて計画どおりのひび割れが得られます。
  • ④破砕剤は、気温が高いほど反応が遅くなるため、夏季は膨張圧の発現に時間がかかります。
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正解 ④破砕剤は、気温が高いほど反応が遅くなるため、夏季は膨張圧の発現に時間がかかります。
解説
静的破砕剤は、生石灰を主成分とする粉体を水と練り混ぜて孔に充填し、水と反応して体積が増えるときの圧力でコンクリートを割る材料です。この反応は化学反応ですから、温度が高いほど速く進みます。したがって、気温が高い夏季は膨張圧の発現が早く、逆に気温が低い冬季は遅くなります。記述はこの関係が逆になっており誤りです。反応が速すぎると、圧力が孔の中で急に高まって充填物が勢いよく噴き出す暴噴と呼ばれる現象が起きやすくなるため、夏季には温度の低い練混ぜ水を使う、日射を避けるなどの対策をとります。製品ごとに使用できる温度の範囲と、それに応じた種類の使い分けが定められているので、施工計画の段階で気温を踏まえて選定します。

他の選択肢が不適切な理由
「破砕孔の径と間隔は、部材の厚さや配筋の状況に応じて、計画のうえ定めるものとします。」は正しく、孔の配置がひび割れの入り方をそのまま決めるからです。間隔が広すぎると割れが連続せず、狭すぎると穿孔の手間が増えます。「充填した孔は、噴出のおそれがあるため、上からのぞき込まないようにして扱います。」も正しく、暴噴が起きると高温の充填物が飛び出して眼や皮膚を傷めるため、保護具の着用とあわせて基本の注意事項とされているからです。「無筋のコンクリートでは、鉄筋のある部材に比べて計画どおりのひび割れが得られます。」も正しく、鉄筋はひび割れの進展を妨げる方向に働くため、鉄筋量が多い部材ほど破砕が難しくなるからです。

試験の罠
膨張圧の発現時間は「気温が高いと速く、低いと遅い」です。コンクリートの強度発現やセメントの水和反応と同じ向きだと覚えると混乱しません。逆向きに書かれた選択肢は、そのまま誤りとなります。
問83-14

建築物の解体工事の準備と作業の順序に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①石綿を含まない内装材の撤去は、能率を高めるため躯体の解体と同時に行うものとします。
  • ②石綿含有建材の除去は、躯体の解体に先立って、隔離などの措置を講じたうえで行います。
  • ③設備機器の撤去に先立ち、電気、ガス、水道などの引込みが止まっていることを確認します。
  • ④外部足場と防音の養生は、躯体の解体を始める前に設置を終えておくものとします。
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正解 ①石綿を含まない内装材の撤去は、能率を高めるため躯体の解体と同時に行うものとします。
解説
解体工事は分別解体等として行うことが原則で、建設資材廃棄物の種類ごとに分けられるよう、内装材や設備機器などをあらかじめ取り外してから躯体を解体します。内装材を付けたまま躯体ごと壊すと、コンクリート塊に石こうボードや木材、断熱材が混ざった状態になり、再資源化できないだけでなく、混合廃棄物として処分費が大きく増えます。石綿を含まない内装材であっても、この分別の原則は変わりません。したがって、能率を理由に躯体と同時に壊すという記述は誤りです。手順としては、まず建具や設備機器などの取り外し、次に内装材の撤去、続いて屋根材や外装材の撤去、最後に躯体の解体という順に進めるのが基本になります。

他の選択肢が不適切な理由
「石綿含有建材の除去は、躯体の解体に先立って、隔離などの措置を講じたうえで行います。」は正しく、石綿障害予防規則が事前調査と作業計画の作成を求め、吹付け石綿などの除去では作業場所の隔離を義務づけているためです。躯体の解体と同時に行えば繊維が広く飛散します。「設備機器の撤去に先立ち、電気、ガス、水道などの引込みが止まっていることを確認します。」も正しく、感電、ガス漏れ、漏水を防ぐための基本の手順だからです。「外部足場と防音の養生は、躯体の解体を始める前に設置を終えておくものとします。」も正しく、養生は解体で生じる粉じんと騒音を外へ出さないための設備であり、解体開始後に取り付けたのでは意味をなさないためです。

試験の罠
解体の順序は、建てるときの逆順と考えると覚えやすくなります。仕上げから躯体へ、内部から外部へという流れです。石綿は例外的に最も先に、隔離して除去する点だけを別に押さえてください。
問93-14

