2026年版・1-15

建築材料:木材・左官材料・内装材料の一問一答

1級建築施工管理技士「建築学」から、建築材料:木材・左官材料・内装材料に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-15

木材の含水率と強度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①含水率が繊維飽和点を上回る範囲では、含水率が高いほど強度は下がっていく。
  • ②繊維飽和点は含水率およそ30%で、細胞壁が水で飽和した状態をいう。
  • ③含水率が繊維飽和点を下回ると、乾燥が進むにつれて木材の強度は増していく。
  • ④気乾状態の木材の含水率は、おおむね15%程度の値となっている。
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正解 ①含水率が繊維飽和点を上回る範囲では、含水率が高いほど強度は下がっていく。
解説
木材に含まれる水には、細胞壁の中に染み込んだ結合水と、細胞の空洞部分にたまった自由水の二種類があります。木材の強度を左右するのは細胞壁の中の結合水だけで、細胞壁が水で満たされた状態、すなわち繊維飽和点を超えて含まれている水はすべて空洞部分の自由水です。自由水は細胞壁の硬さに関係しないため、繊維飽和点を上回る範囲ではいくら含水率が高くなっても強度はほとんど変わりません。したがって含水率が高いほど強度が下がるという記述は誤りです。一方、繊維飽和点を下回ると細胞壁から水が抜けて壁自体が締まっていくため、乾くほど強度が高まります。木材を使用前に乾燥させるのは、この強度上昇と、乾燥後の収縮による狂いを先に済ませるためです。

他の選択肢が不適切な理由
「繊維飽和点は含水率およそ30%で、細胞壁が水で飽和した状態をいう。」は正しく、強度と収縮の分かれ目になる重要な点です。「含水率が繊維飽和点を下回ると、乾燥が進むにつれて木材の強度は増していく。」も正しく、同時に収縮も始まります。「気乾状態の木材の含水率は、おおむね15%程度の値となっている。」も正しく、大気中に置いた木材が落ち着く含水率です。

試験の罠
30%と15%という二つの数値は必ず対で覚えます。繊維飽和点より上では強度も寸法もほぼ変化せず、下回って初めて両方が変化し始める、という境目の意味を押さえると、強度と収縮のどちらを問われても同じ理屈で答えられます。
問21-15

木材の組織および物理的性質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①木材の乾燥収縮率は、年輪の接線方向が半径方向よりも大きな値となる。
  • ②木材の繊維方向の乾燥収縮率は、半径方向に比べてきわめて小さい値である。
  • ③木材の心材は辺材に比べて含水率が低く、腐朽菌に対する抵抗性も高い。
  • ④木材の強度は、同一の樹種であっても密度が小さいものほど大きくなる。
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正解 ④木材の強度は、同一の樹種であっても密度が小さいものほど大きくなる。
解説
木材は無数の細長い細胞が束になってできており、細胞壁が厚く詰まっているものほど密度が大きく、力を支える実質の量が多くなります。したがって同じ樹種であれば密度が大きいものほど強度は高くなり、密度が小さいほど大きくなるという記述は逆で誤りです。木材の強度は密度とおおむね比例関係にあり、この関係は樹種を越えても成り立つため、密度は木材の強さを推し量る最も基本的な指標として扱われます。ただし節や割れ、繊維の傾きといった欠点があると、密度が同じでも強度は大きく下がります。木材の等級区分に目視等級と機械等級の二通りがあるのは、密度から推定されるたわみにくさと、目に見える欠点の両方を評価するためです。

他の選択肢が不適切な理由
「木材の乾燥収縮率は、年輪の接線方向が半径方向よりも大きな値となる。」は正しく、接線方向は半径方向のおよそ2倍収縮します。「木材の繊維方向の乾燥収縮率は、半径方向に比べてきわめて小さい値である。」も正しく、この違いが乾燥時の反りや割れを生みます。「木材の心材は辺材に比べて含水率が低く、腐朽菌に対する抵抗性も高い。」も正しく、心材には腐りにくくする成分が蓄積しています。

試験の罠
収縮率の大小は接線方向が最大、次に半径方向、繊維方向が最小という順序で覚えます。板目材が反るのは、板の表と裏で接線方向の向きが違うためです。心材と辺材では心材のほうが優れているという点も繰り返し問われます。
問31-15

