建築材料の熱的性質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①熱伝導率は、材料の含水率が高くなるほど大きくなるものである。
- ②同じ材料であれば、密度が大きいものほど熱伝導率は大きくなる。
- ③グラスウールの熱伝導率は、普通コンクリートよりも小さい。
- ④熱伝導率は、材料の厚さが厚くなるほど小さくなる値である。
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熱伝導率は、その材料の中を熱がどれだけ伝わりやすいかを表す材料固有の物性値であり、単位はメートルとケルビン当たりのワットで表します。材料の種類、密度、含水率、温度によって変わりますが、材料をどれだけの厚さで使うかとは無関係です。したがって厚さが厚くなるほど小さくなるという記述は誤りです。厚さが効くのは熱の伝わりにくさを表す熱抵抗のほうで、熱抵抗は厚さを熱伝導率で除して求めるため、同じ材料なら厚くするほど熱抵抗は大きくなり断熱性能は上がります。物性値である熱伝導率と、使い方で決まる熱抵抗を混同しないことが、断熱計算を正しく行うための出発点になります。
他の選択肢が不適切な理由
「熱伝導率は、材料の含水率が高くなるほど大きくなるものである。」という記述は正しく、空気より熱を伝えやすい水が材料中の空隙を埋めるためです。「同じ材料であれば、密度が大きいものほど熱伝導率は大きくなる。」という記述も正しいです。「グラスウールの熱伝導率は、普通コンクリートよりも小さい。」という記述も正しく、繊維の間に動かない空気を多量に含むためです。
試験の罠
熱伝導率は材料の性質、熱抵抗は厚さを含めた使い方の性質、熱貫流率は壁全体の性能、と三段階で整理します。断熱材が効くのは中に動かない空気を閉じ込めているからであり、湿気を含んで空気が水に置き換わると性能が大きく落ちるという点も繰り返し問われます。