解体工事における粉じんと騒音の対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①解体している箇所へ散水することは、コンクリートの粉じんの飛散を抑えるのに有効です。
  • ②防音シートは、防音パネルよりも単位面積当たりの質量が大きく、遮音の効果が高いです。
  • ③防音パネルを用いる場合は、質量が大きいため、足場に生じる力を確かめて計画します。
  • ④解体で生じた廃材の搬出では、車両のタイヤを洗浄してから道路へ出るようにします。
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正解 ②防音シートは、防音パネルよりも単位面積当たりの質量が大きく、遮音の効果が高いです。
解説
音を遮る性能は、遮る材料の単位面積当たりの質量が大きいほど高くなります。これは質量則と呼ばれる関係で、質量が2倍になるとおおよそ6デシベル遮音性能が上がるという性質です。防音シートは繊維や樹脂の膜状の材料で、軽く取り扱いやすい反面、質量が小さいため遮音性能には限りがあります。これに対して防音パネルは、鋼板やこれに吸音材を組み合わせた板状の材料で、単位面積当たりの質量がシートよりはるかに大きく、遮音性能も高くなります。したがって、シートの方が質量が大きく遮音効果が高いという記述は逆で誤りです。近隣に住宅が近接し、騒音の低減が特に求められる現場ではパネルを用います。

他の選択肢が不適切な理由
「解体している箇所へ散水することは、コンクリートの粉じんの飛散を抑えるのに有効です。」は正しく、粉じんは水分を含むと重くなって舞い上がりにくくなるためです。ただし散水した水が汚水となるため、集めて処理する計画も併せて必要になります。「防音パネルを用いる場合は、質量が大きいため、足場に生じる力を確かめて計画します。」も正しく、パネルは重いうえ風を受ける面積も大きく、足場の壁つなぎや支柱に大きな力が生じるからです。「解体で生じた廃材の搬出では、車両のタイヤを洗浄してから道路へ出るようにします。」も正しく、泥やコンクリートの粉を道路に持ち出すと、乾いた後に粉じんとして舞い上がり、近隣への迷惑と交通の危険につながるためです。

試験の罠
遮音は質量、吸音は多孔質という対応で整理してください。防音シートと防音パネルは名前が似ていますが、質量が違うため性能の差は大きく、どちらが高性能かを入れ替えた選択肢がよく作られます。
問103-14

解体工事に用いる機械と作業の安全に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  • ①大型ブレーカーは、圧砕機に比べて騒音と振動が小さく、市街地の解体に適しています。
  • ②コンクリートカッター工法で用いた冷却水は、そのまま道路へ排出してかまいません。
  • ③圧砕機による解体では、破砕片の飛散を抑えるため、解体する箇所へ散水しながら行います。
  • ④解体用機械の運転者が運転位置を離れるときは、アタッチメントを空中に保持しておきます。
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正解 ③圧砕機による解体では、破砕片の飛散を抑えるため、解体する箇所へ散水しながら行います。
解説
圧砕機は、油圧で開閉する大きなあごでコンクリートを挟んで割る機械です。打撃を与えないため騒音と振動は比較的小さいものの、割れた瞬間に細かい破片が周囲へ飛ぶことは避けられません。そこで、解体している箇所へ直接散水し、粉じんと破片の飛散を抑えながら作業を進めます。散水は粉じん対策としてだけでなく、破片に水膜をつくって飛距離を抑える意味も持ちます。加えて、機械の作業範囲には人を立ち入らせないこと、飛散防止の養生を設けることを組み合わせて対策とします。散水した水は汚水になりますので、沈殿槽などで処理してから排水する計画をあらかじめ立てておきます。

他の選択肢が不適切な理由
「大型ブレーカーは、圧砕機に比べて騒音と振動が小さく、市街地の解体に適しています。」は誤りです。大型ブレーカーはのみを打撃して砕く機械で、騒音と振動は圧砕機よりはるかに大きく、市街地では使用が制限されることもあります。「コンクリートカッター工法で用いた冷却水は、そのまま道路へ排出してかまいません。」も誤りで、冷却水はコンクリートの微粉を含んだ汚水であり、沈殿槽などで処理してから排水しなければなりません。「解体用機械の運転者が運転位置を離れるときは、アタッチメントを空中に保持しておきます。」も誤りで、労働安全衛生規則第160条により、バケットやアタッチメント等の作業装置を地上に下ろし、原動機を止め、走行しないよう措置しなければなりません。

試験の罠
この問題は「最も適当なもの」を選ぶ形式です。誤りの3つは、比較の向きの逆転、数値の差し替え、規則の措置の逆という典型的な作り方になっています。設問の問い方を読み違えないよう、まず末尾を確かめてください。

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