木質系材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①単板積層材は、単板の繊維方向を1枚ごとに直交させて積層した材料である。
  • ②集成材は、ひき板の繊維方向をほぼ平行にそろえて積層接着した材料である。
  • ③普通合板は、単板の繊維方向を1枚ごとに直交させて奇数枚積層した材料である。
  • ④直交集成板は、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した面材料である。
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正解 ①単板積層材は、単板の繊維方向を1枚ごとに直交させて積層した材料である。
解説
単板積層材は、丸太をかつら剥きにした薄い単板を、繊維方向をほぼ平行にそろえたまま積層接着した材料です。1枚ごとに直交させるのは合板であり、記述は合板の説明になっているので誤りです。繊維方向をそろえることで、長さ方向の強度とたわみにくさが高くなり、しかも節や割れといった欠点が薄い単板の中に分散されるため、強度のばらつきが小さくなります。この性質を生かして、梁や柱、開口部まわりのまぐさといった、長さ方向に力を受ける線材として使われます。これに対して合板や直交集成板は繊維方向を直交させることで、面としての強さと寸法の安定を得ており、床や壁の面材として使われます。線材か面材かで積層の向きが決まると理解すると整理できます。

他の選択肢が不適切な理由
「集成材は、ひき板の繊維方向をほぼ平行にそろえて積層接着した材料である。」は正しく、大断面の梁や湾曲した部材もつくれます。「普通合板は、単板の繊維方向を1枚ごとに直交させて奇数枚積層した材料である。」も正しく、奇数枚にするのは表裏の繊維方向をそろえて反りを防ぐためです。「直交集成板は、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した面材料である。」も正しく、厚い壁や床をそのまま構成できます。

試験の罠
平行に積むのが集成材と単板積層材、直交させるのが合板と直交集成板、という二組の対比が出題の中心です。材料の名前に含まれる「単板」と「ひき板」の違いにも注意し、薄く剥いたものが単板、のこぎりで挽いた板がひき板と区別します。
問41-15

木材の耐久性および防腐に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①木材腐朽菌は、含水率がおよそ20%を下回る状態では繁殖できない。
  • ②木材腐朽菌の繁殖には、水分のほかに適度な温度と酸素と養分が必要である。
  • ③木材の発火点は引火点よりも低く、およそ240℃前後の温度とされている。
  • ④地面に近い部分の木部には、防腐処理を施して蟻害と腐朽を防ぐ必要がある。
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正解 ③木材の発火点は引火点よりも低く、およそ240℃前後の温度とされている。
解説
木材を加熱していくと、まず可燃性のガスが出はじめ、そこに火を近づけると燃え上がる温度が引火点で、およそ240℃から260℃です。さらに加熱を続けると、火を近づけなくても自然に燃え出す温度に達し、これが発火点でおよそ400℃から450℃です。したがって発火点のほうが引火点より高いのであり、発火点が低く240℃前後とする記述は誤りです。木材は表面が燃えると炭の層ができ、その炭が内部への熱の伝わりを遅らせるため、断面の大きな部材は内部が長く健全に残ります。この性質を利用して、燃え尽きる分をあらかじめ断面に上乗せしておく燃えしろ設計が行われます。

他の選択肢が不適切な理由
「木材腐朽菌は、含水率がおよそ20%を下回る状態では繁殖できない。」は正しく、乾燥状態を保つことが最も確実な防腐対策です。「木材腐朽菌の繁殖には、水分のほかに適度な温度と酸素と養分が必要である。」も正しく、このうちどれか一つを断てば腐朽は進みません。「地面に近い部分の木部には、防腐処理を施して蟻害と腐朽を防ぐ必要がある。」も正しく、地面から一定の高さまでの範囲が対象となります。

試験の罠
引火点は240℃台、発火点は400℃台と桁の異なる数値で覚えます。腐朽の条件は水分、温度、酸素、養分の四つで、水中に完全に沈んだ木材が腐らないのは酸素が断たれるためという例外もよく問われます。
問51-15

