はりに生じる応力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①せん断力は、部材を軸に直交する方向にずらそうとする応力である。
- ②曲げモーメントは、部材を湾曲させようとする働きをもつ応力である。
- ③曲げモーメントが最大となる位置では、せん断力はゼロとなっている。
- ④せん断力が最大となる位置では、曲げモーメントもまた最大となる。
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せん断力と曲げモーメントの間には、曲げモーメントの位置による変化の割合がせん断力に等しいという関係があります。したがって曲げモーメントが最大や最小になる位置ではその変化の割合がゼロ、すなわちせん断力がゼロとなります。逆にせん断力が最大となる位置は曲げモーメントが最も急に変化している位置であり、そこで曲げモーメントが最大になるわけではありません。よってこの記述は誤りです。等分布荷重を受ける単純ばりを例にとると、せん断力は両支点で最大となりますが、その位置の曲げモーメントはゼロです。曲げモーメントが最大になるのはせん断力がゼロとなるスパンの中央であり、両者の最大位置は明確に食い違います。
他の選択肢が不適切な理由
「せん断力は、部材を軸に直交する方向にずらそうとする応力である。」という記述は正しいです。「曲げモーメントは、部材を湾曲させようとする働きをもつ応力である。」という記述も正しく、上下の縁に引張と圧縮の応力度を生じさせます。「曲げモーメントが最大となる位置では、せん断力はゼロとなっている。」という記述も正しく、両者の微分の関係から導かれます。
試験の罠
曲げモーメントが最大となる位置を探すときは、せん断力がゼロになる点を先に見つけるのが定石です。せん断力図が正から負へ横切る点がその位置になります。集中荷重が作用する点ではせん断力が段違いに変わり、その点で曲げモーメントが最大になることも多くあります。