鉄筋コンクリート構造の原理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①コンクリートの中性化が進むと、その圧縮強度は急激に低下していく。
- ②コンクリートと鉄筋の線膨張係数は、おおむね等しい値となっている。
- ③コンクリートのアルカリ性は、内部の鉄筋の腐食を防ぐ働きをもつ。
- ④引張力は主に鉄筋が負担し、圧縮力は主にコンクリートが負担する。
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中性化とは、空気中の二酸化炭素がコンクリートの内部に入り込み、水酸化カルシウムと反応して炭酸カルシウムに変わることによって、強いアルカリ性が失われていく現象です。この反応そのものはコンクリートを緻密にする方向に働くため、圧縮強度が急激に落ちることはありません。中性化が問題となるのは、鉄筋の表面を覆っていた不動態被膜がアルカリ性の喪失によって壊れ、鉄筋が錆びはじめるからです。錆びた鉄筋は体積がおよそ2倍以上に膨張し、周囲のコンクリートを押し割ってひび割れやはく落を生じさせ、構造物の耐力と耐久性を大きく損ないます。したがって圧縮強度が急激に低下するという記述は誤りであり、直接の被害は鉄筋の腐食を通じて現れます。
他の選択肢が不適切な理由
「コンクリートと鉄筋の線膨張係数は、おおむね等しい値となっている。」という記述は正しく、温度変化があっても両者の間に大きなずれが生じないため一体として働けます。「コンクリートのアルカリ性は、内部の鉄筋の腐食を防ぐ働きをもつ。」という記述も正しいです。「引張力は主に鉄筋が負担し、圧縮力は主にコンクリートが負担する。」という記述も正しく、両材料の長所を組み合わせた構造です。
試験の罠
中性化は強度の問題ではなく鉄筋腐食の問題である、という因果関係を押さえます。中性化の進行を遅らせるには、水セメント比を小さくして緻密なコンクリートとすること、かぶり厚さを十分に確保すること、仕上材で表面を保護することが有効です。