左官材料の性質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①セメントモルタルは気硬性の材料で、水中では硬化が進まない性質をもつ。
  • ②せっこうプラスターは水硬性の材料で、しっくいに比べて乾燥収縮が小さい。
  • ③しっくいは空気中の二酸化炭素と反応して硬化する気硬性の材料である。
  • ④ドロマイトプラスターは粘性が高く、のり材を加えなくても塗ることができる。
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正解 ①セメントモルタルは気硬性の材料で、水中では硬化が進まない性質をもつ。
解説
セメントは水と反応して硬化する水硬性の材料であり、水中でも硬化が進みます。空気に触れる必要がないため、水の中や湿った場所でも強度を発現でき、これが基礎や地中の部材、水槽などにセメント系材料が使われる理由です。したがって気硬性で水中では硬化しないという記述は誤りです。左官材料は硬化の仕組みで二つに分かれ、水と反応して固まる水硬性にはセメントモルタルとせっこうプラスター、空気中の二酸化炭素と反応して固まる気硬性にはしっくいとドロマイトプラスターが入ります。気硬性の材料は空気に触れる面から徐々に硬化するため、厚く塗ると内部の硬化が遅れ、また水がかかる場所には使えません。

他の選択肢が不適切な理由
「せっこうプラスターは水硬性の材料で、しっくいに比べて乾燥収縮が小さい。」は正しく、ひび割れが生じにくい利点があります。「しっくいは空気中の二酸化炭素と反応して硬化する気硬性の材料である。」も正しく、消石灰がもとの炭酸カルシウムに戻る反応です。「ドロマイトプラスターは粘性が高く、のり材を加えなくても塗ることができる。」も正しく、しっくいがのり材を必要とするのと対照的です。

試験の罠
水硬性か気硬性かの分類は毎回のように問われます。せっこうプラスターは水硬性でありながらしっくいと同じく室内専用である点、ドロマイトプラスターは気硬性で乾燥収縮が大きくひび割れやすい点が、それぞれ別の切り口で出題されます。
問61-15

左官工事の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①セメントモルタル塗りでは、下塗りの調合を上塗りよりも富調合とする。
  • ②せっこうプラスター塗りでは、加水後の練り置き時間を長くとるとよい。
  • ③セルフレベリング材塗りでは、硬化するまでの間は室内の通風を避ける。
  • ④セメントモルタル塗りの1回の塗り厚は、6mm程度を標準とする。
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正解 ②せっこうプラスター塗りでは、加水後の練り置き時間を長くとるとよい。
解説
せっこうプラスターは水と反応して硬化する水硬性の材料で、加水した瞬間から硬化反応が始まります。練り置き時間を長くとると、硬化が進んだ状態で塗ることになり、下地との付着が損なわれるうえ、塗り面に硬化不良やひび割れが生じます。したがって長くとるほどよいという記述は誤りで、既調合のせっこうプラスターは加水後おおむね2時間以内に使い切ることとされ、練り返しも認められません。塗り終わった後は、硬化するまで直射日光や通風を避けて水分が急に飛ばないようにし、硬化した後は逆に通風を確保して乾燥させます。硬化前と硬化後で望ましい環境が逆になる点が、この材料の扱いの要点です。

他の選択肢が不適切な理由
「セメントモルタル塗りでは、下塗りの調合を上塗りよりも富調合とする。」は正しく、下地への付着を確保するためセメントの割合を多くします。「セルフレベリング材塗りでは、硬化するまでの間は室内の通風を避ける。」も正しく、風が当たると表面だけが乾いて皺や硬化不良が生じます。「セメントモルタル塗りの1回の塗り厚は、6mm程度を標準とする。」も正しく、厚く塗ると自重で垂れ、乾燥収縮によるひび割れも増えます。

試験の罠
調合は下塗りほど富調合、上塗りほど貧調合という順序で覚えます。富調合はセメントが多く付着力が高い一方で収縮も大きいため、収縮を表面に出さないよう上塗りを貧調合にします。総塗り厚は床を除いて25mm以下という上限も併せて確認します。
問71-15

せっこうボードおよびボード類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①強化せっこうボードは、心材にガラス繊維などを混入して耐火性を高めたものである。
  • ②シージングせっこうボードは、心材と原紙に防水処理を施した水回り向けの製品である。
  • ③けい酸カルシウム板は、耐火性に劣るため軒天井などの屋外の部位に用いられる。
  • ④化粧せっこうボードは、表面に化粧加工を施して仕上げを不要としたものである。
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正解 ③けい酸カルシウム板は、耐火性に劣るため軒天井などの屋外の部位に用いられる。
解説
けい酸カルシウム板は、けい酸質の原料と石灰質の原料を高温高圧で反応させてつくる無機質の板で、耐火性と耐水性の両方に優れています。軒天井や湿気の多い場所に使われるのは、耐火性に劣るからではなく、むしろ火にも水にも強いからです。したがって耐火性に劣るという記述は誤りです。同じ無機質のボードでもせっこうボードは、心材のせっこうに含まれる結晶水が火災時に熱を奪いながら蒸発することで温度上昇を遅らせるという仕組みで耐火性を発揮しますが、水に弱いという弱点があります。用途を選ぶ際は、耐火性だけでなく、水がかかる場所か、外気にさらされる場所かという条件を合わせて判断する必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「強化せっこうボードは、心材にガラス繊維などを混入して耐火性を高めたものである。」は正しく、火災時に心材が崩れ落ちるのを繊維が抑えます。「シージングせっこうボードは、心材と原紙に防水処理を施した水回り向けの製品である。」も正しく、洗面所などの下地に用います。「化粧せっこうボードは、表面に化粧加工を施して仕上げを不要としたものである。」も正しく、そのまま仕上げ面として使えます。

試験の罠
せっこうボードの耐火性が結晶水の蒸発によることは、理由まで問われる定番の知識です。シージングは防水、強化は耐火と、名称と性能の対応を取り違えないようにします。屋外や軒天井に使えるのはけい酸カルシウム板であって、せっこうボードではありません。
問81-15

内装の床材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ビニル床シートの熱溶接工法では、溝の深さをシート厚の三分の二程度とする。
  • ②ビニル床タイルは、可塑剤の量が多いものほど硬く、寸法の安定性も高くなる。
  • ③タフテッドカーペットは、基布にパイルを刺し込んで裏面を樹脂で固めたものである。
  • ④複合フローリングは、合板などの基材の表面に薄い化粧材を張り合わせたものである。
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正解 ②ビニル床タイルは、可塑剤の量が多いものほど硬く、寸法の安定性も高くなる。
解説
可塑剤とは、塩化ビニル樹脂に柔らかさとしなやかさを与えるために加える添加剤です。量が多いほど製品は軟らかくなり、伸び縮みしやすくなるため寸法の安定性はむしろ低下します。したがって多いほど硬く安定性が高いという記述は正反対で誤りです。可塑剤の量が少ないコンポジションビニル床タイルは、硬く寸法が安定していて耐久性に優れる反面、割れやすく、下地の不陸をそのまま拾いやすい性質があります。逆に可塑剤の多いホモジニアスビニル床タイルは、柔軟で歩行感が良く、曲げても割れにくい代わりに、重量物を長く置くとへこみが残ることがあります。用途に応じてこの硬さと柔らかさを選び分けるのが実務です。

他の選択肢が不適切な理由
「ビニル床シートの熱溶接工法では、溝の深さをシート厚の三分の二程度とする。」は正しく、深すぎると下地まで達し、浅すぎると溶接棒が十分に溶け込みません。「タフテッドカーペットは、基布にパイルを刺し込んで裏面を樹脂で固めたものである。」も正しく、機械織りのウィルトンカーペットとは製法が異なります。「複合フローリングは、合板などの基材の表面に薄い化粧材を張り合わせたものである。」も正しく、単層フローリングに比べて狂いが少ない特徴があります。

試験の罠
可塑剤は「多いほど軟らかい」と一言で押さえます。熱溶接工法の溝はシート厚さの三分の二程度、溶接後に余分を削り取るのは接合部が完全に冷えてからという二点も併せて出題されます。
問91-15

建築に用いる断熱材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①押出法ポリスチレンフォームは吸水率が小さく、断熱に用いても性能低下が少ない。
  • ②グラスウールは繊維の間に空気を含んで断熱するため、湿気を含むと性能が下がる。
  • ③断熱材の熱伝導率は値が大きいものほど、熱を伝えにくく断熱性能が高いといえる。
  • ④硬質ウレタンフォームの現場発泡工法は、複雑な形状の部位にも隙間なく施工できる。
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正解 ③断熱材の熱伝導率は値が大きいものほど、熱を伝えにくく断熱性能が高いといえる。
解説
熱伝導率は、材料の中をどれだけ熱が伝わりやすいかを表す値で、単位はワット毎メートル毎ケルビンです。値が大きいほど熱がよく伝わるということなので、断熱材としては値が小さいものほど性能が高くなります。したがって値が大きいほど断熱性能が高いという記述は逆で誤りです。断熱材が熱を伝えにくいのは、材料そのものが優れているというより、内部に動かない空気を大量に閉じ込めているためです。空気は熱伝導率がきわめて小さい一方、動くと熱を運んでしまうので、繊維や気泡で空気の移動を止めることが断熱の要点になります。グラスウールが湿気で性能を落とすのも、空気の場所を水が置き換えてしまうためで、水の熱伝導率は空気のおよそ20倍以上です。

他の選択肢が不適切な理由
「押出法ポリスチレンフォームは吸水率が小さく、断熱に用いても性能低下が少ない。」は正しく、独立した気泡でできているため水が入り込みません。「グラスウールは繊維の間に空気を含んで断熱するため、湿気を含むと性能が下がる。」も正しく、防湿層を室内側に設ける理由です。「硬質ウレタンフォームの現場発泡工法は、複雑な形状の部位にも隙間なく施工できる。」も正しく、吹き付けて膨らませるため取合い部にも密着します。

試験の罠
熱伝導率は小さいほど良い、熱抵抗は大きいほど良いと、二つの指標で向きが逆になる点が最大の狙い目です。防湿層は必ず断熱材の室内側、通気層は屋外側という位置関係も併せて問われます。
問101-15

内装材料および仕上材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ロックウール化粧吸音板は、多孔質の構造により中高音域の吸音に効果がある。
  • ②しっくい塗りの壁は調湿性をもつが、水がかかる屋外の部位には適していない。
  • ③アルミニウム製建具の表面処理では、陽極酸化被膜の上に塗装を行う方法がある。
  • ④せっこうボードの吸音性能は、材料の密度が高いものほど中高音域で高くなる。
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正解 ④せっこうボードの吸音性能は、材料の密度が高いものほど中高音域で高くなる。
解説
音を吸収する仕組みには大きく二種類あり、ひとつは多くの細かな穴の中で空気が振動して摩擦により音のエネルギーが熱に変わる多孔質吸音、もうひとつは板が振動して音のエネルギーを消費する板振動による吸音です。せっこうボードのような密で穴のない板材は多孔質吸音がほとんど働かず、板振動によって低音域を吸収するだけで、中高音域についてはむしろ音を反射します。しかも密度が高いほど板は振動しにくくなるため、吸音性能は低下します。したがって密度が高いほど中高音域で吸音性能が高くなるという記述は誤りです。中高音域を吸収したい場合は、ロックウール吸音板のような多孔質材料や、板に孔をあけて背後の空気層と組み合わせる方法を用います。

他の選択肢が不適切な理由
「ロックウール化粧吸音板は、多孔質の構造により中高音域の吸音に効果がある。」は正しく、繊維の隙間で空気が摩擦を起こします。「しっくい塗りの壁は調湿性をもつが、水がかかる屋外の部位には適していない。」も正しく、気硬性で水に弱い材料です。「アルミニウム製建具の表面処理では、陽極酸化被膜の上に塗装を行う方法がある。」も正しく、複合被膜と呼ばれ耐候性が向上します。

試験の罠
多孔質材料は中高音域、板振動は低音域という吸音の得意な周波数帯の対比が出題の中心です。重い材料は音を通しにくいという遮音性能と、音を吸収する吸音性能はまったく別の性質であり、重く密なものほど遮音は良く吸音は悪いという逆の関係を混同しないようにします。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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